段ボールと向き合う。
──なるほど。コミカルな部分ではクスッとしますけど、Skit的な立ち位置で収録されている『3:00 a.m.』と併せて聴くことで“こうやってあの小道具は作っていたんだぁ…”って涙が出そうになります(笑)。
全員:(笑)
──3時ぐらいに疲れから段ボールの声が聞こえるようになったり…
北島:それも実は僕も3時につくってるとこ見たことないんでネタもイメージでしかないですけど、スタートもイメージでしかないですけど、タイトルにあるように頭おかしくなってくるのは3時かなというところで3時にしまして。
──段ボールと会話ができるようになってしまう(笑)。
まさやん:そんなことないですけど、俺はそんなことないですけど…。去年の夏前ぐらいからめちゃめちゃありがたいことに多くのフェスに呼んでいただいて、本当に毎週末違うフェスに出るっていう感じだったので、その時期はここ数年で1番大変…大変だなっていうのはあれですけど、1番数をつくったっていう感じですか。時間をさいたというか。
──その時期ってぶっちゃけ楽器触ってる時間と段ボール触ってる時間ってどっちが…。
まさやん:断然段ボールのほうが長かったです。
──(笑)大丈夫なんですか?
まさやん:手がかっさかさになってくる。
モリス:そうなんや。
まさやん:水分持ってかれる。
──そう感じるまで段ボールを触ったことがないですもんね。
モリス:持ってかれるまで触ったことないです、そういえば。
(笑)
──同じのを別のステージでまた使うっていうことにはならないんですね?なしなんですね?
北島:今思い返すと2017年のフェスで同じもん多分使ってないって思いましたね。
まさやん:そうですね。
北島:そうですね。使いまわしてないですね。
──なるほど。やっぱりライブに対しての気合いもそうですけど段ボール愛も感じますね…。これは詞が先にできたということでしたけど、そこから音をつくっていくのにそれぞれ皆さんがこだわったところみたいなの聞かせてもらってもいいですか?
北島:カップリングにする曲って思い切り力抜いてるのか、ほんまめっちゃくちゃやりたい放題やってんなっていうやつのどっちかじゃないですか。これはほんま力ぬいてシンプルなものにしようっていうスタートだったんですよね。
まさやん:EPやから2、3曲入って終わりとかじゃなかったので、この曲はそういう位置づけでいいよねっていうイメージでしたね。ちょっとラフにというか力抜いた感じの曲っていうか位置づけでいいんじゃないかなっていう。
──そこからリード曲になるまではどういう流れがあったんですかね?
北島:録ってみて。
モリス:レコーディングしてからの話です。
北島:『発明倶楽部』っていう曲もレコード会社さん的には「それでいい」ってなってたんですけど、この曲録ってたら「超えてきた」ということを言っていただきまして、1日考えようか、とはなったんですけど、どっか気持ちの中で「もう『段ボーラーまさゆき』(がリード)やな」ってみんな思ってたんで、あとはリード曲に寄せたかたちでちょっと歌詞変えてみたりとか、ちょっと細かいところのミックスをこだわったりとかっていうので仕上げていったという感じですかね。
──なるほど。
北島:だからそのレコーディング期間中のライブでは、まだCDになってない曲やから結構ラフに歌う部分もあったりとかするんですけど、これシングルの表題曲にしたいなっていう気持ちもそのレコーディング中のライブでも出てたので、積極的にちょっと変えていくってこともしてました。
♪T.A.K.E.D.A竹田 T.A.K.E.D.A竹田♪だったんですけど、♪松.竹.梅.の.方.の.竹田♪ってライブ直前で変えて歌ってみたりとかして、レコーディングの期間中のライブでぐっとつくり上げたかたちはありますね。
──最後の「断面の波形は魂の心電図♪」というフレーズの発想はさすがだと思いました(笑)。
北島:魂の心電図って言っとかないと、「鋼鉄」なんでちょっと冷血なやつと思われたら困るんで。
モリス:まさやんのこと考えてあげたぁ。
全員:(笑)
北島:これは本当やさしさですので。
モリス:愛情です。
北島:鋼鉄の段ボーラーなんで、ただでさえ肌もあれてきて、どんどん鉛に近づいていってるので、ちょっとでも血の通った人間だっていうのを皆さんに分かっていただきたかったんですよね。
──あの波の断面にフォーカス当てたのすごいですよね。
北島:そうですね(笑)。生きているのを見たくていっぱい段ボール切ってるんだよって。自分が生きてるのを感じたくて、波形が見たくて断面が見たくて切ってるんだよって。
モリス:初めて聞きました。僕らも今初めて。
──すごい。壮大なストーリーが…。
北島:実は泣けるんです。
U太:笑えへんやん、あかんあかんあかん。
北島:生きてるかたちが見たいっていう。生きてることをかたちにしたいっていう。生命讃歌なんですよね。
モリス:そうやったんや。
──今決まったんですね。
モリス:今決まったくさいですよね。
北島:でも、段ボールのことで歌詞書こうと思って5時間ぐらい考えると多分そこに行きつくと思うんですよ(笑)。段ボールとずっと向き合ったら、もうこれ以外ないじゃないですか。フォーカスするとこがないからそれはここやろってなりますよ。やっぱみんな向き合ってないだけであって。
モリス:見えてくる。
北島:6時間いくともう、ちょっとこういう顕微鏡の次元とかになってもう伝わらなくなってくるんで。
モリス:そこまでいくとね。
──♪まさゆき♪ってライブで叫ぶの楽しそうですね。
北島:音源では本人が(笑)。
まさやん:僕しか言ってないですからねそこ。
U太:ライブではお客さんがすでに言うてますね。
──ファンの方にそんなたくさん名前呼ばれていいですよね〜。
まさやん:(笑)そうですよね。普段そんなことないですもんね。数百人から一気にそんな名前を呼ばれることなんか。
──生命讃歌ですもんね。
北島:そうそう。
モリス:鉛じゃないよって。
まさやん:生きてるんだなって。
──実際、まさゆきさんのハートはその鋼鉄感と段ボール感とどっちの割合が大きいんですか?
まさやん:知らん(笑)。
モリス:何その質問(笑)!
北島:心の温かさ?
U太:半々ぐらいあるんじゃないですか?
北島:半々。
U太:半々あるからどっちも出てきたんでしょうねタイトルに。
北島:鋼鉄の…熱を帯びた鋼鉄のときもありますからね。熱々のときも。ライブだとかでは「あちっ」ってなるときもあるし、全部あるんじゃないですかね。
モリス:ほんまクールなときも、プロっぽいクールなときもありますしね。