90年代を牽引!Misia
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のエンディングテーマを歌っているMISIA。90年代から活躍するアーティストです。圧倒的な歌唱力が光る名曲『つつみ込むように…』
そんなMISIAの『つつみ込むように…』 は1998年リリースの彼女の代表曲の一つ。MISIAが歌い上げるからこそ、この歌唱力があるからこそ映える曲ですね。ブラックミュージックの要素が強いですが、実は全て日本語歌詞の曲です。日本情緒にあふれている歌詞。
ちなみにMISIAは『忘れない日々』という曲も持っています。この『忘れない日々』は、『つつみ込むように…』の続編のつもりでMISIAが歌詞を書いたと言う曲。こちらは「恋人と呼び合えるのはこれで最後」という歌詞。別れの曲ですね。二人でいた日々を忘れないという歌です。
では『忘れない日々』の前日譚にあたる『つつみ込むように…』はどんな曲なのでしょうか。そもそもタイトルの「つつみ込むように…」とは何を包み込むのでしょうか。
気持ちが乗るサビフレーズ
----------------まず、サビのこのフレーズ。恋人と呼び合える時間の中では、どんな言葉も特別になるということ。
恋人と呼びあえる時間の中で
特別な言葉をいくつ話そう
≪つつみ込むように… 歌詞より抜粋≫
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「いくつ」の音が高くエモーショナルな印象を与えます。時間というのは限りがあるので、話せることにも限りがある。ゆえに「いくつ」話せるかというのが不確定で、であるがゆえにここに気持ちがのるんですね。
タイトルに込められた意味がわかる
----------------こちらのフレーズも特に印象的。花鳥風月の概念を連想させます。花鳥風月は、日本人が美しいと感じるものの例え。自然と風景です。
夢に花 花に風 君には愛を そして孤独を
包み込むように
≪つつみ込むように… 歌詞より抜粋≫
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夢に花を添えるように、花に風が吹くように、君に愛を込めて特別な言葉を交わす。そして孤独も包み込んで言葉をおくる。言葉に、自然や風景や特別な気持ちを「包み込んで」いる。タイトルが何を何で包み込むようになのか。このサビで分かります。
「そして孤独を」のフレーズ。この歌詞はラストに「そして明日を」になります。孤独という一見マイナスな概念を包み込んで、その先の明日に目を向ける。歌詞の主人公の気持ちが前向きになっていくことが分かります。
現代人にこそ、響く歌詞
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誰も皆 満たされぬ時代の中で
特別な出会いがいくつあるだろう
≪つつみ込むように… 歌詞より抜粋≫
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ここは今の時代だからこそ、余計に響く歌詞。現代人は満たされてないと感じている人が多いわけです。
インターネットの普及で人々が幸せにつながるのかと思いきや、満たされない人が増えてしまいました。たわいもない出会いや無意味な言葉もあふれてしまいました。だからこそ特別な出会い、特別な言葉というのが貴重。
これは、希望の歌
----------------「時に羽」は時に羽がつくように、時間にしばられないようにという思い。青空という表現を「空に青」としているところも良いですね。青が希望を表す色になっていることが分かります。羽、青、勇気、そして命と全て希望を持てるものになっています。
時に羽 空に青 僕に勇気を そして命を
感じるように
≪つつみ込むように… 歌詞より抜粋≫
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人を遠ざけ、逃げ続けていた歌詞の主人公が「君を守りたい」と希望を持てるようになる歌だったんですね。
アイドルポップ全盛の昨今。アイドルにはアイドルの良さがありますが、こういった本格的ボーカリストの名曲もより多くの人に知ってもらいたいですね。
TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)