あいみょん弾き語りCMで注目の「青春と青春と青春」
あいみょんの楽曲『青春と青春と青春』のMVが、2021年7月9日にYouTubeで公開されました。『青春と青春と青春』は、2017年発売の3rdシングル『君はロックを聴かない』の収録曲。
4年前にリリースされた作品ながらも、キリンビール「淡麗グリーンラベル」CMソングに起用されたことで再び話題を集めています。
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夢を見た 君と恋をする夢を
≪青春と青春と青春 歌詞より抜粋≫
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冒頭のフレーズから読み取れる通り『青春と青春と青春』の歌詞は、主人公の夢の中の出来事をベースに描かれています。
表題曲でないものの、ファンの間で名曲として呼び声の高い『青春と青春と青春』。
歌詞の意味を考察していきましょう。
「夏風にのって君を連れて来た」の意味
歌詞を読み進めると、主人公がどんな夢を見ているのかが明らかになります。
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塩辛い風が吹く場所で手を繋いでさ
砂浜に足がのまれすぎて
まるで二人は駆け落ちして親から逃げてるようだ
≪青春と青春と青春 歌詞より抜粋≫
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「塩辛い風」「砂浜」の言葉から想像できるように、主人公と「君」は海に来ているのでしょう。
ただし、砂浜に足がのまれて上手く歩けません。
思い通りに前に進めない様子を、「駆け落ちして親から逃げてる」の歌詞で表現しているように思います。
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暑苦い僕と
楽しいねって汗を拭う君は蜃気楼か
≪青春と青春と青春 歌詞より抜粋≫
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主人公の「僕」から見ると「君」はぼんやりとした蜃気楼のように見えているようです。
あくまでここが僕の夢の中であること、そして「君」が僕にとって遠くにいる存在であることが伝わってきますね。
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青春が夏風にのって君を連れてきたんだろうな
カレーライスの匂いなんかで誰かを愛おしく思う夏に
恋をしたくなるんだろうな
きっと花火とか金魚のせいだ
嗚呼 今日も夢を見る
≪青春と青春と青春 歌詞より抜粋≫
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サビの歌詞は、主人公が「君」に恋に落ちた瞬間を描いているように感じます。
主人公が「君」を好きになったのは、風が運んできたような自然な出来事だったのでしょう。
まるで、カレーライスの匂いが風にのって漂ってくる様子に似ていたのかもしれません。
続く「花火」「金魚」という単語からは、夏祭りが連想されますね。
主人公は「いつか2人で夏祭りに行きたい」と想像を膨らませているのでしょう。
夢と現実を行き来する歌詞
続いて、2番の歌詞を見ていきましょう。
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夏期講習の憂鬱さとは裏腹に
君がスイミングスクールの日たまに会える嬉しさがある
≪青春と青春と青春 歌詞より抜粋≫
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「夏期講習」「スイミングスクール」の単語から、2人が学生であることがわかりますね。
1番とは変わってリアルな描写から、2番は現実の出来事を描いているのではないかと想像できます。
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電車の中 腰を丸めて文庫本を読む姿が本当神秘的で
つり革にぶら下がりたい気分さ
≪青春と青春と青春 歌詞より抜粋≫
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続く歌詞は、夏期講習の帰りに電車で「君」を見つけた主人公を描いているのでしょう。
おそらく、主人公は文庫本を読む「君」を遠くから見つめているのではないかと思います。
もし「君」の前のつり革にぶらさがれたら「君」を近くで見ていられますね。
「もっと君に近づきたい」と思っている主人公の心情が伝わってきます。
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なびかせる髪は
きっとこのやらかい海と似合うだろうな
≪青春と青春と青春 歌詞より抜粋≫
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ここで、歌詞はまた僕の夢の中に戻ります。
「やらかい海」は、冒頭の歌詞に出てきた海のことだと想像できるでしょう。
1番サビの「今日も夢を見る」の歌詞の通り、主人公は毎晩のように「君」が出てくる夢を見ているのかもしれませんね。
「扇風機」「コンクリート」の歌詞から考察する主人公の気持ち
『青春と青春と青春』の歌詞には「砂浜」「花火」「扇風機」など、夏を象徴する言葉がたっぷり詰め込まれています。
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扇風機の音が
どうもわからないけれど僕をせかす
≪青春と青春と青春 歌詞より抜粋≫
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ここで登場するのは「扇風機」。
ただし、扇風機の音は主人公を焦らせているようです。
「扇風機」は夏に使うもので、夏が終わったら片づけられてしまいますよね。
そして「ひと夏の恋」という言葉があるように、夏の恋は短く儚いイメージがあるのではないでしょうか。
もしかすると、主人公は「夏が終わったらこの恋は終わってしまうのではないか」と感じているのかもしれません。
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熱すぎるコンクリートには
何度好きと書いても蒸発して
図書館でほら小さな声で話したりもしたいんだよな
≪青春と青春と青春 歌詞より抜粋≫
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ただし、相手に想いを伝えるのはなかなか難しいことでしょう。
このパートは、不器用な主人公を「コンクリート」と「熱ですぐに蒸発してしまう水」に例えているように思います。
なかなか気持ちをうまく伝えられない、主人公の歯がゆい想いが伝わってきますね。
カップリング曲ながらも人気の楽曲「青春と青春と青春」
ヒット曲『君はロックを聴かない』のカップリング曲、あいみょん『青春と青春と青春』の歌詞の意味を考察しました。楽曲全体から、学生時代の夏ならではの甘酸っぱい恋模様が思い浮かぶのではないでしょうか。
この後、主人公が「君」に想いを伝えられたのかはわかりません。
どうか主人公の見ている夢が現実になってほしいと願ってしまいますね。
青春の1ページを切り抜いたかのような歌詞で、夏にぴったりの楽曲『青春と青春と青春』。
自分の青春時代を思い出しながら、楽曲に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。