ゼロでおぎゃあと叫さけんで泣ないて
裸一貫はだかいっかん 始はじめた人生じんせい
五いつつになるまで愛あいしか知しらず
立たって歩あるいて箸はし持もつだけで
触ふれるもの皆みな 笑顔えがおに変かえた
十じゅうで止とまらぬイタズラざんまい
ダメと言いわれりゃやるのが性分しょうぶん
それでも気きづけば乙女おとめになって
十五じゅうごで知しった初恋はつこいは
目めから火ひが出でて耳みみが燃もえ
あつい想おもいと裏腹うらはらの
冷さめた態度たいどに恋こいの火ひも消きえ
十八じゅうはち ノートの隅すみに書かいた
"大人おとなは何なにも分わかってない"
皆みなと一緒いっしょでいるのは嫌いやで
だけど孤独こどくはそれより嫌いやで
大人おとなと子供こどもの谷間たにまの底そこで
斜ななめに見上みあげた世よの中なかを
まっすぐ立たって歩あるけもせずに
ああ懐なつかしき 青春せいしゅんの日ひ
笑わらえないほど悩なやんでも
眠ねむって起おきれば 明日あしたが来くる
これでいいのだ これでいいのだ
二十歳はたち 田舎いなかの町まちを出でて
6畳じょう一間ひとまのアパート暮ぐらし
社会人しゃかいじんとは名なばかりで
社会しゃかいをまるで知しりもせず
ひとり流ながした涙なみだの数かずは
夜よごと見上みあげた星ほしの数かず
二十五にじゅうご 誰だれにも言いえない恋こいの
淡あわい願ねがいは夢ゆめと消きえ
三十さんじゅう 真面目まじめが取とり柄えの男ひとと
ともに誓ちかった永遠とわの愛あい
やがて生うまれた子こを抱だいて
初はじめて知しった幸しあわせが
弱よわい私わたしを強つよくした
三十五さんじゅうご 今日きょうも我わが子こはいうこと聞きかず
徐々じょじょに我わが身みもいうこと聞きかず
怒おこって笑わらって振ふり回まわされて
いつでも自分じぶんは後回あとまわし
四十しじゅう 夫婦ふうふも所詮しょせんは他人たにん
つのる小ちいさなすれ違ちがい
会話かいわも消きえたそのわけは
大人おとなげなくても引ひくに引ひかれず
ああ 慌あわただし 壮年そうねんの日ひ
金かねはなくとも愛あいがある
眠ねむって起おきれば 明日あしたが来くる
これでいいのだ これでいいのだ
五十ごじゅう ようやく子こは手てを離はなれ
深夜しんやの電話でんわで親おやとの別わかれ
馬鹿ばかだよ 本当ほんとうに大事だいじなものは
なくした時ときにいつも気きづいて
六十ろくじゅう 初孫はつまごのかわいさに
緩ゆるむ目尻めじりと財布さいふの紐ひもよ
七十ななじゅう ある朝あさ 病やまいに倒たおれ
夫おっとがぽつり「死しぬな」と言いった
勝手かってに殺ころすな まだ死しにゃせんよ
八十はちじゅう 花はなに鳥とりに風かぜに月つきに
日増ひましに想おもいは重かさなれど
百ひゃくになってもいつまでも
今日きょうが残のこりの人生じんせいの
最初さいしょの日ひには変かわりなし
やりたいことがまたひとつ
やり残のこしたことがまたひとつ
ああ いいことも 悪わるいことも
一生いっしょう続つづくわけじゃなし
眠ねむって起おきれば 明日あしたが来くる
これでいいのだ これでいいのだ
生いきるってのは騒さわぎだよ
人生じんせいいつもお祭まつり騒さわぎ
はあぁ 祭まつりのあとの静しずけさに
そっと目めを閉とじ 頷うなずいて
これでいいのだ これでいいのだ
ゼロzeroでおぎゃあとdeogyaato叫sakeんでnde泣naいてite
裸一貫hadakaikkan 始hajiめたmeta人生jinsei
五itsuつになるまでtsuninarumade愛aiしかshika知shiらずrazu
立taってtte歩aruいてite箸hashi持moつだけでtsudakede
触fuれるものrerumono皆mina 笑顔egaoにni変kaえたeta
十juuでde止toまらぬmaranuイタズラitazuraざんまいzanmai
ダメdameとto言iわれりゃやるのがwareryayarunoga性分syoubun
それでもsoredemo気kiづけばdukeba乙女otomeになってninatte
十五juugoでde知shiったtta初恋hatsukoiはha
目meからkara火hiがga出deてte耳mimiがga燃moえe
あついatsui想omoいとito裏腹uraharaのno
冷saめたmeta態度taidoにni恋koiのno火hiもmo消kiえe
十八juuhachi ノnoートtoのno隅sumiにni書kaいたita
"大人otonaはha何naniもmo分waかってないkattenai"
皆minaとto一緒issyoでいるのはdeirunoha嫌iyaでde
だけどdakedo孤独kodokuはそれよりhasoreyori嫌iyaでde
大人otonaとto子供kodomoのno谷間tanimaのno底sokoでde
斜nanaめにmeni見上miaげたgeta世yoのno中nakaをwo
まっすぐmassugu立taってtte歩aruけもせずにkemosezuni
ああaa懐natsuかしきkashiki 青春seisyunのno日hi
笑waraえないほどenaihodo悩nayaんでもndemo
眠nemuってtte起oきればkireba 明日ashitaがga来kuるru
これでいいのだkoredeiinoda これでいいのだkoredeiinoda
二十歳hatachi 田舎inakaのno町machiをwo出deてte
6畳jou一間hitomaのnoアパapaートto暮guらしrashi
社会人syakaijinとはtoha名naばかりでbakaride
社会syakaiをまるでwomarude知shiりもせずrimosezu
ひとりhitori流nagaしたshita涙namidaのno数kazuはha
夜yoごとgoto見上miaげたgeta星hoshiのno数kazu
二十五nijuugo 誰dareにもnimo言iえないenai恋koiのno
淡awaいi願negaいはiha夢yumeとto消kiえe
三十sanjuu 真面目majimeがga取toりri柄eのno男hitoとto
ともにtomoni誓chikaったtta永遠towaのno愛ai
やがてyagate生uまれたmareta子koをwo抱daいてite
初hajiめてmete知shiったtta幸shiawaせがsega
弱yowaいi私watashiをwo強tsuyoくしたkushita
三十五sanjuugo 今日kyouもmo我waがga子koはいうことhaiukoto聞kiかずkazu
徐々jojoにni我waがga身miもいうことmoiukoto聞kiかずkazu
怒okoってtte笑waraってtte振fuりri回mawaされてsarete
いつでもitsudemo自分jibunはha後回atomawaしshi
四十shijuu 夫婦fuufuもmo所詮syosenはha他人tanin
つのるtsunoru小chiiさなすれsanasure違chigaいi
会話kaiwaもmo消kiえたそのわけはetasonowakeha
大人otonaげなくてもgenakutemo引hiくにkuni引hiかれずkarezu
ああaa 慌awaただしtadashi 壮年sounenのno日hi
金kaneはなくともhanakutomo愛aiがあるgaaru
眠nemuってtte起oきればkireba 明日ashitaがga来kuるru
これでいいのだkoredeiinoda これでいいのだkoredeiinoda
五十gojuu ようやくyouyaku子koはha手teをwo離hanaれre
深夜shinyaのno電話denwaでde親oyaとのtono別wakaれre
馬鹿bakaだよdayo 本当hontouにni大事daijiなものはnamonoha
なくしたnakushita時tokiにいつもniitsumo気kiづいてduite
六十rokujuu 初孫hatsumagoのかわいさにnokawaisani
緩yuruむmu目尻mejiriとto財布saifuのno紐himoよyo
七十nanajuu あるaru朝asa 病yamaiにni倒taoれre
夫ottoがぽつりgapotsuri「死shiぬなnuna」とto言iったtta
勝手katteにni殺koroすなsuna まだmada死shiにゃせんよnyasenyo
八十hachijuu 花hanaにni鳥toriにni風kazeにni月tsukiにni
日増himaしにshini想omoいはiha重kasaなれどnaredo
百hyakuになってもいつまでもninattemoitsumademo
今日kyouがga残nokoりのrino人生jinseiのno
最初saisyoのno日hiにはniha変kaわりなしwarinashi
やりたいことがまたひとつyaritaikotogamatahitotsu
やりyari残nokoしたことがまたひとつshitakotogamatahitotsu
ああaa いいこともiikotomo 悪waruいこともikotomo
一生issyou続tsuduくわけじゃなしkuwakejanashi
眠nemuってtte起oきればkireba 明日ashitaがga来kuるru
これでいいのだkoredeiinoda これでいいのだkoredeiinoda
生iきるってのはkiruttenoha騒sawaぎだよgidayo
人生jinseiいつもおitsumoo祭matsuりri騒sawaぎgi
はあぁhaaa 祭matsuりのあとのrinoatono静shizuけさにkesani
そっとsotto目meをwo閉toじji 頷unazuいてite
これでいいのだkoredeiinoda これでいいのだkoredeiinoda