誰かに必要とされる「僕」でありたい
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僕が僕でいられる
理由を探していた
あなたの胸の中で
生きている僕がいるのならば
暗闇も長い坂道も
越えて行けるような
僕になれるはず
≪名前を呼ぶよ 歌詞より抜粋≫
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自分が自分であるということは、当たり前のようでいて、実は難しいことです。
ふとした瞬間に「自分」というものの存在意義が揺らいだり、周りの評価を気にしすぎて自分を見失ってしまったり。
そんな時「僕が僕でいられる理由」を、人は探すのでしょう。
そしていつの日か、誰かの心の中に生きる自分を見つけられたとき、どんな状況に置かれても自分を見失わなくなるのです。
この曲は、そんなかけがえのない「誰か」に向けた歌。
また、「僕」がバンドマンだとするならば、この曲はバンドマンとファンの歌でもあるのです。
自分の大好きなバンドを思い浮かべながら聴くと、この曲に込められたメッセージがよく分かるでしょう。
ファン1人1人に訴えかける歌詞
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それぞれに今を歩いてる僕らが笑えるように
生きている意味を確かめ合いながら進めるように
名前を呼ぶよ
あなたの名前を
あなたがあなたでいれるように
≪名前を呼ぶよ 歌詞より抜粋≫
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誰かの心に「僕」が生きているから「僕が僕でいられる」。
だからこそ「僕」も誰かのために名前を呼ぶのです。
「あなたがあなたでいれるように」。
“誰かが呼んでくれたから生きていられる、その恩返しとして、他の誰かを支えたい。”
『名前を呼ぶよ』には、そんな温かな思いが詰まっているのです。
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悲しみに暮れてあなたの涙がこぼれる時
寂しさに溢れて心がしぼんでく時
名前を呼ぶよ
あなたの名前を
僕の名前を呼んでくれたみたいに
≪名前を呼ぶよ 歌詞より抜粋≫
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誰しも、涙が零れてしまう時や自分を嫌いになってしまう時、どうしても元気になれない時があるものです。
そんな時に名前を呼んでもらえる…これだけで、どれだけ勇気づけられるでしょう。
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眩しいくらいの未来がこの先に待っていても
僕一人きりで迎えてもなんの意味もないの
名前を叫ぶよ
僕の名前を
今でもここにいるよ
聞こえてるかな
≪名前を呼ぶよ 歌詞より抜粋≫
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どんなに眩しく幸せな未来でも、1人きりでは意味がありません。
“大切な人と、ファンと一緒に未来を迎えたいんだ。”
そんなメッセージが込められた歌詞に、胸が温かくなります。
「今でもここにいるよ 聞こえてるかな」
という歌詞からは、”どんなに離れていても、目の前にいなくても、ここからあなたの名前を呼んでいるよ”という声が聞こえてきそうです。
1人じゃないから頑張れる
ラックライフの歌詞は、1人1人に呼びかけるメッセージ性がとても強いのも特徴です。音楽はバンドマンだけでは成り立ちません。
その曲を聴いてくれるファンがいて、初めて成立するのです。
だからこそ「眩しいくらいの未来がこの先に待っていても 僕一人きりで迎えてもなんの意味もないの」という歌詞が刺さるのでしょう。
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『いなくてもいいか』
一人呟いて空を見上げてた
風に紛れて
どこからか聞こえた
僕の名前
僕が僕でいれるように貰ったモノ
≪名前を呼ぶよ 歌詞より抜粋≫
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音楽の世界は、必ずしも努力すれば結果が実るというわけではありません。どれだけ頑張っても成果が見えず、苦しむこともあるでしょう。
「いなくてもいいか」と、自分の存在意義を見失ってしまう瞬間も、幾度となくあると思います。
それでも、どこかで自分の名前を呼ぶ声がする…。だからこそ、自分を見失わずにいられるのだと歌っているのです。
どんな時でも全力で名前を呼んでくれるファンの存在が、バンドマンにとってどれほど心強いか。
この曲を聴いていると分かるような気がします。
「いなくてもいいか」という歌詞は、ファン1人1人に向けられているのかもしれません。
“自分1人くらいいなくても変わらないだろう”
名前を呼んでくれるファンの1人が、そんな風に考えていたら、きっとバンドマンは悲しみます。
どこからか聞こえる声が「僕」を勇気づけてくれるように、ファンの声は、たとえ1人分でも大きな存在なのです。
この曲を聴いていると、ふとした瞬間に抱いてしまう”自分1人くらい…”という思いが、恥ずかしくなりますね。
そんな、ファンの心深くに届く歌詞が印象的な1曲です。
「名前を呼ぶよ」はバンドとファンをつなぐ架け橋
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それぞれに今を歩いてる僕らが笑えるように
生きている意味を確かめ合いながら進めるように
名前を呼ぶよ
あなたの名前を
あなたがあなたでいれるように
悲しみに暮れてあなたの涙がこぼれる時
寂しさに溢れて心がしぼんでく時
名前を呼ぶよ
あなたの名前を
僕の名前を呼んでくれたみたいに
≪名前を呼ぶよ 歌詞より抜粋≫
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『名前を呼ぶよ』は、歌い出しからボーカル・PONの優しく伸びやかな声で、涙腺をぐいぐい刺激されます。
そしてサビの歌詞、自分が苦しい時、心折れそうな時に、大好きなバンドマンが名前を呼んでくれたら、悲しみも痛みも乗り越えられるような気がします。
まるでファン1人1人に語りかけるように歌われる「名前を呼ぶよ」の歌詞は、ファンにとっては堪らなく心強く、嬉しいものです。
そして、歌を締めくくる「僕の名前を呼んでくれたみたいに」という歌詞で、涙腺はついに崩壊します。
ライブに足繁く通う人や、大好きなバンドがいる人には、分かりすぎるくらい分かるのではないでしょうか。
自分たちが普段、客席から熱を込めて呼んでいる人が、自分の名前を呼んでくれる。
確かに、誰も、見返りを求めてメンバーの名前を呼ぶわけではないでしょう。
ましてや、名前を呼んでもらえることなんて、普通はありえません。
だからこそ「僕の名前を呼んでくれたみたいに」「名前を呼ぶよ」という歌詞が刺さるのです。
自分の声が届いている、聞こえていると思えることは、ファンにとってこの上ない幸せでしょう。
たとえ実際には、1人1人の名前を呼ぶことができなくても、”いざとなったら助けてくれる、自分を想ってくれている”と思えること、ファンとして大切にされていると感じられることが、何よりも大切なのです。
「名前を呼ぶよ」たったこれだけの短いフレーズで、ファンを泣かせるラックライフ。
ファンを思う気持ちを、これほどストレートに伝えられる彼らの心意気には、目を見張ります。
たった1曲でファンを虜にしてしまうほどの、ラックライフの人間的な魅力から目が離せません。
曲を聴くたびに、もっともっと彼らのことを知りたい、色々な曲を聴きたいと思わせる、この先も楽しみなバンドです。
TEXT 岡野ケイ