影無かげなき時雨しぐれに 羽はねの音震ねふるわせ
誰たが為ために鳴なくのか 心慌こころあわただしや
宵よいのむらさめに 忍しのぶれど、我わが恋こい
まばゆき黒髪くろかみに祈いのりこめどたゆたう
涙なみだで胸間むねまの炎消ひきゆるものならばこんなにも
もの憂うくことはないでしょう
むせびながら 焦こがしながら
満みち半なかばの月つきの夜よるに 片糸かたいとと知しりてなお
貴方あなたへの想おもいをしたため 密ひそやかに眠ねむる
彼かの香かおり引ひき寄よせ 記憶きおくたぐり寄よせ
この腕絡うでからませ 耳元みみもとささめいて…
そこはかとなくうつりゆく愛あいならばこんなにも
もの憂うくことはないでしょう
嘆なげきながら 焦こがしながら
満みちた十五じゅうごの月つきの夜よるに 願ねがわくは 諸恋もろごい
貴方あなたへの想おもいを確たしかめ 禍言鎮まがことしずめる
露つゆの散ちる間まに 慰なぐさめ合あって 時ときに逸はぐれて
息いきづくごとに 貴方あなたが欲ほしくて…
かかるほどに夜よは明あけて 貴方あなたは往いって…
欠かけ半なかばの月つきは黎明れいめい 望のぞみ繋つなぐ光ひかり
現うつし心ごころ 御灯みあかしを纏まとい たおやかに詠うたう
生うまれ変かわりの月つきは克明こくめい 見果みはてぬこの夢ゆめに
くぐもる空そらも 透すき通とおって 迷まようことはない
…巡めぐる
影無kagenaきki時雨shigureにni 羽haneのno音震nefuruわせwase
誰taがga為tameにni鳴naくのかkunoka 心慌kokoroawaただしやtadashiya
宵yoiのむらさめにnomurasameni 忍shinoぶれどburedo、我waがga恋koi
まばゆきmabayuki黒髪kurokamiにni祈inoりこめどたゆたうrikomedotayutau
涙namidaでde胸間munemaのno炎消hikiゆるものならばこんなにもyurumononarabakonnanimo
ものmono憂uくことはないでしょうkukotohanaidesyou
むせびながらmusebinagara 焦koがしながらgashinagara
満miちchi半nakaばのbano月tsukiのno夜yoruにni 片糸kataitoとto知shiりてなおritenao
貴方anataへのheno想omoいをしたためiwoshitatame 密hisoやかにyakani眠nemuるru
彼kaのno香kaoりri引hiきki寄yoせse 記憶kiokuたぐりtaguri寄yoせse
このkono腕絡udekaraませmase 耳元mimimotoささめいてsasameite…
そこはかとなくうつりゆくsokohakatonakuutsuriyuku愛aiならばこんなにもnarabakonnanimo
ものmono憂uくことはないでしょうkukotohanaidesyou
嘆nageきながらkinagara 焦koがしながらgashinagara
満miちたchita十五juugoのno月tsukiのno夜yoruにni 願negaわくはwakuha 諸恋morogoi
貴方anataへのheno想omoいをiwo確tashiかめkame 禍言鎮magakotoshizuめるmeru
露tsuyuのno散chiるru間maにni 慰nagusaめme合aってtte 時tokiにni逸haguれてrete
息ikiづくごとにdukugotoni 貴方anataがga欲hoしくてshikute…
かかるほどにkakaruhodoni夜yoはha明aけてkete 貴方anataはha往iってtte…
欠kaけke半nakaばのbano月tsukiはha黎明reimei 望nozoみmi繋tsunaぐgu光hikari
現utsuしshi心gokoro 御灯miakashiをwo纏matoいi たおやかにtaoyakani詠utaうu
生uまれmare変kaわりのwarino月tsukiはha克明kokumei 見果mihaてぬこのtenukono夢yumeにni
くぐもるkugumoru空soraもmo 透suきki通tooってtte 迷mayoうことはないukotohanai
…巡meguるru