ミサイル 歌詞 amazarashi ふりがな付

取とり返かえしの付つかない未来みらいは 今更いまさらどうすることも出来できないと
鈍色にびいろに輝かがやきをくすぶらせて ワンルームのベッドの中なかで不貞寝ふてねしている
つけっぱなしにしたテレビでは アナウンサーが黒くろい服ふくを着きて
参列者さんれつしゃに話はなしを聞きいている 「未来みらいがお亡なくなりになりました」
テロ関連かんれん施設しせつミサイル攻撃こうげきのニュースを聞ききながら
胸むねを痛いためてみせる家賃やちん未納みのうの夢ゆめにぶら下さがる僕ぼくの頭上ずじょうを
人生じんせいを俯瞰ふかんでしか感かんじられない僕ぼくらの日常にちじょうを
すれすれにかすめてミサイルが飛とんでった

僕ぼくらの自由じゆうとはミサイルで 僕ぼくらの自由じゆうとは平和へいわ主義しゅぎで
全すべてを作つくり直なおしたくて 全すべてを壊こわしてみたりする
僕ぼくらの自由じゆうとは芸術げいじゅつで 僕ぼくらの自由じゆうとはリストカットで
全すべての人ひとに認みとめられたくて 全すべての人ひとを憎にくんだりする

誰だれが悪わるいとか 言いったって 等ひとしく惨みじめに命いのちを這はいずって
「死しにたくねぇ」と言いえばそれですんでしまう それだけに何百なんびゃく小節しょうせつも費ついやして
年ねん3万人まんにんの自殺者じさつしゃの切迫せっぱくした動機どうきのそれぞれを
食くい物ものにする唄うたうたいとワイドショーの明確めいかくな類似性るいじせいを
人生じんせいの気きまずさを 穴埋あなうめしたいが為ための大義たいぎを
すれすれにかすめてミサイルが飛とんでった

僕ぼくらの自由じゆうとは心療内科しんりょうないかで 僕ぼくらの自由じゆうとは承認しょうにん欲求よっきゅうで
全すべての人ひとに優やさしくされたくて 傷きずついた振ふりをしてみたりする
僕ぼくらの自由じゆうとは信仰しんこうで 僕ぼくらの自由じゆうとは唯物論ゆいぶつろんで
全すべて人ひとのためだと言いい聞きかせて 奪うばい合あっていたりする

固有名詞こゆうめいしに放はなたれた銃声じゅうせいは 僕ぼくらにとっては時報じほう程ほどの響ひびきで
上空じょうくうを通とおり過すぎたミサイルは 未まだ誰だれの「心こころ」にも落下らっかせず
自堕落じだらくな生活せいかつの果はてに待まつ結末けつまつののっぴきならなさと
暗雲あんうんたれ込こめる時代じだいの不安ふあんがはからずもリンクした

「どうせならこの もやもやを ろくでもないこの世界せかいを」
なんて口走くちばしる自己弁護じこべんごを 吹ふき飛とばしてくれよ

僕ぼくらの自由じゆうとは帰かえらぬ日々ひびで 僕ぼくらの自由じゆうとはこぼれるひとしずくで
全すべて願ねがえば報むくわれると 明あけない夜よるに願ねがってる
僕ぼくらの自由じゆうとは背徳はいとくで 僕ぼくらの自由じゆうとは不自由ふじゆうで
ただ一ひとつを手てにするために 全すべてを投なげ捨すてたりする