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コブクロ「エンベロープ」に込められた意味を歌詞から徹底考察

コブクロの新曲『エンベロープ』は、山崎育三郎が主演を務めたドラマの主題歌です。「包み込む」という意味を持つタイトルを掲げた理由はなぜか、人の心に寄り添う温かい歌詞から考察していきます。

コブクロ「エンベロープ」が山崎育三郎主演ドラマの主題歌に

コブクロ『エンベロープ』は、2023年3月1日に発売された楽曲です。

この楽曲は1月20日から放送された、山崎育三郎主演ドラマ『リエゾン-こどものこころ診療所-』の主題歌にもなっており、放送開始日より先行配信も開始されました。

初回限定盤・通常盤ともにカップリング曲として『ベテルギウス』『あの太陽が、この世界を照らし続けるように。』のライブ音源が収録。

表題曲以外にもとても魅力的な内容となっています。

▲コブクロ - 『エンベロープ』【OfficialYouTube】

タイトルの「エンベロープ」が意味する「包み込む」という言葉。

ドラマでは発達障害を抱える児童精神科医や研修医が、子供たちに寄り添いながら奮闘する様が描かれています。

まさに、ドラマに寄り添う楽曲というわけですね。

コブクロの楽曲は、聴く人の心を優しく包み込み、力強くも温かい声が魅力。

小渕健太郎の作詞と、メンバー二人で手がける作曲によって生み出される音は、コブクロにしか作れない音楽と言っても過言ではありません。

『エンベロープ』という楽曲はまさに、コブクロの存在とも重なる部分があります。

この楽曲がドラマとどのようにリンクしていくのか、歌詞の意味に注目しながら、彼らが届ける最新曲の魅力に迫ります。

集団の中で生きていく生き苦しさ


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青色の欠けた 色鉛筆を広げて 海を描くあの子は
夕暮れが来るのを 一人 笑顔で待っている

もし あの子に一つ渡すなら 青色のそれじゃなく
好きな色に 空が染まるまで
寒くはないようにマフラーを 時間だけが包み込む色
影の向きで 光を感じる
≪エンベロープ 歌詞より抜粋≫
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海を描くために差し出される色鉛筆が青色であるというところに、常識に縛られる息苦しさを感じさせます。

空や海は青いもの、という思い込みや常識で凝り固まった集団の中で「あの子」はひときわ個性が強いのでしょう。

決められた色で塗るのではなく、自分の好きな色に空が染まる夕暮れまでじっと待つ。

そんな「あの子」に渡したいのは色鉛筆ではなくマフラーであるところに「あの子」に寄り添おうとする優しさが滲み出ています。

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凹んだ心は 内側からしか戻せない
ブリキの様な壁の中 守っているから
みんな一緒だと思ってた
あの子はそうじゃないから
≪エンベロープ 歌詞より抜粋≫
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人間は集団生活をするものです。

学校、職場、あらゆる場所で他人とかかわりながら生きていくからこそ、他人との違いに苦しむこともあるでしょう。

個性が大事にされる一方、集団生活では他人に合わせることを求められるもの。

集団の中に一人だけ個性の強い人間がいると、どうしても浮いてしまいがちです。

「凹んだ心は内側からしか戻せない」という歌詞には、人と違うことで傷ついた心の痛々しさが目に浮かびます。

人と違うからこそ、何気ない言葉で傷付いたり、傷付いていることに気付いてもらえなかったり。

周りに合わせることが苦痛でも、自分らしく生きることも楽ではないのです。

誰にも理解されない辛さを表現した歌詞が印象的です。

繊細で壊れやすい心に寄り添う歌詞


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シャボン玉の様な心に 乾いた指で触れないで
同じ雨と 涙に濡れた
この指先でなら運べる 壊さずに包み込んでいよう
いつか君が 光を描く日まで
≪エンベロープ 歌詞より抜粋≫
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触れたら簡単に壊れてしまうシャボン玉。

乾いた手で乱暴に触れようとすれば、相手を深く傷付けてしまうでしょう。

「あの子」の繊細な心を傷付けないようにそっと、丁寧に。

強引に近付くのではなく、あくまで寄り添う姿勢に誠意を感じます。

きっと「あの子」の心は、他の人の心よりも見えにくく、壊れやすいのでしょう。

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きっと あの子が持ってる宝物は 鮮やかなそれじゃなく
悲しい色をぼかす消しゴム
消えない思い出にマフラーを 優しい風を捕まえながら
歩いて行け 自分色の空へ
≪エンベロープ 歌詞より抜粋≫
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鮮やかな宝物よりも「悲しい色をぼかす消しゴム」を大切にしている「あの子」には、それだけ消したい色があるのでしょう。

人よりも繊細な心を持ち、理解されにくい苦しみを知っているからこそ、自分らしく歩いてほしい。

導くのではなく、そっと寄り添って優しく見守るような歌詞が、ドラマの世界感と相まって聴く人の心に刺さります。

歌詞が示す「エンベロープ」に込められた意味

ドラマ『リエゾン-こどものこころ診療所-』は、自分たちも発達障害を抱えながら、生きづらさを抱える子供たちに寄り添う物語です。

エンベロープ』は孤独や生きにくさを抱える人の心をそっと包み込み、背中を押してくれるような楽曲です。

力強く手を引くのではなく、少し離れたところから根気強く見守る。

この曲から感じるメッセージは、まさにドラマで描こうとしていたものではないでしょうか。

人の心は見えにくいからこそ、自分一人で抱え込んでしまいがちなもの。

人と違うことを悲観するのではなく、自分らしさを大切に生きていくことを後押しする『エンベロープ』の歌詞に救われる人も多いのではないでしょうか。

人の痛みに寄り添うような歌詞と包み込むような暖かい歌声が魅力的な楽曲。

人との関わりで悩んでいる人や、心が疲れてしまった人には特に聴いてほしい楽曲になっています。

小渕健太郎は1977年3月13日生まれ。宮崎県出身。黒田俊介は1977年3月18日生まれ。大阪府出身。 ストリートライブ活動を通じて1998年9月にコブクロを結成。2001年3月、ワーナーミュージック・ジャパンより「YELL~エール/Bell」でメジャーデビュー。2006年のベスト・アルバム「ALL SINGLES BEST···

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