表おもてばかりじゃ 世間せけんは見みえぬ
言葉ことばだけでは 心こころは読よめぬ
拗すねる気持きもちは さらさらないが
意地いじと情なさけの 合あわせ貝がい
夢ゆめを鳴ならすにゃ 重おもすぎる
握にぎりこぶしを 血ちの出でるほどに
噛かんで見上みあげる 片割かたわれ月つきに
消けしたつもりの 浅黄あさぎの単衣ひとえ
揺ゆれる小柳こやなぎ 袋小路ふくろこじ
せめて怨うらむな この俺おれを
浮世うきよ花道はなみち 汚よごれる役やくが
いなきゃ泣なかせる 芝居しばいにゃならぬ
「忍にん」の一ひと文字もじ 背中せなかに刻きざみ
時ときの流ながれに 棹さおさして
俺おれは男おとこで 生いきて行いく
表omoteばかりじゃbakarija 世間sekenはha見miえぬenu
言葉kotobaだけではdakedeha 心kokoroはha読yoめぬmenu
拗suねるneru気持kimochiはha さらさらないがsarasaranaiga
意地ijiとto情nasaけのkeno 合aわせwase貝gai
夢yumeをwo鳴naらすにゃrasunya 重omoすぎるsugiru
握nigiりこぶしをrikobushiwo 血chiのno出deるほどにruhodoni
噛kaんでnde見上miaげるgeru 片割katawaれre月tsukiにni
消keしたつもりのshitatsumorino 浅黄asagiのno単衣hitoe
揺yuれるreru小柳koyanagi 袋小路fukurokoji
せめてsemete怨uraむなmuna このkono俺oreをwo
浮世ukiyo花道hanamichi 汚yogoれるreru役yakuがga
いなきゃinakya泣naかせるkaseru 芝居shibaiにゃならぬnyanaranu
「忍nin」のno一hito文字moji 背中senakaにni刻kizaみmi
時tokiのno流nagaれにreni 棹saoさしてsashite
俺oreはha男otokoでde 生iきてkite行iくku