網走あばしりゆきの 汽笛きてきがむせぶ
釧網せんもう本線ほんせん ふたりの夜汽車よぎしゃ
こゝろぼそかろ 他国たこくの空そらは
膝ひざがさむいと
より添そうおまえを 抱だきしめて
釧路くしろ 細岡ほそおか 五十石ごじっこく
あゝああ恋路こいじの果はてだ――
ゆられるたびに 思おもいは乱みだれ
釧網本線せんもうほんせん あかりがしみる
都と会あわそだちの おまえを見みたら
なんて言いうだろ
田舎いなかでコンブを 乾ほす母ははは
標茶しべちゃ 弟子屈てしかが 雪ゆきのなか
あゝああせつない旅たびだ――
命いのちをかけて 女おんなを守まもる
釧網本線せんもうほんせん 男おとこのさだめ
あかい小ちいさな 手鏡てかがみだして
うすい紅べにひく
おまえのしぐさの いとしさよ
斜里しゃりを出でたなら 網走あばしりさ
あゝああおいらの町まちだ――
網走abashiriゆきのyukino 汽笛kitekiがむせぶgamusebu
釧網senmou本線honsen ふたりのfutarino夜汽車yogisya
こkoゝろぼそかろrobosokaro 他国takokuのno空soraはha
膝hizaがさむいとgasamuito
よりyori添soうおまえをuomaewo 抱daきしめてkishimete
釧路kushiro 細岡hosooka 五十石gojikkoku
あゝaa恋路koijiのno果haてだteda――
ゆられるたびにyurarerutabini 思omoいはiha乱midaれre
釧網本線senmouhonsen あかりがしみるakarigashimiru
都to会awaそだちのsodachino おまえをomaewo見miたらtara
なんてnante言iうだろudaro
田舎inakaでdeコンブkonbuをwo 乾hoすsu母hahaはha
標茶shibecha 弟子屈teshikaga 雪yukiのなかnonaka
あゝaaせつないsetsunai旅tabiだda――
命inochiをかけてwokakete 女onnaをwo守mamoるru
釧網本線senmouhonsen 男otokoのさだめnosadame
あかいakai小chiiさなsana 手鏡tekagamiだしてdashite
うすいusui紅beniひくhiku
おまえのしぐさのomaenoshigusano いとしさよitoshisayo
斜里syariをwo出deたならtanara 網走abashiriさsa
あゝaaおいらのoirano町machiだda――