瘡蓋かさぶたを剥はぎ取とる 丁寧ていねいに 破やぶれない様ように
指ゆびでなぞる
「私わたし」を確たしかめるかの如ごとく
捩ねじり詰つめ込こんだ美徳びとくの刃はが脈みゃくを切きり刻きざむ
剥はがれて行いく 崩くずれて行いく
曖昧あいまいな歪いびつが残のこった
其方そちらから此方こちらを抜ぬけ彼方かなたが見透みすかせるかの様よう
爪つめと肉にくの間まに喰くい込こんだ滓かす
それはかつて焦こがれ焦こがれた綺麗きれいな戯ざれ言ごと
掻かき毟むしり取とり溢あふれた蜜みつの味あじ
それは今いまも...
流ながれて行いく 壊こわれて行いく
慥たしかな異物いぶつが残のこった
吐はき気けさえ飲のみ干ほして 喉のどを這はい出いずる手てを噛かむ
「私わたしハ傀儡かいらい、猿轡さるぐつわノ人形にんぎょう」
津液しんえきに溺おぼれ錆さびた声こえが私わたしを喰くい破やぶる
乞こえば溢あふれて また一ひとつ増ふえる「穴あな」
映うつせば在あれど無なく 黒くろい枷かせに塗まみれた物言ものいわぬ傀儡かいらい一ひとつ
触ふれてみれば...ざらり...ざらり...
瘡蓋kasabutaをwo剥haぎgi取toるru 丁寧teineiにni 破yabuれないrenai様youにni
指yubiでなぞるdenazoru
「私watashi」をwo確tashiかめるかのkamerukano如gotoくku
捩nejiりri詰tsuめme込koんだnda美徳bitokuのno刃haがga脈myakuをwo切kiりri刻kizaむmu
剥haがれてgarete行iくku 崩kuzuれてrete行iくku
曖昧aimaiなna歪ibitsuがga残nokoったtta
其方sochiraからkara此方kochiraをwo抜nuけke彼方kanataがga見透misuかせるかのkaserukano様you
爪tsumeとto肉nikuのno間maにni喰kuいi込koんだnda滓kasu
それはかつてsorehakatsute焦koがれgare焦koがれたgareta綺麗kireiなna戯zaれre言goto
掻kaきki毟mushiりri取toりri溢afuれたreta蜜mitsuのno味aji
それはsoreha今imaもmo...
流nagaれてrete行iくku 壊kowaれてrete行iくku
慥tashiかなkana異物ibutsuがga残nokoったtta
吐haきki気keさえsae飲noみmi干hoしてshite 喉nodoをwo這haいi出iずるzuru手teをwo噛kaむmu
「私watashiハha傀儡kairai、猿轡sarugutsuwaノno人形ningyou」
津液shinekiにni溺oboれre錆saびたbita声koeがga私watashiをwo喰kuいi破yabuるru
乞koえばeba溢afuれてrete またmata一hitoつtsu増fuえるeru「穴ana」
映utsuせばseba在aれどredo無naくku 黒kuroいi枷kaseにni塗mamiれたreta物言monoiわぬwanu傀儡kairai一hitoつtsu
触fuれてみればretemireba...ざらりzarari...ざらりzarari...