“ジュークボックス”に込められた意味
--よろしくお願いします!今回のタイトルの読み方は『19BOX(ジュークボックス)』で合っていますか?佐藤:そうです。『19BOX』です!これ、「ナイティーンボックス」って読まれる方もいらっしゃるんですけど、「ジュークボックス」です。
元々バラエティーに富んだジュークボックスのようなアルバムにしたいっていうコンセプトはあったんですけど、じゃあタイトルどうする?ってなった時に、僕の生まれ年が1985なんで1985とかどうですかーみたいな話をして。それで、1985って数字を書いた時に19は、おっ、「ジューク」だ!85…あっ!よーく見たら1985の85の読み方を変えると箱だなって思って、箱=BOXじゃんってなってから『19BOX』になりました!
--なるほど!
佐藤:そもそも昨年6月〜10月のルーツミュージック企画でも、90年代80年代のリバイバルをすごくやってたじゃないですか。だから自分の生まれた年代のリスペクトの意味も込めていて、アートワークのデザインも「19BOX」をなるべく「1985」に見えるようにしてくださいってデザイナーさんに注文しちゃいました。
こだわりの曲順
--収録されている曲順についてのこだわりを伺いたいです。佐藤:元々『MONEY IN THE BANK』は昔からライブでやっている曲で、どっちかといったらライブのトップバッターソングというか、オープニングにものすごくマッチした楽曲だったので、アルバムも『MONEY IN THE BANK』から始まるべきだなと。ポテンシャル的にもイントロダクションの要素も持ってると思うので。
そこから『Baby Baby Baby feat. SWAY』に移るんですけど、80年代ファンクから90年代Gファンク、ヒップホップの流れっていうのは、時代背景的にもあるので、2曲目に入れました。既にリリースしているシングルとの差別化もしたかったので、skit的なイントロを入れてみたり。
--あのskitも世界観が見えていいですよね。
佐藤:ちょっと車のローライダーチックな音入れたり。skitも、ここの音のボリューム、騒音とかはもうちょっと下げようかとか、結構細かくやり取りはしましたね。
--確かに。佐藤さんのイメージ通りになったんだろうなっていう感じがありました。
佐藤:そうですね!
--内容的な部分のつながりとしては?
佐藤:『MONEY IN THE BANK』って女性を落としにかかるような、ちょっとキザな男の曲なんですけど、そこから『Baby Baby Baby』パーティーしようぜっていう流れになるんですね。
で、『Remember』は、結ばれる寸前のカップルをイメージしてます。
--結ばれる寸前のイメージなんですね。
佐藤:はい。既に”結ばれてた”でもいいのですが、僕の中ではわりと結ばれる寸前、もしくは結ばれたてのカップルのイメージ。付き合う前の初々しさやときめきを、90年代R&Bというか、ちょっとニュージャックスイングっぽいテイストで。Jam & Lewisとか、そういった感じの楽曲で繋いでます。
次の曲『とにかく君が好き』は、ちょっと付き合って時間が経過したカップル。“やっぱり好きだわ、お前のこと”みたいな、改めて好きだよって、一人の時間に改めて思うような感じの曲です。
で、『MY ONLY ONE feat.宏実, YUTAKA (Full Of Harmony)』がウエディングソング、そして『Slow&Easy』っていう流れにいくんですけど、その曲が今度アダルトな、わりと夜の営みソングというか。(笑)
--(笑)。
佐藤:ベッドミュージックにわりと近いイメージ。ピローソングというか。ちょっと今までの傾向とは違って少し大人な楽曲に。
男女の出会いからパーティー、そして『とにかく君が好き』で結ばれ結婚して、『Slow&Easy』で、はい、ちょっと大人な曲!っていう一連の流れを作りたかったので、一応1曲目から6曲目は一つのカップルを時系列的にイメージして配置をしてます。そこはちょっとこだわったとこですかね!前半は歌詞もサウンドも、ストーリー仕立てになっていると思います。
--なるほど。ストーリーのつながりも。とくに『Remember』は、『とにかく君が好き』への流れのために作った曲と言っても過言ではないぐらい、自然な流れで、繋がりがあるように思います。
佐藤:そうなんですよ。ただ繋げるだけじゃなくて、『Remember』に関しては時代背景をものすごく意識していて、サウンド的にもリバイバルしてるんですけど、歌詞も思いっきりリバイバルしました。例えば「テレフォンカード」「ポケベル」っていうワード、あと「愛という名のもとに」っていうちょっとドラマのタイトルを少しパロったりとか。
--あっ!ほんとですね!(笑)。
佐藤:他にも実は色々入っているので見てみてください。(笑)
--トラックに関してはいかがですか?
佐藤:トラックはそうですね。今井大介さんと制作させていただいたんですけど、ニュージャックスイング寄りっていうか90年代前半の。僕のすごく好きなJam & Lewisっていうコンビのプロデューサーがいるんですけど、ちょうど彼らが90年代前半にやっていたサウンドをやろうぜ!みたいな。
--爽やかでBGMにもいいですよね。
佐藤:すごく爽やかな曲で、このアルバムの中でもかなり重要なポジションになってる曲だなぁと。ライブとかでもすごく手を振りやすい曲なんで、自分もちょっとニュージャックっぽい振りを踊ったりとかもしますし、大事な曲ですね。