「会えない」そんな時間だからこそ、出会えた新しいオレら。
──2020年は世界的にも、いろいろありましたね。風男塾さんにとっては、どんな一年だったでしょうか?偉舞喜 雅:オレ自身、風男塾に入ってすぐに自粛だったので、思うように活動できなかったんですね。ファンの人にも会えなかったですし、人の前に出るキッカケも少なかった1年。
その中でも、自分が何を発信したら「元気になってもらえるのか?」を常に考えていた色濃い1年になりました。
神那 橙摩:加入してすぐに自粛期間に入ってしまって、思うようにライブができなくなってしまって「どんな年になるんだろう…」っていうことを考えていました。今までの日常を当たり前だと思ってはい行けない。そう感じた1年ですね。
最近では、少しずつ会えるようになってきたので「会える時間」を大切にしていきたいなぁっと!考えています!
紅竜 真咲:2人とは違って、自分は過程の中での一年だったので「自分を見つめ直す」良い時間になりました。加入してから立ち止まることもなく、休むこともなく前進してきたので、こんな風に止まることはなかったので、すごく悩み考えた時期もありました。
でも、今まで見えてこなかった自分も見えてきたりして新しい自分の発見でもありました。そして、2020年に考えたいろんな事の結論が、2021年に待っているんだとポジティブに捉えています。
愛刃 健水:去年の年末に「卒業する」ことを発表させてもらっていたんですね。なので、スムーズに行けば年末には卒業という流れだったんです。そう考えると、全てがうまくいっていないと言わざる得ない1年でした。
この1年かけてファンの方や皆さんに感謝の気持ちを伝えていきたい!って考えていたので、それが難しい状況になり、常に“どう伝えれば良いのか?〟ということに集中していました。
また、風男塾のコンセプトは「人を元気にする!」なので、こうした背景の中でも「どうやったらみんなを元気にできるのか?」という点も考えていました。まぁでも、正直、この状況が「楽しかったし、乗り超えた!」って今は言えないです。
でも、もう少し年数が経ったときに「この年に成長したなぁ!」って言える年にしたいと思っていたので、必ず2021年につながると思っています。それと、こんな状況でも、何事にも逃げずに真っ直ぐ向き合ってきた人が勝つんじゃないかと、とも思っています。
1年のドラマを集約したかのような。真打のラブソングに込めた思いとは?
──新曲「会いたい、会いたい」でググっと来たフレーズや楽曲に対する思いを聞かせてください。愛刃 健水:「あたりまえだったことが そうじゃなくなるたび。あの時は良かったなって おもうだけ?」っていうフレーズが自分の心とリンクしていました。ライブで歌わせてもらっている時にも、すごく感情が入りやすくて、思うだけでは届かない想いをお届けしたいです。また、メロディも初めて聞いた時に、心から離れなくなりました。全体的な歌詞に関しても「会いたい」をこれだけ連発するのも西野カナさん以来だと(笑)。
これだけ言葉を連続しているけど、苦しく聴こえないし、ナチュラルに入ってくるのは、風男塾だからこそ、そんなに圧がかからなく伝えることができる良さもあると感じていますし、男臭い言葉もスッと入ってくると感じていて、新曲の「会いたい、会いたい」を通して新しい伝え方ができるなと実感しています。
他のフレーズたちも、現代っぽい言葉が散りばめられているので、逆にこういう現代っぽい言葉を知らなかった人たちも、風男塾を通して知ってもらいたい気持ちが芽生えましたね。
紅竜 真咲:「どれぐらいの嫌なことを 我慢したら 一つぐらい、いいことが あるのかな。」このフレーズがすごく胸に響きました。社会全体の人たちがいろんな想いを抱えていたと思うんですね。でも、そういう経験をしたからこそ、この2行の言葉が沁みてくるんだなぁって。こういう感情を自分にインプットできるようになって、1つ豊かなになった気がしますし、人の気持ちを理解する力が成長したなぁって感じました。
たくさん嫌なことや苦しいことがあったとしても「どれぐらい嫌なことを我慢したら、1つぐらいいいことがあるのか?」から読み取れるように、1つ良いことがあれば、困難な経験も報われる!って考えられるようになりました。なので、このフレーズは風男塾にも通ずることができる2行の沁みるフレーズです。
偉舞喜 雅:「会いたい、会いたい、会いたい、会いたい、会いたい、会いたい、会いたい、会いたい、会いたい」。何回も“会いたい〟その気持ちを歌に乗せているところですね。そして、この“会いたい〟気持ちを、誰に向けて歌うのか?を考えたときに、もちろんファンの方もそうですし、友達、家族など、いろんな人を連想しながらパフォーマンスしています。なので、その時、伝えたい人によって、表情が変わってくる(会いたい)でもあると感じています。
あとは「Ti Ti Ti Ta Ta Ta」などリズムを刻んでるところが好きでした。そこに合わせて1人づつフリも変更したりして、まるで時間が進んでいるようなニュアンスを演出したりしています。この1曲の中で“時が進んでいる”というストーリー性があるので、心にグッときやすいなぁっと思っています。
神那 橙摩:「ネットニュースを見て。あと どれくらいで君に会えるかを 計算させて」っていうフレーズは、本当、今年1年に当てはまるなぁ。という印象を強く持ちました。去年とかはネットニュースはそこまで見る機会はなかったけど、今年は1日1日確認する自分がいて、その中で「何日にライブが決まっているんだけど、本当にみんなと会える?」とか、計算すらさせてくれない状態が続いていましたよね。
だから、この歌詞にある通り「あとどれぐらいで君に会えるかを計算させて」や「会いたい、会いたい」というフレーズは、今のオレらのリアルな気持ちをリンクさせながら歌うことができます。なので、そのまま受け取ってもらえたら、嬉しいなって思います。
新しい「風男塾」の魅力を引き出してくれたヒットメーカーとのコラボ曲。
──今回は、ヒットメーカーでもある“SHIROSE from WHITE JAM〟が作詞作曲を担当されているのですが、その新しい世界観をどのように「風男塾」に落とし込んでいきましたか?愛刃 健水:SHIROSEさんから“こう歌ってほしい〟といったメッセージは一切なかったんですね。その分「風男塾らしく、歌ってほしい!」というメッセージだと、オレらは受け取りました。
風男塾の楽曲で、こうしたストレートなラブソングはなかったので、新しい表現だったり、どうやったら大人っぽく聴こえるのか?そして、自分たちが出せる中性的な表現もあると思うので、そこが色気になったりしているのかな?などなど、新しい表現を手探りしていました。
──そんな新しい風男塾を出すためにメンバーでミーティングとかされるんですか?
愛刃 健水:いや、ミーティングはなく、レコーディングも1人1人なんですね。だから、録っていった人の声を聴いて仕上げるパターンもありますし、逆にそれで聴きすぎたり、話し合ったりしすぎると個性が出なくなってしまうので、そのまま1人でポンっ!といって完成形を聴いて「おお!こうなるか!」みたいな作り方もしますよ!
紅竜真咲:オレは楽曲を提供していただくにあたって、「どのような世界観で表現をされている方なのか?」が知りたかったので、SHIROSEさんのYouTubeを研究しました。それで感じたのは、なかなかオレたちでも到達しきれていないセクシーさや、ストレートな大人の表現だったり、いつの間にか魅了されちゃいましたね。
でも、自分たちの到達していないセクシーさがあったからこそ「もっとセクシーな大人になれる」というワクワク感もありました。
──そんな新たな表現にも挑戦した「会いたい、会いたい」ですが、MVの方では、どんな体験をされましたか?
偉舞喜 雅:今回の「会いたい、会いたい」で自分自身が大人になった気がしますね。パフォーマンスというよりは、表情だったり仕草など「動き」の部分で伝える表現力が求められました。MVの時は「目で語ってくれ」という指示を受けたほどですね。なので、そうした新しい表現力も見どころです。それと関係ないのですが、昼食がすごく美味しかった(笑)。
神那 橙摩:そうだっ!今回はお弁当じゃなくて、ワゴンで来ててバイキング形式たったもんね。ちょっとオシャレで豪華だったし、やっぱり食の力は偉大だよね!(笑)
年末恒例の漢字一文字チャレンジ!
──先ほども質問させて頂きましたが、新加入されたお二人や、卒業を延長されたりなど、激動の1年でしたね。そんなみなさんの「2020」を漢字で表すと何ですか?神那 橙摩:「知あ愛♡」(橙摩による造語)を組み合わせた造語ですが、たくさん「知」ることができた1年だなって。自分自身もいろいろあったけど「まぁ大丈夫」だろう!あっという間に過ぎたし。の「あ」です。「愛」はたくさんの人にもらったと思うんです、愛がなければ生きては行けないなぁって。愛ってこれからも大事だなぁ!が固まっての「♡」になります。
愛刃 健水:「光」です。なかなか光が見えない状態でみなさん生活をしているワケですけど、やっぱり「光」を求めて歩いていってるじゃないですか。今年はなかなかその答えが見つからないけど、言葉や想いを残すことで、2年、3年後、輝かせることができるんじゃないかと!思っています。
偉舞喜 雅:「感」ですね。やっぱり、いろんな状況に自分が置かれた1年。上京してきて、たくさんの人と出会って「感」じることもありましたし。その中でも、当たり前じゃないこと。常に物事や経験にも感謝しなければいけないの「感」。そして、その出会った人を楽しませることができる感性の「感」でもあります。いろんな意味での「感」が詰まっていますね。
紅竜真咲:「抱」っていう漢字です。1人1人がいろんなモノを抱えて生きていると思います。みんなそれぞれ「抱」えているモノは違うかもしれないけど、お互いが抱きしめ合っていた1年だった気がするので「抱」なんです。
──最後にラストスパートともいえる年末のイベントについて、お願いいたします!
愛刃 健水:年末、恒例のライブがあります!「黒白歌合戦」という恒例イベントがあって、自分たちが他のアーティストさんたちのカバーを歌う!というライブになっています。
文化祭のような盛り上がりもあり、自分たちが1年を通していろんな経験や成長した集大成なので、楽しみにしていてください。その2部では新メンバーの発表もあるので、そちらも見逃せませんよ!
ヘアメイク協力 フォンテーヌ・NAVANA
TEXT KRAY-G Monkey
PHOTO 井野友樹