それはあまりにも恐おそろしく
あまりにも謎なぞめいた一ひとつの事件じけん。
誰だれもが 羨うらやむような貴族きぞくの城しろのなかで起おこった事故じこのはずだった。
バラのように染そまる頬ほおに
ダイヤよりもかがやくその瞳ひとみ
美うつくしき悲劇ひげきの乙女おとめ
なぜ彼女かのじょは罪つみを犯おかしたか?
II
(X伯はく屋敷やしきの召使めしつかいメリッサの場合ばあい。
両親りょうしんに宛あてた手紙てがみに於おける証言しょうげん。)
『お父とうさま お母かあさま わたしは元気げんきにしています!
お屋敷やしきは とても立派りっぱで 旦那様だんなさまは優やさしい方かたでした!
だから だから悲かなしいわ
こんなこんな ことってないわ
バルコニーから 旦那様だんなさま 落おちてしまったの
嘘うそじゃないわ わたしちゃんと この目めで見みたわ…!!』
III
『華はなやかなお屋敷やしき』は本当ほんとうは恐おそろしい悪魔あくまの棲家すみか
繰くり返かえし 犯おかされる 父親ちちおやの虐待ぎゃくたい
囚とらわれし 叫さけび声ごえ 実娘じつじょうは決きめた
母ははと兄弟きょうだいを呼よびついに計画けいかくを企くわだてた。
極ごく秘密ひみつの会合かいごう ささやかれる暗号あんごう
明あけ方がたには敢行かんこう ボトル持もって参上さんじょう
阿片あへん入いりのワイン 眠ねむったのがサイン
おぞましき悪魔あくまよ 忌いまわしき地獄じごくにAddio!!
おお!ベアトリーチェ!!
おお!ベアトリーチェ!!
さぁ 絶望ぜつぼうをわかちて
おお!ベアトリーチェ!!
おお!ベアトリーチェ!!
さぁ希望きぼうよ来きたれよ
「わたしは罪つみなど犯おかしていないわ…」
度重たびかさなる裁判さいばんでも彼女かのじょは、明日あしたを信しんじた。
IV
(町まちの住人じゅうにん達たちの噂うわさ)
「まぁ 尊属そんぞく殺人さつじん!? なんて恐おそろしい容疑ようぎなんでしょう!!」
「一体いったい莫大ばくだいなX家けの財産ざいさんはどこへいくんだろうね?」
けれど皆みんな知しっていた。
悪魔あくまが犯おかす殺人さつじん暴力ぼうりょく
美うつくしき悲劇ひげきの乙女おとめ
彼女かのじょに迫せまる未来みらいは如何いかに……?
V
(名探偵めいたんていヴィンセント・ラファエルスの場合ばあい)
わたしの名前なまえは
名探偵めいたんていヴィンセント
この事件じけん、ん~何なにか匂におうな…。
優すぐれた嗅覚きゅうかくと推理すいりの腕うでは
ローマ中ぢゅうで右みぎに出でるものはいないと自負じふしております
以後いご、お見知みしり置おきを。
趣味しゅみは 女性じょせいと薔薇ばらを愛めでること。…失礼しつれい。
本当ほんとうにベアトリーチェは 無実むじつなのか?
隠かくされた暗号あんごうが あるはずだが…
もしや 教皇きょうこうらの陰謀いんぼうか?
事故じこに見みせかけた他殺たさつか?
まさかまさかそんなことは…?
こういう時ときにはカードを切きって
思おもいきって 原点げんてんに戻もどれ
思おもわぬところに真実しんじつの
糸口いとぐちが 見みえてくるものなのさ
そこのお嬢じょうさま
そこのおぼっちゃま
謎解なぞときならわたしにお任まかせを
ご入用いりようなら
どうぞこちらへ
わたし名探偵めいたんてい ヴィンセント・ラファエルスまで (キランッ☆)
VI
(ベアトリーチェ嬢じょう 処刑しょけい当日とうじつ。)
「あぁ…恐こわいわ…!あぁ処刑台しょけいだいが近ちかづいてくるわ
あぁ…神様かみさま
なぜわたしは死しななきゃいけないの?」
処刑者しょけいしゃが見みえたぞー!始はじまるぞー!
群衆ぐんしゅうがどよめき 騒さわいだ
埃ほこり風かぜ 吹ふいても叫さけんでもなお
彼女かのじょは揺ゆるがない。
と、その時とき 民たみが唱となえ出だす祈いのり
膨ふくらむ同情どうじょうの怒声どせいを
遮さえぎるように 掻かき消けすように裁判官さいばんかんは下くだした!
「Va' a quel paese! Va' a quel paese! Va' a quel paese!
ベアトリーチェ!!お前まえに裁さばきを!!」
それはあまりにもsorehaamarinimo恐osoろしくroshiku
あまりにもamarinimo謎nazoめいたmeita一hitoつのtsuno事件jiken。
誰dareもがmoga 羨urayaむようなmuyouna貴族kizokuのno城shiroのなかでnonakade起oこったkotta事故jikoのはずだったnohazudatta。
バラbaraのようにnoyouni染soまるmaru頬hooにni
ダイヤdaiyaよりもかがやくそのyorimokagayakusono瞳hitomi
美utsukuしきshiki悲劇higekiのno乙女otome
なぜnaze彼女kanojoはha罪tsumiをwo犯okaしたかshitaka?
II
(X伯haku屋敷yashikiのno召使meshitsukaいiメリッサmerissaのno場合baai。
両親ryoushinにni宛aてたteta手紙tegamiにni於oけるkeru証言syougen。)
『おo父touさまsama おo母kaaさまsama わたしはwatashiha元気genkiにしていますnishiteimasu!
おo屋敷yashikiはha とてもtotemo立派rippaでde 旦那様dannasamaはha優yasaしいshii方kataでしたdeshita!
だからdakara だからdakara悲kanaしいわshiiwa
こんなこんなkonnakonna ことってないわkotottenaiwa
バルコニbarukoniーからkara 旦那様dannasama 落oちてしまったのchiteshimattano
嘘usoじゃないわjanaiwa わたしちゃんとwatashichanto このkono目meでde見miたわtawa…!!』
III
『華hanaやかなおyakanao屋敷yashiki』はha本当hontouはha恐osoろしいroshii悪魔akumaのno棲家sumika
繰kuりri返kaeしshi 犯okaされるsareru 父親chichioyaのno虐待gyakutai
囚toraわれしwareshi 叫sakeびbi声goe 実娘jitsujouはha決kiめたmeta
母hahaとto兄弟kyoudaiをwo呼yoびついにbitsuini計画keikakuをwo企kuwadaてたteta。
極goku秘密himitsuのno会合kaigou ささやかれるsasayakareru暗号angou
明aけke方gataにはniha敢行kankou ボトルbotoru持moってtte参上sanjou
阿片ahen入iりのrinoワインwain 眠nemuったのがttanogaサインsain
おぞましきozomashiki悪魔akumaよyo 忌iまわしきmawashiki地獄jigokuにniAddio!!
おおoo!ベアトリbeatoriーチェche!!
おおoo!ベアトリbeatoriーチェche!!
さぁsaa 絶望zetsubouをわかちてwowakachite
おおoo!ベアトリbeatoriーチェche!!
おおoo!ベアトリbeatoriーチェche!!
さぁsaa希望kibouよyo来kiたれよtareyo
「わたしはwatashiha罪tsumiなどnado犯okaしていないわshiteinaiwa…」
度重tabikasaなるnaru裁判saibanでもdemo彼女kanojoはha、明日ashitaをwo信shinじたjita。
IV
(町machiのno住人juunin達tachiのno噂uwasa)
「まぁmaa 尊属sonzoku殺人satsujin!? なんてnante恐osoろしいroshii容疑yougiなんでしょうnandesyou!!」
「一体ittai莫大bakudaiなnaX家keのno財産zaisanはどこへいくんだろうねhadokoheikundaroune?」
けれどkeredo皆minna知shiっていたtteita。
悪魔akumaがga犯okaすsu殺人satsujin暴力bouryoku
美utsukuしきshiki悲劇higekiのno乙女otome
彼女kanojoにni迫semaるru未来miraiはha如何ikaにni……?
V
(名探偵meitanteiヴィンセントvinsento・ラファエルスrafaerusuのno場合baai)
わたしのwatashino名前namaeはha
名探偵meitanteiヴィンセントvinsento
このkono事件jiken、んn~何naniかka匂nioうなuna…。
優suguれたreta嗅覚kyuukakuとto推理suiriのno腕udeはha
ロroーマma中dyuuでde右migiにni出deるものはいないとrumonohainaito自負jifuしておりますshiteorimasu
以後igo、おo見知mishiりri置oきをkiwo。
趣味syumiはha 女性joseiとto薔薇baraをwo愛meでることderukoto。…失礼shitsurei。
本当hontouにniベアトリbeatoriーチェcheはha 無実mujitsuなのかnanoka?
隠kakuされたsareta暗号angouがga あるはずだがaruhazudaga…
もしやmoshiya 教皇kyoukouらのrano陰謀inbouかka?
事故jikoにni見miせかけたsekaketa他殺tasatsuかka?
まさかまさかそんなことはmasakamasakasonnakotoha…?
こういうkouiu時tokiにはnihaカkaードdoをwo切kiってtte
思omoいきってikitte 原点gentenにni戻modoれre
思omoわぬところにwanutokoroni真実shinjitsuのno
糸口itoguchiがga 見miえてくるものなのさetekurumononanosa
そこのおsokonoo嬢jouさまsama
そこのおぼっちゃまsokonoobotchama
謎解nazotoきならわたしにおkinarawatashinio任makaせをsewo
ごgo入用iriyouならnara
どうぞこちらへdouzokochirahe
わたしwatashi名探偵meitantei ヴィンセントvinsento・ラファエルスrafaerusuまでmade (キランッkiranxtu☆)
VI
(ベアトリbeatoriーチェche嬢jou 処刑syokei当日toujitsu。)
「あぁaa…恐kowaいわiwa…!あぁaa処刑台syokeidaiがga近chikaづいてくるわduitekuruwa
あぁaa…神様kamisama
なぜわたしはnazewatashiha死shiななきゃいけないのnanakyaikenaino?」
処刑者syokeisyaがga見miえたぞetazoー!始hajiまるぞmaruzoー!
群衆gunsyuuがどよめきgadoyomeki 騒sawaいだida
埃hokori風kaze 吹fuいてもitemo叫sakeんでもなおndemonao
彼女kanojoはha揺yuるがないruganai。
とto、そのsono時toki 民tamiがga唱tonaえe出daすsu祈inoりri
膨fukuらむramu同情doujouのno怒声doseiをwo
遮saegiるようにruyouni 掻kaきki消keすようにsuyouni裁判官saibankanはha下kudaしたshita!
「Va' a quel paese! Va' a quel paese! Va' a quel paese!
ベアトリbeatoriーチェche!!おo前maeにni裁sabaきをkiwo!!」