「我わが命いのち 果はてようと
母ははも加恵かえも
喜よろこんで 死しぬ覚悟かくごでございます。」
男おとこ華岡はなおか青州せいしゅうは
紀州きしゅう 紀きの国くに 紀きの川かわの
清きよき流ながれの 真清水ましみずに
産声うぶごえ上あげた 雪平ゆきひらが
親子おやこ夫婦ふうふの 曼陀羅華まんだらげ
「私わたしが医者いしゃになったばかりに 苦労くろうをかけ
その上うえ 不自由ふじゆうな身体からだにしてしまいました。
母上ははうえ、加恵かえ、
必かならず、必かならず 成功せいこうさせてみせます」
男おとこ華岡はなおか青州せいしゅうに
命いのちをかける 母ははと妻つま
我わが身みの命いのち 捨すてたとて
あおる覚悟かくごの 通つう仙せんと散ちる
許ゆるして下ください 母ははと妻つま
「二人ふたりにつらい思おもいをさせました。
でも 母ははと加恵かえは、難病なんびょうに苦くるしむ多おおくの人ひとの
為ためだと、励はげましてくれました。その言葉ことばが、
私わたしに決断けつだんと勇気ゆうきを与あたえてくれたのです。」
男おとこ華岡はなおか青州せいしゅうは
病やんで世よに泣なく人ひとの為ため
我わが身み一代いちだい 敷石しきいしの
天下てんかにひびく 麻酔ますい術じゅつ
母ははと加恵かえとの 曼陀羅華まんだらげ
「我waがga命inochi 果haてようとteyouto
母hahaもmo加恵kaeもmo
喜yorokoんでnde 死shiぬnu覚悟kakugoでございますdegozaimasu。」
男otoko華岡hanaoka青州seisyuuはha
紀州kisyuu 紀kiのno国kuni 紀kiのno川kawaのno
清kiyoきki流nagaれのreno 真清水mashimizuにni
産声ubugoe上aげたgeta 雪平yukihiraがga
親子oyako夫婦fuufuのno 曼陀羅華mandarage
「私watashiがga医者isyaになったばかりにninattabakarini 苦労kurouをかけwokake
そのsono上ue 不自由fujiyuuなna身体karadaにしてしまいましたnishiteshimaimashita。
母上hahaue、加恵kae、
必kanaraずzu、必kanaraずzu 成功seikouさせてみせますsasetemisemasu」
男otoko華岡hanaoka青州seisyuuにni
命inochiをかけるwokakeru 母hahaとto妻tsuma
我waがga身miのno命inochi 捨suてたとてtetatote
あおるaoru覚悟kakugoのno 通tsuu仙sento散chiru
許yuruしてshite下kudaさいsai 母hahaとto妻tsuma
「二人futariにつらいnitsurai思omoいをさせましたiwosasemashita。
でもdemo 母hahaとto加恵kaeはha、難病nanbyouにni苦kuruしむshimu多ooくのkuno人hitoのno
為tameだとdato、励hageましてくれましたmashitekuremashita。そのsono言葉kotobaがga、
私watashiにni決断ketsudanとto勇気yuukiをwo与ataえてくれたのですetekuretanodesu。」
男otoko華岡hanaoka青州seisyuuはha
病yaんでnde世yoにni泣naくku人hitoのno為tame
我waがga身mi一代ichidai 敷石shikiishiのno
天下tenkaにひびくnihibiku 麻酔masui術jutsu
母hahaとto加恵kaeとのtono 曼陀羅華mandarage