泥棒猫どろぼうねこ呼よばわりか
人聞ひとぎきの悪わるい事ことを
云いうじゃあないか
箆棒べらぼうめ言いい掛がかりよ
あのひとは春はる猫ねこさ
甘あまえ上手じょうず
勝手かってに舞まい込こんで来きたものを
不意ふいに返かえせだなんて
陽炎かげろうや蜃気楼かいやぐらの様ように
追おえば のがすもの
泥棒猫どろぼうねこ呼よばわりも
この頃ごろは好いい加減かげん
馴なれちまいんした
一通ひととおり言いい掛がかりよ
あたしなら秋あき猫ねこさ
寒さむがり屋や
勝手かってに擦すり寄よって来きたものは
無理むりに追返おいかえせないわ
不知火しらぬいや宵月よいづきに同おなじ
何時なんじも さむいもの
「全すべてを手てに入いれる女おんな」
と、云いわれちゃあ
流石さすがに白々しらじらしくなる
なんてったって女おんなと男おとこの縁えんは
切きったって切きれないたぐいか
どう足掻あがこうと切きれる手合てあいよ
あのひとが隠かくし事ごとするなら
それが罪業ざいごうじゃあないか
なにが不幸ふこうか幸しあわせかは
だれもわかりんせん
勝手かってに立たち去さって行いくものを
なにも引ひき留とめないわ
連つれてって焼やいたり煮にたり
さあ、お気きに召めすまま
泥棒猫dorobouneko呼yoばわりかbawarika
人聞hitogiきのkino悪waruいi事kotoをwo
云iうじゃあないかujaanaika
箆棒berabouめme言iいi掛gakaりよriyo
あのひとはanohitoha春haru猫nekoさsa
甘amaえe上手jouzu
勝手katteにni舞maいi込koんでnde来kiたものをtamonowo
不意fuiにni返kaeせだなんてsedanante
陽炎kagerouやya蜃気楼kaiyaguraのno様youにni
追oえばeba のがすものnogasumono
泥棒猫dorobouneko呼yoばわりもbawarimo
このkono頃goroはha好iいi加減kagen
馴naれちまいんしたrechimainshita
一通hitotooりri言iいi掛gakaりよriyo
あたしならatashinara秋aki猫nekoさsa
寒samuがりgari屋ya
勝手katteにni擦suりri寄yoってtte来kiたものはtamonoha
無理muriにni追返oikaeせないわsenaiwa
不知火shiranuiやya宵月yoidukiにni同onaじji
何時nanjiもmo さむいものsamuimono
「全subeてをtewo手teにni入iれるreru女onna」
とto、云iわれちゃあwarechaa
流石sasugaにni白々shirajiraしくなるshikunaru
なんてったってnantettatte女onnaとto男otokoのno縁enはha
切kiったってttatte切kiれないたぐいかrenaitaguika
どうdou足掻agaこうとkouto切kiれるreru手合teaiよyo
あのひとがanohitoga隠kakuしshi事gotoするならsurunara
それがsorega罪業zaigouじゃあないかjaanaika
なにがnaniga不幸fukouかka幸shiawaせかはsekaha
だれもわかりんせんdaremowakarinsen
勝手katteにni立taちchi去saってtte行iくものをkumonowo
なにもnanimo引hiきki留toめないわmenaiwa
連tsuれてってretette焼yaいたりitari煮niたりtari
さあsaa、おo気kiにni召meすままsumama