肩書かたがきが名刺めいしの真まん中なかに書かかれていて
親おやがくれた名前なまえはいつのまにか消きえた
ママでもない 主任しゅにんでもない
おまえでもない おばさんでもない
わたしはどこにいるんだろう
わたしじゃないなにかに成なり代かわっていれば
言いわれたことに傷きずつきにくいことを知しってから
頼たよってた 頼たよりきってた
迷まよいはなくて 迷まよう暇ひまもなくて
わたしから逃にげてきたんだよ
朝起あさおきて鏡かがみの前まえで
おまえは誰だれだと呟つぶやく
卒業そつぎょう証書しょうしょをもらったときは
たしかにたしかにわたしだった
あの頃ころに戻もどりたいのは
楽たのしかったからじゃなくて
疑うたがうことなく何者なにものでもない
わたしがいたから
どれぐらい稼かせいで なにを買かったのか
だれとのんで どれだけ寝ねてないかを
競きそっている 飲のみ屋やの隅すみで
大切たいせつなもの 守まもるために
上手うまく笑わらえるようになるんだ
虚むなしさを 照てらした街灯がいとう
全部ぜんぶ捨すてたいと 思おもう夜よる
捨すてらんないよな 簡単かんたんじゃないよな
だから うまく ごまかしてる
つまづいて 立たち止どまれば
脳裏のうりに浮うかぶ走馬灯そうまとう
スカートの下したに体操服たいそうふくはいて
坂さかをのぼる 赤あかい自転車じてんしゃ
あの頃ころに戻もどりたいのは
楽たのしかったからじゃなくて
疑うたがうことなく何者なにものでもない
わたしがいたから
肩書katagaきがkiga名刺meishiのno真maんn中nakaにni書kaかれていてkareteite
親oyaがくれたgakureta名前namaeはいつのまにかhaitsunomanika消kiえたeta
ママmamaでもないdemonai 主任syuninでもないdemonai
おまえでもないomaedemonai おばさんでもないobasandemonai
わたしはどこにいるんだろうwatashihadokoniirundarou
わたしじゃないなにかにwatashijanainanikani成naりri代kaわっていればwatteireba
言iわれたことにwaretakotoni傷kizuつきにくいことをtsukinikuikotowo知shiってからttekara
頼tayoってたtteta 頼tayoりきってたrikitteta
迷mayoいはなくてihanakute 迷mayoうu暇himaもなくてmonakute
わたしからwatashikara逃niげてきたんだよgetekitandayo
朝起asaoきてkite鏡kagamiのno前maeでde
おまえはomaeha誰dareだとdato呟tsubuyaくku
卒業sotsugyou証書syousyoをもらったときはwomorattatokiha
たしかにたしかにわたしだったtashikanitashikaniwatashidatta
あのano頃koroにni戻modoりたいのはritainoha
楽tanoしかったからじゃなくてshikattakarajanakute
疑utagaうことなくukotonaku何者nanimonoでもないdemonai
わたしがいたからwatashigaitakara
どれぐらいdoregurai稼kaseいでide なにをnaniwo買kaったのかttanoka
だれとのんでdaretononde どれだけdoredake寝neてないかをtenaikawo
競kisoっているtteiru 飲noみmi屋yaのno隅sumiでde
大切taisetsuなものnamono 守mamoるためにrutameni
上手umaくku笑waraえるようになるんだeruyouninarunda
虚munaしさをshisawo 照teらしたrashita街灯gaitou
全部zenbu捨suてたいとtetaito 思omoうu夜yoru
捨suてらんないよなterannaiyona 簡単kantanじゃないよなjanaiyona
だからdakara うまくumaku ごまかしてるgomakashiteru
つまづいてtsumaduite 立taちchi止doまればmareba
脳裏nouriにni浮uかぶkabu走馬灯soumatou
スカsukaートtoのno下shitaにni体操服taisoufukuはいてhaite
坂sakaをのぼるwonoboru 赤akaいi自転車jitensya
あのano頃koroにni戻modoりたいのはritainoha
楽tanoしかったからじゃなくてshikattakarajanakute
疑utagaうことなくukotonaku何者nanimonoでもないdemonai
わたしがいたからwatashigaitakara