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【インタビュー】the quiet room、初のアルバムで伝えたい「花束のかわりに僕らやみんなの日常を切り取って」 (2/2)


恋に落ちる瞬間のやわらかい気配を切り取りたくて

──6曲目の『やわらかな気配』は、ラウンジでかかってそうな、夜の大人な世界が想像できました。歌い方もちょっと色っぽい感じがします。

菊池遼:(笑)この曲は、恋に落ちる瞬間のやわらかい気配を切り取りたくて、イメージして書いた曲ですね。



──歌詞には、「ミス」「キス」とか「フレーズ」「デイズ」とか語尾が一緒な言葉が散りばめられてあり、こういう所にも遊び心を感じました。

菊池遼:僕ら、ORANGE RANGEさんやRIP SLYMEさん世代でもあったので、その影響はあったかもしれませんね。ジャパニーズヒップホップと呼ばれる2000年代のものをオマージュしてやった記憶があります。


──後半のメロディーでは、スピードが速くなりますがあれは何か意味があるような…。

菊池遼:悪ふざけですね(笑)


斉藤弦:どんどん速くしてみようかっていう話になり、途中でクリックの音が鳴らないように、全力で録りました。やってみたいを込めた曲ですね(笑)


──笑い声も入っていますが、あれは皆さんですか?

斉藤弦:あれは、僕たちとスタッフさんの声が入っている笑い声ですね!


──歌詞でもう一つ気になったんですが、「わたし 月へ帰るわ」とありますが、この人はかぐや姫ですか?

菊池遼:かぐや姫的なノリですね(笑)“早くしないと帰っちゃうよ私かぐや姫だから~”っていう感じです!


「怒」を前面に出した曲

──次の曲にいきたいのですが…。7曲目の「Cut」が一番衝撃を受けました(笑)


全員:(笑)

菊池遼:表情豊かに生きるっていうのがバンドのテーマであり、どの曲を書くときもそれを意識しているんですけど、このアルバムを作るときにポップスをテーマにしようとまず考えたんですね。それで割とポップスの曲が多めっていうこともあって、喜怒哀楽の表現が足りないなって思って。これは「怒」を前面に出した曲ですね。

前田翔平:Cutしているもんね…。

菊池遼:縁を切りたい人がいて、、(笑)


──「Hello,How low?」も言葉をかけていて、ここもなんだかいいですね。

菊池遼: “やあ、気分最低でしょ?”っていう表現だったので、ぴったりだなと。


──「今日もきっと脳内 再生 迎合 順応 耐性 完成」っていうところがなんか呪文のようで、クセになりそうですね(笑)あそこは歌っていて難しくないんですか。

菊池遼:これめちゃくちゃ大変です…!ライブができる気がしません(笑)噛まないで歌えるか心配ですけど、頑張ります!


──サウンドも冒頭のノイズが怒りといいますか、恐怖を前面に押し出してますよね。あれってどういう仕組みなのか気になりました。

前田翔平:あれはたまたま録れたやつなんです。

斉藤弦:ギターフレーズをレコーディングしているときに、たまたまブーって鳴ってしまったのを使いました(笑)ミステイクじゃないですけど、それを使っていい音が録れたので、奇跡のノイズだと思います。


──演奏される皆さんはかなり大変そうですよね。特にベースラインも難しそうです。

前田翔平:元々、打ち込みで入れていたベースなので、これを自分が弾かなきゃいけないんだってなったので、手だと無理そうだなって思ってレコーディングはテンパりました(笑)



眠れない夜に聴いて気持ちよく眠れる曲であって欲しい

──9曲目『カフネ』は、どこが幻想的で現代社会ではなく、物語の世界に入り込んでしまったような不思議な力があるなと思いました。

「今日もあなたのその優しさが報われますように」など相手を願っている歌詞がありますが、クワルーさんは既存曲の「Roll」でも「君が今日も温かくして眠れますように」と相手の日常の幸せを願う歌詞を書かれていることもあり、今回も相手を思いやる場面が見れてぐっときました。


菊池遼:ありがとうございます。僕普段から自分の幸せより、相手の幸せを願ってしまうタイプといいますか。自分の幸せも大切にはしているんですけど、一番に周りの友達や、家族などの幸せを願える人間でいたいなって思っていて、それが歌詞に表れているだなと思います。the quiet roomの曲を聴いてくれる人って、きっと優しいんじゃないかって思うんですよね。


──確かに、優しいファンの皆さんのイメージあります!

菊池遼:そうなんです。みんなが送ってくれるメッセージとか見ていても、すごくその優しさが伝わりますし。コロナ禍の状況でもお客さんのライブのマナーも良いんです。リスナーの皆さんの優しさが報われたらいいなと思います。


──演奏面に関してはどんなイメージを持たれましたか。

斉藤弦:これは船を出す海みたいな歌詞があったので、海みたいなイメージがありました。だけど海岸線みたいな海ではなくて、何にもないところに船だけあって、月だけが見えるファンタジー要素がある感じがしました。

菊池遼:この曲の解説をメンバーにしようと思ったんですけど、言わなくても伝わっているなと思いました。


前田翔平:僕もイメージしやすくて、ふわふわしている感じがしました。それに、ふわーっていう音の要素が船の汽笛のような気もしたし。

菊池遼:眠れない夜に聴いて気持ちよく眠れる曲であって欲しい。そんな気持ちを込めましたね。



the quiet roomが選ぶお気に入りのピックアップフレーズ!

──UtaTenは歌詞を扱っている音楽メディアなので、収録曲の中から1曲お選びいただき好きなワンフレーズを教えてください。

前田翔平:僕は『(168)日のサマー』の「灼熱の太陽に」が好きですね。ここがやっぱり、面白いです(笑)

斉藤弦:『カフネ』の「今日もあなたのその優しさが報われますように ひとり泣かないで先は長いからね」がいいですね。

菊池遼:『ノンフィクションの日々に』の「わたしらしく胸を張って生きてきた あんたなんかに何がわかるの?笑っちゃうよ」ですね。僕にしか書けない歌詞だと思います。


──このアルバムをひっさげたツアーもあると思うので、最後にツアーへの意気込みと応援してくれるファンの皆さんにメッセージを1人ずつお願いします。

前田翔平:普段行けない場所にも行けることがメンバー一同楽しみにしていますので、ぜひ遊びにきてほしいです!

斉藤弦:今までやっていた過去曲をライブでやるのもそうなんですが、今回の新しい曲たちを演奏するのも楽しみです。どんなライブになるのかがまだわからないし、準備段階でもあります。だけどその準備段階が楽しみでもある。コロナ過で行けなかった土地にも行けるし、対バンとかもあるので、すごく楽しみです!

菊池遼:初のフルアルバムのツアーなのでもっと細かく周りたいなとは思うんですが、現状は行けるところに感謝をして良いツアーを作っていきたいです。ライブハウスに来やすい空気感もできているので、絶対成功させたいです!



TEXT みなちょ
PHOTO Kei Sakuhara

茨城県水戸市にて結成。 『表情豊かに生きる』をテーマに活動する 3 人組ロックバンド。 「閃光ライオット」ファイナリスト選出や、「RO69JACK」で優勝するなど、新人発掘オーディションで注目され、2015 年にshibuya eggman 内 murffin discs のレーベル mini muff records より、2nd ミニアル···

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