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映画「七つの会議」働くことの正義を問う社会派ミステリー・サスペンス!

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池井戸潤の人気小説を原作に、野村萬斎が主演を務めた映画『七つの会議』。中堅企業を舞台に、社会の闇に触れるサラリーマンの戦いを描く社会派エンターテインメント作品です。すべての働く人に疑問を投げかける本作の魅力を紹介します。

池井戸潤の人気社会派小説を映画化


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2019年公開の映画『七つの会議』は、中堅企業を舞台に描く社会派ミステリー・サスペンス作品です。

原作は半沢直樹シリーズなど、数々の人気作品を世に送り出してきた池井戸潤の同名小説。

様々な視点から会社内部と1人の男の姿を捉えるオムニバス小説で、NHKドラマとして映像化もされました。

劇場版となる本作のメガホンを取るのは、ドラマ監督として池井戸作品を手がけてきた福澤克雄です。

原作の先の読めないハラハラする展開を引き継ぎながら、映画ならではのスケールを感じる作品に仕上げています。

公開されると、全国映画動員ランキングと満足度ランキング共に首位を獲得した評価の高い映画です。

社会に真っ向から切り込む本作のあらすじや見どころを、動画と共に紹介します。

「七つの会議」のあらすじ

▲「七つの会議」予告

都内中堅メーカーの東京建電には、ぐうたら社員がいます。

それは、営業一課の万年係長の「居眠りハッカク」こと八角民夫です。

ノルマは最低限を果たすのみで、定例の営業会議にも参加はするものの傍観に徹していました。

営業課長の北川誠が打ち出す結果主義の方針で他の社員たちが必死に働くのを横目に、彼だけは我が道を行く毎日です。

そんなある日、トップセールスマンで年下課長の坂戸宣彦からの叱責を受け、八角は坂戸に対してパワハラで訴え、異動処分が下されました。

課のエースだったはずの坂戸に対し、パワハラ委員会が下した不可解な裁定に社員たちは動揺せざるを得ません。

一方、新課長に着任したのは万年二番手の原島万ニ

しかし思うように結果が出せず、場違いにも感じるようになります。

そんなサラリーマンたちの戦いの裏には、思いがけない秘密が隠されていました

豪華キャストが多彩なキャラクターを熱演



本作の主演を務めるのは、狂言師としても映画俳優としても抜群の存在感放つ野村萬斎

飄々としながらも内に秘めた熱さを感じさせる人物を、持ち前の表現力で重厚感たっぷりに演じています。

そして、池井戸潤作品に欠かせない歌舞伎俳優の香川照之片岡愛之助が、物語のキーパーソンを担います。

落語界からは立川談春と春風亭昇太、演劇界からは橋爪功、鹿賀丈史、勝村政信、木下ほうか、北大路欣也が参加。

さらにミュージシャンの及川光博に世良公則、TEAM NACSの音尾琢真、オリエンタルラジオの藤森慎吾が加わり、幅広い男性キャストが骨太なストーリーを盛り上げています。

野村萬斎と多彩なキャストのパワフルな演技合戦は必見です。

また朝倉あき、吉田羊、土屋太鳳など数少ない女性キャストの好演も見逃せません。

働くことの真意を突くストーリーが面白い



「ブラック企業」「働き方改革」など働くことに関する見方が変わってきた現代。

そのなかでも未だに組織の隠蔽体質は改善されておらず、ニュースで明るみになる毎日です。

本作はそんな現代社会の本質を鋭く描いています。

社員は会社を支えるネジのようなものです。

1つ1つは小さくても、綻びがあれば大きな損失を招くこともあります。

働くとは、ただ言われるがままにノルマをこなすことなのか。

働く者の正義とは、長いものに巻かれて不正に目をつむることなのか。

そんな社会人としての是非を痛烈に問いかけてくるでしょう。

彼らがどんな答えを出し、自身はどんな結論を下すのか、じっくり考えさせられます。



また、本作の面白さは独特な視点にもあります。

あくまで主人公は八角ですが、彼を見る原島の視点でストーリーが描かれるという構図です。

それにより、ぐうたらで会社のお荷物のように扱われる主人公が何を考え、何をしようとしているかが徐々に明らかになります。

主人公の行動により周囲の不可解な言動が浮き彫りになり、会社に潜む闇が見えてくるというミステリー展開が魅力です。

観る人も探偵役の原島と共に真実を知っていく楽しみがあります。

そして、テーマや怒号飛び交うシーンの多さから堅い内容かと思えば、コミカルでくすっと笑えるシーンも盛り込まれているので観ていて面白いです。

スピード感がありながら緩急のついた深みのある展開で、冒頭からラストまで目が離せません。

「メイク・ユー・フィール・マイ・ラブ」は深い愛を歌う主題歌

▲Bob Dylan - Make You Feel My Love (Audio)


本作の主題歌は、ボブ・ディランの名曲『メイク・ユー・フィール・マイ・ラブ』です。

ボブ・ディランが日本映画へ楽曲提供を行うのは、ノーベル文学賞受賞後初となります。

ロック界を切り開いてきた彼が低迷していた90年代、転機を迎えた時に生まれた楽曲です。

センチメンタルなピアノのメロディが美しいラブバラードで、ムーディな歌声が心に響くでしょう。

歌詞には別れた相手への後悔の念が綴られています。

しかし同時に、純粋な深い愛そのものを歌う祈りの曲でもあるのです。

そのメッセージと彼の癒やしの歌声は現代を懸命に生きる人々の鎮魂歌として、本作にふさわしい主題歌となっています。

映画から働くことを見つめ直そう



映画『七つの会議』は、働く人すべてが考えさせられるテーマを扱っています。

小規模な製造メーカーの社員1人でさえ、日本のものづくりを陰で支える重要な人物です。

向き合う仕事が小さく思えても、その仕事がなければあらゆる物が街から姿を消してしまうでしょう。

自身の働きに誇りを持ち、真摯に仕事に励むことの大切さを教えてくれます。

本作を観て、働くことへの正しい見方について考えてみてください。


TEXT MarSali

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