よみ:うたがたり だんのうらこいうた
歌語り 壇ノ浦恋歌 歌詞
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♪祇園精舎ぎおんしょうじゃの鐘かねの声こえ 諸行しょぎょう無常むじょうの響ひびきあり…
恋こいをすれば、心こころの中なかで魔物まものが騒さわぐとか…
なぜ逢あいに来こないのですか。
必かならず迎むかえに来くるからと、わたしの体からだを抱だいてそう言いったわね。
知しりません、あんたがどんな暮くらしをしてたかなんて…
でも、嘘うそいつわりを言いえる人ひとじゃない、
ねえ…そうでしょう。
潮しおの流ながれが ぶつかり合あって
岩いわを削けずって 渦うずを巻まく
生いきるか死しぬかの 恋こいをして
面影おもかげ浮うかべて 夜よが更ふける
女おんなの命いのち まるごとあげる
心こころが燃もえる 壇だんノ浦うら
本気ほんきで惚ほれて いるのなら
海峡かいきょう渡わたって 抱だきに来こい
あれは五ご月がつの海峡かいきょうまつりの夜よる…
八丁はっちょう浜はまがにぎわう中なか、あんたは突然とつぜんわたしの働はたらいている酒場さかばにきて
お仲間なかまとお酒さけを飲のんでた。
障子しょうじ越ごしにもれ聞きこえるお話はなしでは、なにやらお国くにのお仕事しごとで下関しものせきに来こられたとの事こと。
それから続つづけて三日みっかお見みえになり、その時ときわたしにそっと手紙てがみを渡わたしてくれました。
封ふうを開あけるのがこわくて、その夜よるこっそり読よんでみた。
"次つぎに来くる時ときには、ふたりだけで逢あいたい"って。
わたし、嬉うれしかった!
ああ 早はやいものね… あれからもう一いち年ねんよ。
あんたは秋あきも冬ふゆも逢あいに来きてくれた。
夢ゆめじゃない、夢ゆめじゃないよね?
わたしはずっとあんたの女おんな。
ねえ…そうでしょう。
逢あえぬ月日つきひの 長ながさの分ぶんが
痩やせていくのね 胸むねまでも
あきらめきれない 忘わすれない
重かさねた逢瀬おうせの 倖しあわせを
叶かなわぬ叶かなう 願ねがってみても
運命さだめが憎にくい 壇だんノ浦うら
愛あいすることで 知しりました
愛あいする辛つらさと 苦くるしさを
わたし、貧まずしかったの。
母ははの手てひとつで育そだって、早はやくから酒場さかばで働はたらいていろんな人ひとを見みてきた。
幸しあわせなんかひとつもなかった。
でも、あんたに逢あって気きがついたの。
わたしも、幸しあわせになっていいんだって。
出逢であって二に度ど目めの海峡かいきょうまつりの夜よる、
だぁれもいなくなった八丁はっちょう浜はまで…
満月まんげつの夜よるだったわ。
あんた、生うまれたまんまの姿すがたで、骨ほねが軋きしむくらい
わたしを抱だきしめてくれた…
月つきの明あかりが 火ひの粉こになって
闇やみを切きり裂さき 舞まい落おちる
ひとりの寝床ねどこは 寒さむすぎて
枕まくらを抱かかえて いるばかり
あんたの他ほかに なんにもいらん
焦こがれて燃もえる 壇だんノ浦うら
浜辺はまべで切きった 足あしの指ゆび
ひと月つき過すぎても うずき出だす
女おんなの命いのち まるごとあげる
心こころが燃もえる 壇だんノ浦うら
眠ねむれぬ夜よるは なおさらに
この手てがその胸むね 恋こいしがる
恋こいをすれば、心こころの中なかで魔物まものが騒さわぐとか…
なぜ逢あいに来こないのですか。
必かならず迎むかえに来くるからと、わたしの体からだを抱だいてそう言いったわね。
知しりません、あんたがどんな暮くらしをしてたかなんて…
でも、嘘うそいつわりを言いえる人ひとじゃない、
ねえ…そうでしょう。
潮しおの流ながれが ぶつかり合あって
岩いわを削けずって 渦うずを巻まく
生いきるか死しぬかの 恋こいをして
面影おもかげ浮うかべて 夜よが更ふける
女おんなの命いのち まるごとあげる
心こころが燃もえる 壇だんノ浦うら
本気ほんきで惚ほれて いるのなら
海峡かいきょう渡わたって 抱だきに来こい
あれは五ご月がつの海峡かいきょうまつりの夜よる…
八丁はっちょう浜はまがにぎわう中なか、あんたは突然とつぜんわたしの働はたらいている酒場さかばにきて
お仲間なかまとお酒さけを飲のんでた。
障子しょうじ越ごしにもれ聞きこえるお話はなしでは、なにやらお国くにのお仕事しごとで下関しものせきに来こられたとの事こと。
それから続つづけて三日みっかお見みえになり、その時ときわたしにそっと手紙てがみを渡わたしてくれました。
封ふうを開あけるのがこわくて、その夜よるこっそり読よんでみた。
"次つぎに来くる時ときには、ふたりだけで逢あいたい"って。
わたし、嬉うれしかった!
ああ 早はやいものね… あれからもう一いち年ねんよ。
あんたは秋あきも冬ふゆも逢あいに来きてくれた。
夢ゆめじゃない、夢ゆめじゃないよね?
わたしはずっとあんたの女おんな。
ねえ…そうでしょう。
逢あえぬ月日つきひの 長ながさの分ぶんが
痩やせていくのね 胸むねまでも
あきらめきれない 忘わすれない
重かさねた逢瀬おうせの 倖しあわせを
叶かなわぬ叶かなう 願ねがってみても
運命さだめが憎にくい 壇だんノ浦うら
愛あいすることで 知しりました
愛あいする辛つらさと 苦くるしさを
わたし、貧まずしかったの。
母ははの手てひとつで育そだって、早はやくから酒場さかばで働はたらいていろんな人ひとを見みてきた。
幸しあわせなんかひとつもなかった。
でも、あんたに逢あって気きがついたの。
わたしも、幸しあわせになっていいんだって。
出逢であって二に度ど目めの海峡かいきょうまつりの夜よる、
だぁれもいなくなった八丁はっちょう浜はまで…
満月まんげつの夜よるだったわ。
あんた、生うまれたまんまの姿すがたで、骨ほねが軋きしむくらい
わたしを抱だきしめてくれた…
月つきの明あかりが 火ひの粉こになって
闇やみを切きり裂さき 舞まい落おちる
ひとりの寝床ねどこは 寒さむすぎて
枕まくらを抱かかえて いるばかり
あんたの他ほかに なんにもいらん
焦こがれて燃もえる 壇だんノ浦うら
浜辺はまべで切きった 足あしの指ゆび
ひと月つき過すぎても うずき出だす
女おんなの命いのち まるごとあげる
心こころが燃もえる 壇だんノ浦うら
眠ねむれぬ夜よるは なおさらに
この手てがその胸むね 恋こいしがる