mnemonic 歌詞 やなぎなぎ ふりがな付

波なみは乾かわいた珊瑚さんごを攫さらって
そっと海うみに還かえしてまた打うち寄よせ続つづけてる

ざらざらと落おちる
砂粒すなつぶのおとで目めを覚さますよ

明日あしたを忘わすれ
差さし出だされる好意こういも全部ぜんぶ振ふり払はらって
走はしる夜よるは逆さかさの道みち
記憶きおくなんて頼たよりないフィルムだけど
呼よび覚さまして
砂すなの城しろを作つくっている

水みずで固かためたジオラマみたいな世界せかい
時間じかんが経たてば風かぜに崩くずされてしまう

何度なんど組くみ立たてて
何度なんど壊こわしたら気きづくだろう

涙なみだを忘わすれ
噎むせ返かえるほどの痛いたみも仕舞しまい込こんで
走はしる夜よるは荊いばらの道みち
目めを凝こらしていつかの姿すがた探さがしてる
戻もどれないと最初さいしょから知しっていたのに

宙ちゅうを泳およぐメモリの群むれ
跳はねる鮮あざやかなフロアだけが
味方みかたになって心臓しんぞうを揺ゆらす

巡めぐり巡めぐった果はてに岸辺きしべに帰かえる
やがて体からだは削けずられて柔やわらかい砂すなになるだろう

全すべてを忘わすれ
名前なまえさえ呼よべなくなっても
明日あすはくる
残酷ざんこくなほど等ひとしい朝あさ(目めを覚さませば)

それでも今いまは
愛いとしい全すべて折おり重かさねて走はしるだけ
海うみに混まじる日ひがくるまで
記憶きおくなんて頼たよりないフィルムだけど
呼よび覚さまして
砂すなの城しろを作つくっている