前まえは見みえても 後あとは見みえぬ
世間知せけんしらずの 五里霧中ごりむちゅう
俺おれのふり出だし 雪国ゆきぐに越後えちご
がまん十年じゅうねん… 刻きざんだ胸むねに
身みすぎ 世よすぎの 絃三筋いとみすじ
抱だいて流ながれて 寺泊てらどまり
風かぜのつめたさ 心こころの寒さむさ
酒さけについつい 手てがのびる
酒田さかた港こうを かわせば能代のしろ
がまん十年じゅうねん… 花はな咲さく日ひまで
三十五さんじゅうご反たんの 帆ほを巻まいて
帰かえる瀬せはない 旅たびの空そら
情なさけ知しらずが 情なさけに泣ないて
紅べにを散ちらせた 傘踊かさおどり
夢ゆめのあまさは 叩たたいて捨すてた
がまん十年じゅうねん… この三味線しゃみせんに
水みずがゆるむにゃ あと三月さんがつ
春はるは名なのみの 大湊おおみなと
前maeはha見miえてもetemo 後atoはha見miえぬenu
世間知sekenshiらずのrazuno 五里霧中gorimuchuu
俺oreのふりnofuri出daしshi 雪国yukiguni越後echigo
がまんgaman十年juunen… 刻kizaんだnda胸muneにni
身miすぎsugi 世yoすぎのsugino 絃三筋itomisuji
抱daいてite流nagaれてrete 寺泊teradomari
風kazeのつめたさnotsumetasa 心kokoroのno寒samuさsa
酒sakeについついnitsuitsui 手teがのびるganobiru
酒田sakata港kouをwo かわせばkawaseba能代noshiro
がまんgaman十年juunen… 花hana咲saくku日hiまでmade
三十五sanjuugo反tanのno 帆hoをwo巻maいてite
帰kaえるeru瀬seはないhanai 旅tabiのno空sora
情nasaけke知shiらずがrazuga 情nasaけにkeni泣naいてite
紅beniをwo散chiらせたraseta 傘踊kasaodoりri
夢yumeのあまさはnoamasaha 叩tataいてite捨suてたteta
がまんgaman十年juunen… このkono三味線syamisenにni
水mizuがゆるむにゃgayurumunya あとato三月sangatsu
春haruはha名naのみのnomino 大湊oominato