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【インタビュー】フレデリック・三原康司「大変だったけど、今、出せてよかった」

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フレデリック「されどBGM」に込められ…

4人組ロックバンド、フレデリックのNew EP『ASOVIVA』は、コロナ禍で制作、完成した。世の中が一変し、ミュージシャンとして感じた悲しみや怒り、未来への希望。作詞・作曲を担当した三原康司(Ba)の想いとは?

公開日:2020年9月20日 更新日:2020年10月19日


この記事の目次 []
  1. ・メンバーやスタッフの姿勢が誇らしい
  2. ・等身大の音が出たと思うリモート制作
  3. ・僕らは音楽を「されど」と思いたい
  4. ・歌って出てきたものを曲にした
  5. ・今年の夏に感じた思いを曲にした
  6. ・フレデリックの概念を覆せる一枚に

メンバーやスタッフの姿勢が誇らしい

──フレデリックにとってはツアーが終わった直後に、今回のコロナのことがありましたよね。今回のアルバム制作には、その辺も影響されていると思うのですが。


三原康司:2月24日に横浜アリーナでワンマンライブ(バンド史上最長の全国ツアー『FREDERHYTHM TOUR 2019-2020』のファイナル、『FREDERHYTHM ARENA 2020 〜終わらないMUSIC〜』)をして、そこから本当に2、3日後に急にコロナのことで、世間が変わってしまって。それで「ミュージシャンとして自分たちは何ができるか?」を考えました。ライブができないから、まずは音源を作ろうとなり、すぐにこのEP制作に動き出したんです。

こういった状況の中で、自分が感じていたことや、「こうあるべきなんじゃないか」と思うことを、自分なりに丁寧に考えて今回のEP『ASOVIVA』を作りました。


──『ASOVIVA』というタイトルには、どんな思いがありますか?

三原康司:そもそもは武道館公演(2021年2月23日開催予定)が決まった時から、ボーカルの健司がそこに向けて「武道館を遊び場にしたい」とずっと言っていて。ライブをしていても、会話する中でも、「遊ぶ」というワードを頻繁に聞いていました。だから僕はその「遊ぶ」というワードをどう広げていくか、と思ったんですよね。

「遊ぶ」という言葉は、フレデリックにとってもすごく大事なことで。僕らはダンスミュージックを基軸にしてやっていますが、やはりダンスは体や気持ちを開放していろいろな形で音楽を楽しめるから、ライブフロア自体が一緒に遊んでいる、といった感じがある。だからみんな、言葉の表面上だけでなく、もっと「遊び」というものに広い意味を持って、何かを感じていた部分があったと思うんです。


──今は、まさに「遊び場」がなくなっているような状況ですよね。


三原康司:そうですね。この時期は、とくに「音楽自体が不要不急なものなのじゃない?」と言われた期間であったと思うんです。それは音楽に限らないんですけれど、自分は音楽を生業にしている以上、そこに対してすごく感じるので。でも僕にとって音楽は「衣食住音」ぐらいの存在なんです。


──私たちの生活に欠かせない衣食住、そこに音が加わっている、と。

三原康司:はい。何かを楽しんだり、自分の知らない感情を引き出してくれるものだったり……。人間にとって本来必要な「喜怒哀楽」を引き出してくれる、そういう栄養を音楽に感じるんです。

だから僕は「不要」とは、どうしても思えなかった。遊ぶこととか楽しむことは悪ではなくて、人間にとって一番必要なものではないか?ということで、今回の『ASOVIVA』というタイトルと重なっていっているというか。そういうことを、この時期にすごく考えました。

この『ASOVIVA』というタイトルは常に思い続けてたことなんですけれど、今は特に必要なものでもあるのかな、というのは、すごく感じています。


──このような状況に直面し、バンドとして新たに発見したことはありますか?

三原康司:状況が変わった中でも、それをしっかり楽しめるバンドなんだな、ということを思いました。メンバーはすぐさま「曲を録ろうよ」というモードになって。今回レコーディングの形もまったく変わって、リモート製作だったんですけれど、その中でできることをポジティブに捉えて、物事に打ち込めたんです。


──そうだったんですね。

三原康司:「自分が今、何をすべきか?」というのは、いろいろな選択肢があると思うんです。たとえばオンラインライブは、やはり生のライブとは全然違う。でもそこへの向き合い方など、バンド全員のスタンス、姿勢みたいなものがすごく誇らしく感じました。

それはレコーディングスタッフや常に一緒に行動しているスタッフも同じで。みんな「自分たちは今、何をすべきなのか?」を考えて、すぐさまそこに向けて行動していました。だからすごくいいチームで成り立っているな、と思いましたし、逆にこれが当たり前と思ってはいけない、ということも感じました。

等身大の音が出たと思うリモート制作

──今回、制作は全体的にリモートだったのでしょうか?


三原康司:そうですね。順番で言えば、2曲目に収録されている「されどBGM」という曲が最初にできて。この曲はすぐに聴いてもらいたい気持ちがあったから、曲ができてすぐにデジタル配信という形で世に出す事になりました。


──リモート制作をすることで、一番大きな変化は何だったのでしょうか?

三原康司:基本的にレコーディングの形というのは、そこまで大きく変わるものはないとは思うんですけど、「会えない」というのが一番大きかったです。

でも逆にリモートだったからこそ、回数を重ねられた部分もあって。普段のレコーディングはスタジオを1日借りて、限られた時間の中でどれだけ録ることができるか、という形なんですけど、今回の制作は、いわば、無限大にやれる(笑)。

ある程度の締め切りはあるんですけれど、夜中までやってもOKですし、スタジオが閉まることもないので、自分の家でひたすら作業する、という感じでした。「寝ずにやるぞ」みたいなメンバーもいたりして。そういう意味では、いろいろな自分に向き合えた時間でもあったのかな、と思います。


──康司さんご自身はいかがでしたか? メリハリをつけてやる感じですか? それとも最後に追い込む感じ?

三原康司:どっちも、という感じでした。追い込むときは追い込むで。今回、自分の家でベースだったりを録ったんですけれど、やっぱり自分が普段いる環境の中でやるから、背筋を伸ばさなくてもいいじゃないですか(笑)。


──確かに(笑)。

三原康司:だから、ある意味、等身大でもあるのかな、とは思いました。


──それはやはり音に表れました?

三原康司:リラックスして弾けたので、リズムの感じはいい形で録れたんじゃないかな、と。おだやかな時もあるし、逆にピリピリしたりもして、結構、幅は広かった気がします。

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