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【インタビュー/前編】三浦風雅、新境地を開いた新曲をプロデューサーRYUJAと語る

シンガーソングライターの三浦風雅が6月14日に、新曲『It's over』をデジタルリースする。1990年代後半から2000年代前半のブラックミュージックをルーツにした、大人っぽく艶っぽい楽曲だ。テンポは速くないが、リズムが立っていて、令和のスロウ・ジャムを彷彿させるバックトラックも、音質やレイヤー具合など、絶妙なバランスでワールドトレンドを取り入れていて、じつに今っぽい。風雅のボーカルアプローチもこれまでとガラリと変わっており、自分の中で革命を起こそうとしている気概が感じられる。今回、三浦風雅のひとつのターニングポイントになりそうな楽曲を、共に作り上げた人物の1人・プロデューサーのRYUJAと一緒に語ってもらった。前後編に渡る、三浦風雅とRYUJAの対談。前編では2人の出逢い、そして既にリリースされている『It's over』について訊く。

自分自身のために歌う

──まずは2人の出逢いについて教えてください。


三浦風雅:僕のディレクターでもあるtocciさんが、2人の共通の知人で。それで紹介していただいたのが最初でしたね。

RYUJA:それが3~4か月前だったのかな。で、彼の曲を作ることになって。曲の内容とかコンセプトとか歌詞の内容を大まかに伺って、トラックを作り始めたって感じですね。それから僕が一緒に曲を作ることが多いLinus(日本のR&B/POPSアーティスト)と共に歌メロを制作して、その後ベースの歌詞を書いてもらい、最後は一緒に仕上げていった感じです。


──明確に欲しい曲調とか、コンセプトがあった?

三浦風雅:そうですね。


──なるほど。ではそこに至る経緯を教えてくださいますか?

三浦風雅:これまでやってきた中で、コロナ禍でなかなか思うように活動が出来ないって時期があって。そういう中で心境の変化もありました。前までは、誰かのためにとか、目の前の人のために歌うってことをすごく心に置きながら歌っていたんですけど、もっと自分に目が向かったというか。自分自身が音楽を続けるために音楽を作る、歌を歌うみたいな、そういう気持ちに変わっていった。そこはすごく大きいと思います。

カッコいいと思ったジャンル

──そういう中で、なぜ、今回の新曲のようなサウンド……つまり、ブラックミュージックをベースにしたワールドトレンドを取り入れた楽曲になったのか、と。

三浦風雅:これまで僕の曲は……こう、すごく大きくまとめるとポップスだと思うのですが、音楽はそれだけじゃないから。そうじゃないものも歌いたい、歌ってみたいって気持ちはすごくありました。ただ、新曲3曲のようなブラックミュージックをルーツにしたサウンドに出会ったきっかけはtocciさんですね。今まで知らなかったジャンルや、知らなかったサウンド感、本当にいろいろ教えてくださって。すごく刺激的でした。

そういう中で“めちゃくちゃカッコいいな”って思ったのが、今回の曲のようなジャンルで。そこから、こういう新しいサウンドが欲しいよね、歌いたいなと思うようになったんですよね。それこそ、今回詞曲を書いてもらったLinusさんの楽曲とか、たくさん聴きましたね。雰囲気とか、歌い方も含めてそうですけど、Linusさんの曲を聴いて、こういう表現が出来たらいいな、出来るようになりたいと思ったんです。


──RYUJAさん、楽曲を制作していくにあたり、最初にもらったサウンド的なキーワードで覚えていることは?

RYUJA:ブラックの要素を入れて、洋楽っぽさを出したいとか。そこは聴きやすさもありつつ、ちょうどいいさじ加減で、みたいな話をしたのは覚えていますね。それから、大きなテーマとして、今までの三浦風雅のイメージをガラッと変えるっていうのがあったと思います。

僕も曲を作り始める前に風雅くんの過去の曲を聴かせてもらったんですけど、確かに、自分が普段作っている音楽とは違うジャンルだった。でも、これまでのジャンルとかを考えずに、RYUJA+Linusの色を求めてもらったので、いつも通り自分達のティストを出すって感じで作っていきましたね。

結構ヤバかったっす(笑)

──風雅さんが今回の新曲を聴いた時には、バックトラックが上がっていてLinusさんの仮歌が入っていた状態?

三浦風雅:そうですね。英語のような英語じゃない、そういう感じで仮歌が入っていました。


──あぁ、母音合わせであとはニュアンスで……英語っぽく聴こえるけど英語じゃないってパターンですか?

三浦風雅:そうです(笑)。それで、仮歌でニュアンスを捉えて。僕もチャレンジして1度仮で歌ってみたんですよね。結構……ヤバかったっす(笑)。

RYUJA:ははははははは(笑)。


──何がヤバかったんですか?(笑)

RYUJA:これ、僕は逆で、思っていたより歌えるなって印象だったんですよ。聴いてホッとしたっていうか「これはいけるんじゃないか」って思った。やっぱりこれまでと、メロのラインもリズムも全然違うティストの曲だから、正直「どうなるかな」みたいなところがあったんですよ。でも大丈夫でした。しっかり歌えているなと。

三浦風雅:ありがとうございます。でも、僕はがっつりヤバいなと思って。これ終わったな、みたいな(笑)。

RYUJA:そうだったの?(笑)

三浦風雅:もう、自分が歌ったのを聴いた時、歌い切れてないなって思って。引き出しが無さ過ぎるというか。


──でも、レンジ(キーが出る幅)は十分なんじゃないかと。

三浦風雅:そうですか、ありがとうございます。でも今回の3曲は歌い回しとかめちゃくちゃ難しくて。最初にデモをいただいた時に、自分でも自分が歌った出来上がりが想像出来なかったんです。単純に僕の声で楽曲の良さを半減させてしまうんじゃないかと思ったり。もう本当に、無事に出来上がったから言えることなんですけど、最初は不安しかなかったです。

もっといけるなと思った

──3曲ともバラードからミディアムなんだけど、リズムがしっかり出ているっていう。このグルーヴのニュアンスを掴むの、すごく大変だと思うんですよ。

三浦風雅:そうなんです。グルーヴにのれないと歌いこなせないっていうのも、それまでの自分の中にはなかったんですよね。


──そこで伺いたいのが、そのグルーヴをどうやって自分の身体の中に入れていったかっていうことなんです。

三浦風雅:何度も曲を聴いて、最初はLinusさんの仮歌を完コピするようなイメージでしたね。とにかく聴いてコピーして歌うってことを何度も繰り返して。そこからは、歌い込めば自分の歌声もあるから、自分の歌になると思っていましたね。

RYUJA:実際に、風雅くんが歌ったのと聴いて、いけると思ったのはもちろんですけど、もっと良くなる要素がたくさん見えて来て。「これぐらい出来てるんだったら、もっとこれくらいはいけるな」みたいなのが見えたんです。だから、こっちはすごく安心出来たんですよね。

「It's over」について

──6月14日にデジタルリリースされた『It's over』。曲の前半に「ピエロ」って言葉が出てくるじゃないですか。そこの“ピ”と“エロ”のニュアンスの違いが、個人的にはめちゃくちゃツボで。すごいことやっているなと思ったんです。細かくてすみません。


RYUJA:(笑)。詞メロを完成させる作業は毎回Linusくんにうちに来てもらってます。書いて来てもらった言葉をどういう風にはめるかとか、どういう風に歌うかとか、「ここはこういう言葉の方がカッコいい」とか、「ここを変えたら(目指している曲)っぽくなるね」とか、意見を言い合いながら修正してもらっているんですね。違和感があるところをこう……言葉1個ずつ検証していくというか。


──えぇー?マジですか?(驚愕)

RYUJA:歌詞だけじゃなく、サウンドもそうですけど、自分がちょっとでも違和感あると思ったところを1個ずつ修正していく。風雅くんにも「こういう風に歌って欲しい」ってリクエスト結構出しましたし。この違和感を無くしていくことは、徹底してやりましたね。今回の曲に限らず言えることなんですけど、違和感があるところに気付き、それを直していくみたいなことがすごく重要だと思っていて。「ピエロ」も、メロディーを考えるとカタカナで言い切ったら違うし、でも英語っぽくやりすぎても変だしっていう感じだったから、いいバランスのところを探していきながら、はめていくって感じでした。


──なるほど。個人的にすごく興味深いです。

RYUJA:でも、違和感ってあくまで「感覚」で、それって好みの問題でもあるんで、これが正解とかいうわけでもないと思うんです。自分が好きな響きというか。普段聴いていて、いいなと思う音楽に寄せていく……それこそが自分が作りたいものなので、そこに近づけるための作業を重ねていくっていうやり方ですね。


──違和感を自分がいいと思う感覚にチューニングしていくって感じですか?

RYUJA:そうです、そうです。それで言うと、普段(街やTV等で)ふと耳にする音楽に対しても「ここもうちょっとこうしたら……」みたいな事がよくありますね。どんなアーティストにでも必ずある(笑)。


──(笑)。違和感を1個ずつチューニングするって、気が遠くなりそうな作業ですね。

RYUJA:でも本当に……最終的には好みなので。今回の3曲は、僕の好みに寄せていいんだなっていうのがあったので、自由にやらせてもらった感じですね。ただ、その分、3曲とも出来るだけ自分のカッコいいと思うものに近づけることを徹底してやりましたね。


今、初めて知りました(笑)

──UtaTenでは皆さんに伺っている質問です。『It's over』の中で好きな歌詞をそれぞれ教えてください。

RYUJA:<君がもし泣いていても もう慰めたりしないよ>ですね。歌詞の深い意味とか考えなくても(このセンテンスだけでは突き放しているのか、優しさなのか、ちょっとふんわりしていると思うんですが)言葉そのものにインパクトがあっていいなと思っていますね。この部分、最初は歌詞が違っていたんですよね。それで「別の言葉の方がいいんじゃないか」ってLinusくんと相談して変えたんですよ。

三浦風雅:あぁ、そうだったんですね。

RYUJA:(スマホを見ながら)あ、元の歌詞ありました。


──もし差し支えなければ教えてください。

RYUJA:<君がもし泣いていても>が「ひとりで泣いていても」でした。「ひとりで~」だと、相手が泣いているのがわかりにくいなっていうのと、「もし」を入れた方が場面が伝わりやすいと思ったんですね。

三浦風雅:今、初めて知ったんですけど、前の歌詞もいいけど、今の歌詞、本当にめっちゃいいですね。



──風雅さんが好きな歌詞は?

三浦風雅:<突き放せるほど強くはないから 割り切れるほど器用ではないから>ってところですね。すごく自分の環境とマッチしていて。あまりこう…強いだけの自分じゃいられない姿っていうのが出ていて。歌う時もめちゃくちゃ感情入りましたね。

後編に続く!

後編では、三浦風雅の歌声をRYUJAが的確に分析!? さらに前編の記事でも名前が挙がったディレクターtocciさんのコメントもお届けする。後編もお楽しみに!!

TEXT 伊藤亜希
PHOTO OKADAI

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