どこへ行いくとも 言いわないで
夜明よあけあの人ひと 舟ふねの上うえ
雨あめのデッキに眼めをこらしても
溢あふれる泪なみだで何なんにも見みえない――
わけをきかせて下くださいと
叫さけぶこの声こえ銅鑼どらが消けす
行いかないで 行いかないで
行いかないで――
寒さむさ間近まぢかの 波なみしぶき
夜明よあけ桟橋さんばし 雨あめしぶき
こんな時間じかんに出でて行いく船ふねに
あの人ひと希望きぼうをかけたのだろうか――
だけど私わたしはどうするの
何なにもおしえず行いくなんて
行いかないで 行いかないで
行いかないで――
ぼくの故郷こきょうは 君きみの胸むね
いつもあの人ひと 言いっていた
いつか夜明よあけに帰かえって来くると
一言ひとこときければこんなに泣なかない――
私わたしいつまで待まちますと
船ふねにつたえる束つかの間まを
行いかないで 行いかないで
行いかないで――
どこへdokohe行iくともkutomo 言iわないでwanaide
夜明yoaけあのkeano人hito 舟funeのno上ue
雨ameのnoデッキdekkiにni眼meをこらしてもwokorashitemo
溢afuれるreru泪namidaでde何nanにもnimo見miえないenai――
わけをきかせてwakewokikasete下kudaさいとsaito
叫sakeぶこのbukono声koe銅鑼doraがga消keすsu
行iかないでkanaide 行iかないでkanaide
行iかないでkanaide――
寒samuさsa間近majikaのno 波namiしぶきshibuki
夜明yoaけke桟橋sanbashi 雨ameしぶきshibuki
こんなkonna時間jikanにni出deてte行iくku船funeにni
あのano人hito希望kibouをかけたのだろうかwokaketanodarouka――
だけどdakedo私watashiはどうするのhadousuruno
何naniもおしえずmooshiezu行iくなんてkunante
行iかないでkanaide 行iかないでkanaide
行iかないでkanaide――
ぼくのbokuno故郷kokyouはha 君kimiのno胸mune
いつもあのitsumoano人hito 言iっていたtteita
いつかitsuka夜明yoaけにkeni帰kaeってtte来kuるとruto
一言hitokotoきければこんなにkikerebakonnani泣naかないkanai――
私watashiいつまでitsumade待maちますとchimasuto
船funeにつたえるnitsutaeru束tsukaのno間maをwo
行iかないでkanaide 行iかないでkanaide
行iかないでkanaide――