ありのままの自分で生きていきたい
──3月12日にリリースされる『さよならカメレオン』は、耳に残るキャッチーで切ないメロディが印象的な楽曲です。どのような想いを歌われた楽曲なのですか?安藤祐輝(以下、安藤):繊細な心の主人公が強く歌っている楽曲です。僕自身もそうですが。
──「僕自身も」ということは、安藤さんの心の声でもあるということ?
安藤:そうですね。僕、自分のことをこれまでは繊細ではないと思っていたんですが、歳を重ねるごとにどんどん繊細になっている感じがあって。歳を重ねると繊細になりません?
──いや、どうかな(笑)。図太くなっている気がする。
安藤:なるほど(笑)。僕は若い時は無神経で図太く生きていたけど、大人になるにつれてどんどん繊細になっている気がしてます。周りの目を気にしたり、空気を読まないといけないなと思うようになったなと。
──それが、「カメレオン」という言葉に繋がっているんですね。楽曲タイトルに「さよなら」とついているということは、そうした自分と決別したいという思いが込められているのですか?
安藤:色々な環境に馴染んでいっているけれども、それがどんどん辛くなって、息苦しくなっている自分もいて。そうした自分とおさらばして、“カメレオン”の自分を捨てて、ありのままの自分で生きていきたいっていう気持ちを込めています。
──そうすると、「カメレオン」であるということは、安藤さんにとってはポジティブな要素ではなかった?
安藤:良くも悪くもではあるのかなという気はしています。繊細でいることが正しい時もあれば、それが自分の中で息苦しいと思う時もあって。そうすると、それは多分違うんだろうなと思いますし。でも、その環境に馴染んでいくのが居心地がいいという人もいると思うので、「カメレオン」だからダメというよりは、気持ちが休まる、本来の自分らしい姿になって欲しいという思いがあります。
──安藤さんは自分らしく生きるために意識していることはありますか?
安藤:それ、この曲を書くにあたっても考えたのですが、自己肯定感が低いと、自分を出すことに自信がなくなってしまうと思うんですよ。なので、自己肯定感を上げ続けることが大事なのかなと。もちろん、気持ちが落ち込んでしまう時もありますが、そういう時は自分に自信を持てるような行動をするようにしています。例えば、パックをして容姿に自信をつけたり。僕はこういう仕事をしているので、ステージに立つことも大きな自信になりますね。そこで失敗するにしろ、成功するにしろ経験値に繋がりますし、大切な時間になるので、ありのままを出すようにしています。
──では、今回の歌詞で特にお気に入りのフレーズは?
安藤:<ありのままの私で生きさせて>というフレーズは、この歌詞の中で、主人公がありのままの姿を出している瞬間の声なのかなと思うので、そこですね。ありのままの姿でいるというのはなかなか難しいですが、思い切り自分の気持ちを前面に出しているというのが好きです。
──サビの<真っ赤なスカーフで生きていく>という歌詞にはどんな思いが込められているのですか?
安藤:昔から赤が好きなんですよ。小学生の時はよく真っ赤なジャージを着てたくらい(笑)。赤は「自分の意志をさらけ出せる強い意志を持った色」というイメージがあって、<真っ赤なスカーフ>と表現しました。
──メロディー面での聴きどころも教えてください。
安藤:僕の楽曲の中では初めてのミディアムテンポの曲です。なので、すごく新しい。訴えかけるような、しっとりとした楽曲になっています。これまでは、アップテンポでみんなを巻き込んで盛り上げるような、明るい曲が多かったんですが、今回は、初めて語りかけるような楽曲です。皆さん、僕には元気なイメージがあると思いますが、また新しい一面をお見せしたいですし、この曲がみんなの心に響いたら嬉しいです。
路上ライブやSNSは安藤祐輝を彩るキー
──安藤さんといえば、やはり路上ライブです。路上ライブの魅力はどんなところにありますか?安藤:路上ライブって、何を言われるか分からないですし、誰かが止まってくれるとも限らないので、最初は完全にアウェイなんですよ。だから、すごく度胸が必要だったし、怖かった。でも、そうした経験を続けていくうちに、自分の心が強くなったのを感じます。例えば、今イベントに出ると、僕のことを知らない方もたくさんいますが、そうしたアウェイな状況でも自分をちゃんと出せるようになったのかなと思います。ハートが強くなった。それはやっぱり路上ライブを続けてきたおかげです。
──路上ライブとライブハウスなどで行う通常のライブとの違いはありますか?
安藤:やっぱり音ですね。ライブハウスは音が良い。あとは、路上ライブだと何かあったら中止になってしまう可能性もありますが、ライブハウスなら誰かに止められることもなく、安藤祐輝だけの時間を楽しんでもらえます。ただ、路上ライブは、距離が近いので、ファンの方々とたくさんお話できて楽しいということもありますし、どっちにも良さがあると思っています。
──ファンの方の熱量の違いというのもあるのでしょうか?
安藤:路上ライブの時も、SNSを見て僕に会いたいと思ってきてくださる方がいらっしゃいますが、以前は、僕のことを誰も知らないような状況で行うということも多かったので、やはりライブハウスでやる時とは熱量の違いというのはあると思います。ライブハウスのお客さんは、その瞬間を楽しむために来てくださっていますから。
──今、SNSのお話も出ましたが、SNSでの活動というのも安藤さんを彩る一つのキーだと思います。SNSでの活動の魅力や、SNSだからこそできるアーティスト活動については、どう考えていますか?
安藤:路上ライブは、荷物を持って外に出るという労力を使うけど、SNSはその場で撮影して、すぐにそれを出せるという手軽さがあって、それが魅力だなと思います。その場でたくさんの方に知ってもらえるのですごいことだなって。
僕はやっぱりSNSから多くの方に知ってもらえたと思っているんですよ。僕があげている動画というよりは、ファンの方たちがあげてくれたものが広がっていったという感じですが。でも、SNSがなかったら今のような活動も難しかったのかなと思います。昔は、オーディションを受けたり、コンテストみたいなものでグランプリになった方がデビューできたりしていましたが、今は一般の方が自分の歌を投稿して、それが広まるとデビューできたりするので、いい時代だなと思います。
僕がたくさんの方に知ってもらうきっかけになった動画が、おしゃべりをしている動画だったんですよ。でも、今年は僕の曲も知ってもらいたくて、毎日投稿を始めました。オリジナル曲を全曲動画に撮って、それを毎日投稿して。自分の曲をたくさんの方に届けたいと思っています。
目標はドームツアー!
──2023年は、イベント出演やライブツアー、学祭ツアーなど、大忙しの一年だったと思います。せっかくなので、これまでの活動も振り返ってみたいと思うのですが、2022年のLINE CUBE SHIBUYAでのライブは大きな転機だったのではないですか?安藤:すごかったですね。そもそもその年に音楽を本格的に始めて、8月に行ったセカンドワンマンが100人のキャパ。それが、10月には2,000人のキャパなんですよ。あの大きいステージを味わえたというのは、すごく大きな経験になったなと思います。実は、当日の朝、お風呂に入っていたら、自然と涙が溢れてきて一人で泣いていたんですよ(笑)
その時初めて自分の精神状態が不安定なんだって気付きました。 ライブ自体、2週間前に決まったので、すぐに準備しないといけなくて。ファンの方を集めないといけないというので、TikTokライブを朝まで配信したり、とにかくバタバタしていたというのもあるんですが、自分の中の弱さが見えた瞬間でした。
音楽を始めてから、弱い自分に出会うことが多くなったんですよね。それまではすごく自信があったし、たくさんの方に見られるのが大好きでやっていたんですが、いざとなると弱い自分もいるんだなって。でも、ライブを行ったことで、すごく強くなったと思います。やって良かったですが、次は満席の状態で立ちたいですね。
──昨年は、学祭ツアーやライブツアーで全国も回りましたね。
安藤:これまで地方にはあまり行ったことがなかったので楽しかったです。アーティスト活動をする前は、俳優のお仕事もしていたんですが、その時はなかなか地方を回ることがなかったんですよ。でも音楽を始めてから、いろいろな地方に行って、いろいろな環境を知ることができて、すごく新鮮です。お客さんの歓声も場所によって違うので面白いんですよ。地方のファンの方ともたくさん会えて、貴重な経験をさせてもらいました。
──今後の目標や夢、2024年やりたいことは?
安藤:目標はドームツアーです!近い目標で言ったら、まずは武道館。そのためにも2024年もたくさん曲を作って、たくさんの方に届くように頑張っていきたいと思います。それから、2024年は、ファンミーティングをやってみたいなって思っていて。まだどうなるか分からないですが、調理師免許を持っているので、みんなで料理教室をしたら楽しいかなとか、いろいろと考えているところです。新しいことをどんどんやっていきたいですし、俳優活動もやっていきたいなって思っています。
もちろん、歌うのが大好きなので音楽がメインですが、お芝居は全てに通じる表現だと思うので、俳優をやることで音楽にも生きるような気がするんです。表現の幅が広がると思いますし、新しいことにも挑戦したい。ラジオのパーソナリティーもやってみたいです。やりたいこといっぱいあります(笑)。
──そんな安藤さんのシンガーソングライターとしての原動力は?
安藤:僕は、川崎鷹也さんっていうシンガーソングライターの方の影響で音楽を始めたんですよ。もとはといえば、姉に歌が下手くそと言われ続けて、見返したくて練習したら歌うことが大好きになったんですが、それまでは誰が聞いても「音痴だね」っていうくらい音痴だったんです。それで、練習して歌は大好きになったけど、最初から歌一本でいくのも難しいなと思っていたし、俳優もやってみたいと思っていたところで、コロナ禍でなかなか活動ができなくて。そんな時に、川崎鷹也さんの『魔法の絨毯』という曲に出会って、とにかくすごく元気が出ました。僕の境遇に照らし合わせて聴けるような楽曲がたくさんあって、それを聞いているうちに、やっぱり音楽を諦めたくないなって。それがスタートです。なので、僕の目標でもあり、原動力でもあるのが鷹也さんです。いつかお会いして、この想いを伝えたいです。
実は、3年くらい前に、鷹也さんのアコースティックライブに行ったんですよ。その時、僕は「このライブを見て音楽をやるか俳優をやるかどっちかに決めよう」と思っていて。そうしたら、鷹也さんが最後に投げたピックが僕の足元に来たんです。それで、僕はやっぱり音楽をやらなきゃいけないんだって、勝手に思ってしまって。背中を押してもらったような気がします。もちろん応援してくださるファンの皆さんは僕の力になっていますし、今は責任感も感じていますが、最初に背中を押してくれたのは鷹也さんでした。
──最後に読者の方にメッセージをお願いします!
安藤:3月12日にリリースされる新曲『さよならカメレオン』という楽曲は、本当の自分を偽って環境に馴染んだり、誰かのフリして笑ったり、別人を演じてしまう生きづらさの中で、他の色に染まらず、自分の色で生きていけばいい。自分らしく息をすればいいと、そっと背中を押す楽曲となっています。初めて安藤祐輝を知ってくれた皆さんにも、そしていつも応援してくださる皆さんにも、元気を与えられるような存在になれるように、これからも音楽活動を頑張っていきたいと思いますので、これからも応援よろしくお願いします。
TEXT 嶋田真己
PHOTO 井野友樹
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