通とおりを行いきかう 人影ひとかげもなく
路地裏ろじうらに響ひびく 呼よび声ごえもない
焚たかれることない 凍こごえた炉辺ろばた
閉とざされたままの 小ちいさな扉とびら
歴史れきしを刻きざんだ 石いしの壁かべも
今いまは色いろあせ 形かたちをなくし
草くさに覆おおわれた 石畳いしだたみには
砂埃すなぼこりだけが 遊あそんでいる
みんなはどこへ 行いったのだろう
私わたしが愛あいした あの人ひとたちは
色いろのあせていく たそがれの中なか
私わたしは一人ひとり 涙なみだする
ひろがる田畑たはたに 種たねは撒まかれず
名前なまえを知しらない 草くさが茂しげる
営いとなみの跡あとを 草木くさきが隠かくし
実みのりの記憶きおくも 遠とおくになった
繕つくろい続つづけても ほつれていく
輝かがやきの消きえた 私わたしの世界せかい
行ゆく手てを照てらす 灯あかりもなしに
それでも歩あゆみは 止とめられぬ
これからどこへ 行ゆくのだろう
私わたしの愛あいする あの人ひとたちは
色いろのあせていく たそがれの中なか
私わたしは一人ひとり 立たち尽つくす
通tooりをriwo行iきかうkikau 人影hitokageもなくmonaku
路地裏rojiuraにni響hibiくku 呼yoびbi声goeもないmonai
焚taかれることないkarerukotonai 凍kogoえたeta炉辺robata
閉toざされたままのzasaretamamano 小chiiさなsana扉tobira
歴史rekishiをwo刻kizaんだnda 石ishiのno壁kabeもmo
今imaはha色iroあせase 形katachiをなくしwonakushi
草kusaにni覆ooわれたwareta 石畳ishidatamiにはniha
砂埃sunabokoriだけがdakega 遊asoんでいるndeiru
みんなはどこへminnahadokohe 行iったのだろうttanodarou
私watashiがga愛aiしたshita あのano人hitoたちはtachiha
色iroのあせていくnoaseteiku たそがれのtasogareno中naka
私watashiはha一人hitori 涙namidaするsuru
ひろがるhirogaru田畑tahataにni 種taneはha撒maかれずkarezu
名前namaeをwo知shiらないranai 草kusaがga茂shigeるru
営itonaみのmino跡atoをwo 草木kusakiがga隠kakuしshi
実minoりのrino記憶kiokuもmo 遠tooくになったkuninatta
繕tsukuroいi続tsuduけてもketemo ほつれていくhotsureteiku
輝kagayaきのkino消kiえたeta 私watashiのno世界sekai
行yuくku手teをwo照teらすrasu 灯akaりもなしにrimonashini
それでもsoredemo歩ayuみはmiha 止toめられぬmerarenu
これからどこへkorekaradokohe 行yuくのだろうkunodarou
私watashiのno愛aiするsuru あのano人hitoたちはtachiha
色iroのあせていくnoaseteiku たそがれのtasogareno中naka
私watashiはha一人hitori 立taちchi尽tsuくすkusu