開始3秒でいいと思えるみたいな
──皆さんはインストバンド「SPECIAL OTHERS」がお好きだと伺いました。一同:大好きですね。
──楽曲がすごくインスパイアされているなって思いました。皆さんの楽曲って、音をメインに言葉を乗せる作り方をしていますよね。
永田涼司:ああ、そうですね。そういう曲も結構ありますね。もちろん弾き語りで作る曲もあるんですけど。元々インストバンドを3人でやってて、もしかしたらその時にSPECIAL OTHERSっぽいことをやったりもしてたんで、それをこう「いいな」と思える感覚っていうか、そういうものがずっとたぶん根底にあって。作っていく過程で「これがいいね」「これがいいね」ってなるものが、もしかしたら「SPECIAL OTHERSっぽい」って感じる要因になってるかもしれないです。
──出だしのキーが高めというか、ああいうのもこだわりで出してるところなんですか?
永田涼司:速度感というか。聴いた時に一番最初に耳にスッと入ってくる、開始3秒でいいと思えるみたいな、そういう即効性みたいなものは意識したりしていますね。
──メジャー1stアルバムのお話のほうに行きたいんですけれども、まずアルバムが発売される心境から、お一人ずつお聞かせいただけますか?
ミヤシタヨウジ:初めてCDを流通させたのが16年の2月だったんで、あっという間に過ぎていきました。まだ(メジャー1stアルバムは)出てないんですけど、2018年2月に発売でちょうど(初めてCDを流通させて)2年で、(それまでも)すごいコンスタントに音源も出せたんで、楽しんで活動してきた感じが伝わればいいと思います。(笑)
もちろん曲も音源もパワーアップしてると思うんですけど、そういう感じが伝わればいいかなと思います。
コウタロウ:このアルバムを作っていく上で、うまくいかないことだったり大変だったことが結構あったんですけど。最終的に自分たちがやりたいことを結構たくさん詰め込められた1枚になったなって個人的に思っているんで。本当に胸を張って、色んな人に届いてほしいなと思っております。
ササキハヤト:メジャーデビューっていう事実はあるんですけど、それは全然ゴールじゃないし。ここからずっとスタートを繰り返していく中のひとつであると僕は思っていて。だからそのスタートを、常に自分たちが一番自信を持って、その時一番の最大を出し続けていく中の、今がこれなんで。ここからまた僕らの基盤となってくれたら、嬉しいなって思います。
永田涼司:今回前に向かう曲だったり、僕らが外に出ていく、ターミナルから始発の電車がスタートしていくっていう外に向かうイメージが連想できるような曲がいっぱいできたんで、とにかくもうたくさんの人に聴いてほしいっていう思いがすごい強いです、今回のアルバムは。
──『ターミナル』というのはそういった意味ということなんでしょうか?
永田涼司:何個も意味を込めたんですけど、一番大きな意味は、『ターミナル』って駅だったり、人がすごい集まる場所なんで、今までついてくれてたファンの人だったり、これから新しく僕らの音を聴いてくれる人たちが、そこに集まって寄り添えるようなアルバムになればいいかな、という意味を込めて『ターミナル』というタイトルになりましたね。
──一番最初を飾っている『18』に込めた思いをお聞かせ頂けますか?
ササキハヤト:この作品を作るにあたって、「メジャーに行くから」みたいな気負いが結構出ちゃって。色んなものへの迷いがあったんですよ。どういうものを作ればいいんだろう、どういうものを出していけばいいんだろうみたいに悩んだ時期を経て、それが全部取っ払えるような、みんなでバーンと音を鳴らした瞬間があって。やっぱり自分の好きなもの、ずっと憧れていたものを芯に持ってやりたいなっていう。
曲を作ったのは永田なんですけど、僕らが今持っている「青春感」みたいな。熱い青春!とかじゃなくて、憧れだとか羨望だとかそういったものを僕は感じました。バンドを始めたいと思ったのが僕18歳だったんですけど、永田が『18』っていう言葉をボソッと言ったことから、あ、『18』いいじゃんと思って、僕の青春を詰め込もうかと。だから僕は『18』だった自分に歌っています。憧れを持ったお前へ、“今も頑張ってんぞ!”みたいな。これからも僕は迷いも悩みも憧れも全部包み込んで走っていくぞって思いを込めましたね。
──このAメロのフレーズ青春っぽいですよね。心境が赤裸々に綴られてるというか。18歳の頃の想いが本当にここを読んでわかるなって、見ていて思ったんですけど。
ササキハヤト:そうですね。今までこういう自分自身についてみたいな歌詞はあんまり書いてこなくて。でも音から出る青春性と、僕らが「泣きながら踊れる」みたいな音楽を目指した時、僕がこれを作っている時にグッとくるものも青春性だったんですよ。そこが合致してこういう歌詞になったのかなって思っています。
──4曲目の『煙』についてですが、皆さんで楽曲を制作されていると思うんですけど、曲作りはスムーズにいきましたか?
永田涼司:これはどうだったっけなあ?
ササキハヤト:この曲は、ヨウジが持って来たんじゃない?最初。
ミヤシタヨウジ:そう。
永田涼司:いっちばん最初はそうだね。
ミヤシタヨウジ:イントロの感じを僕が皆に持っていって、「これどう?」みたいな感じから作り始めて。で、永田がサビのメロディをつけて、それ以外のメロディはハヤトがつけて、皆でアレンジしたって感じですね。
ササキハヤト:これが一番共同制作。(笑)
──このアルバムを聴いていた時に、全体的に爽やかと、懐かしさが蘇るな思いました。反対に、『煙』はすごくワイルドというか攻撃的で、攻め攻めな感じできてると思って。
ササキハヤト:感覚的にこういう曲、ちょっとだけソリッドで、だけど体が動くような曲が欲しいねっていうのは前のアルバムぐらいから話をしていて。それがようやくこうやって形になって。俺も結構好きなんですけどね。