朝ドラ「ちゅらさん」主題歌
今回ご紹介するKiroroの『best friend』は、まさに平成を代表する名曲と言っても過言ではありません。同楽曲がNHK『連続テレビ小説』「ちゅらさん」(2001年度上半期)の主題歌に起用されると、瞬く間にその人気に火が付きました。
タイトルの通り親友に向けた歌である『best friend』は、ヴォーカルの玉城千春がピアノの金城綾乃に向けて書き下ろした楽曲です。
玉城は自身について「喜怒哀楽が激しく、思い立ったら走り出す性格」と明かしており、ぶつかったり落ち込んだりした時に、金城がいつも『大丈夫だよ』と笑顔でなぐさめてくれることで救われてきたのだそうです。
金城の存在のおかげで自分自身も肯定できたという玉城。
金城もまた、玉城の強い思いから生まれたメロディや楽曲を通して彼女の想いを共有できることに幸せを感じていると明かしています。
『best friend』はお互いを尊敬し、思いあうKiroroの関係性そのものが投影された作品と言えるでしょう。
ただ寄り添ってくれる安心感
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もう大丈夫 心配ないと
泣きそうな私の側で
いつも変わらない笑顔で
ささやいてくれた
まだ まだ まだ やれるよ
だって いつでも
輝いてる
≪Best Friend 歌詞より抜粋≫
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『best friend』が持つ素晴らしさの1つに、第一声から聴く人の心を緩ませる安心感が挙げられます
冒頭のAメロだけで、私とあなたの間で築いてきた深い信頼関係が浮かび上がってきます。
傷ついた相手に対してポジティブな方へと無理に引っ張り上げるのではなく、隣に寄り添って背中を支えてくれる、そんな共感する姿勢が本作では丁寧に描かれているのです。
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時には急ぎすぎて
見失う事もあるよ
仕方ない
ずっと 見守って
いるからって 笑顔で
いつものように
抱きしめた
あなたの笑顔に
何度助けられただろう
ありがとう ありがとう
Best Friend
≪Best Friend 歌詞より抜粋≫
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サビでは、上手くいかなかったことを責めるのではなく、そういうこともあるよねと受け入れてくれる優しさを随所に感じることができます。
作詞・作曲した玉城も、いつも笑顔で見守ってくれる金城がいたからこそ、思い切って活動を続けてこれたのではないでしょうか。
「ありがとう」というシンプルな言葉が、聴き手の心に優しくじんわりと浸透していきます。
仲間と共有したかけがえのない時間
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こんなに
たくさんの幸せ
感じる時間は 瞬間で
ここにいる
すべての仲間から
最高のプレゼント
まだ まだ まだ やれるよ
だって いつでも
みんな側にいる
≪Best Friend 歌詞より抜粋≫
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2番では少し規模が広がり、仲間と過ごしたかけがえのない時間について描かれています。
幸せに感じる時間は瞬く間に過ぎていき、戻りたくても二度と戻ることは出来ません。
だからこそ仲間との思い出はより一層大切に感じられるのでしょう。
その思い出は決して消えることなく、いつでも側で私達を支えてくれるはずです。
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きっと 今ここで
やりとげられること
どんなことも力に変わる
ずっと 見守って
いるからって 笑顔で
いつものように
抱きしめた
みんなの笑顔に
何度助けられただろう
ありがとう ありがとう
Best Friend
≪Best Friend 歌詞より抜粋≫
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どんなことでも何か共通の目的をみんなで目指し、打ち込んでやり遂げるという経験は人生を通して必ず力になります。
一人では成し得なかったことも、仲間となら乗り越えられるという熱い想いが伝わってきます。
何より目標に辿り着くまでの過程で、こんなにも素晴らしい仲間と同じ経験を共有できたことが、私にとって一番価値のあることなのかもしれません。
大切な人への感謝を綴った歌
今回は、Kiroroの『best friend』の魅力を歌詞の意味や制作背景から深堀りしてきました。この楽曲の最大の持ち味は、大切な人に対する感謝をダイレクトに伝えられる作品であるという事です。
とりわけ卒業式や結婚式といった門出のお祝いに際して、それまでの感謝やさらなる応援の気持ちを表現するのにピッタリな楽曲ではないでしょうか。
皆さんも『best friend』を通して、大切な人に感謝の気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。