おまえ一人ひとりか 連つれ衆しゅはないか
連つれ衆しゅうァごらんの影法師かげぼうし
可哀かわいそうだよ、旅人たびにんさんは
縞しまの合羽かっぱに三度笠さんどがさ
そこに惚ほれたも エエサ、ないもんだ
月つきは照てる照てる、おふくろさんが
見みせてくれたもこの月つきか
遠とおい昔むかしがまたもや浮うかび
瞼まぶたおもたい、涙なみだぐせ
別わかれ別わかれに、エエサ、誰たれがした
浮世うきよ寒風さむかぜ、吹ふかれてとんで
どこへ月夜つきよの渡わたり鳥どり
男おとこなんだよ、行いく道みちァあるが
笠かさの小こ縁ぶちに手てを掛かけて
なっちゃねえやと、エエサ、ひとりごと
おまえomae一人hitoriかka 連tsuれre衆syuはないかhanaika
連tsuれre衆syuuァaごらんのgoranno影法師kageboushi
可哀kawaiそうだよsoudayo、旅人tabininさんはsanha
縞shimaのno合羽kappaにni三度笠sandogasa
そこにsokoni惚hoれたもretamo エエサeesa、ないもんだnaimonda
月tsukiはha照teるru照teるru、おふくろさんがofukurosanga
見miせてくれたもこのsetekuretamokono月tsukiかka
遠tooいi昔mukashiがまたもやgamatamoya浮ukaびbi
瞼mabutaおもたいomotai、涙namidaぐせguse
別wakaれre別wakaれにreni、エエサeesa、誰tareがしたgashita
浮世ukiyo寒風samukaze、吹fuかれてとんでkaretetonde
どこへdokohe月夜tsukiyoのno渡wataりri鳥dori
男otokoなんだよnandayo、行iくku道michiァaあるがaruga
笠kasaのno小ko縁buchiにni手teをwo掛kaけてkete
なっちゃねえやとnatchaneeyato、エエサeesa、ひとりごとhitorigoto