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【インタビュー】eddaが描くファンタジックな世界観。そこに隠されたのは、夢物語?それとも現実世界?? (1/2)

資料に記された、「eddaにしか描ききれない"異世界ファンタジー"を凝縮した作品」。その言葉が気になりませんか??。5月23日に発売する最新EP『ねごとの森のキマイラ』。この作品は、あなたを不思議な物語の世界へ誘います。その語り部と言うべきedda。彼女の言葉を、ここに記しましょう。

『ねごとの森のキマイラ』は、一人では表現しきれない世界観



──最新EP『ねごとの森のキマイラ』へ触れたとき、これはeddaさんだからこそ作り上げられる独創的な世界観だなと感じました。

edda:ありがとうございます。確かにeddaの世界観を表現したんですけど、今回は、いろんなクリエイターさんとコラボレーションしながら作ったように、edda一人では表現しきれない世界観を描き出せた作品にもなりました。

──最初から、いろんなクリエイターの方々と制作しようと決めていたのでしょうか?
edda:そうです。本作に参加してくださった方々は、もともと好きなアーティストさんたち。detune.は昔から敬愛していましたし、ササノマリイさんもボカロ時代から聞いていた方。Coccoさんはレコード会社の大先輩であり、実際にライブを観に行かせていただき「とても素敵な方だなぁ」と思っていたので、「Coccoさんの曲はどう?」と提案を受けたときも「是非お願いします。」と返事をしました。3人とも世界観の好きな方々ばかりで予測以上に素晴らしい作品になり、どの曲にも嬉しい驚きを覚えています。

最初は、自分の中にはないメロディや歌詞という面で「歌いこなせるのか」「自分の持つ世界観が本当にマッチするのか」不安でした。でも、最終的にはとてもまとまりの良い作品へ仕上がったなという風に思います。

──これまでずっと、eddaさんみずから作詞作曲を手がけてきました。他の方の作ったメロディもそうですが、自分じゃない人の歌詞を歌う経験というのはどんな感じでした?

edda:わたしの場合、自分の気持ちを投影するよりは、一つのファンタジックな物語を作り上げ、その中の主人公になり、歌詞を書いています。今回、『ダルトン』をCoccoさんが作詞/作曲をしてくださいました。だから歌う前に、どれだけ自分の解釈をCoccoさんの世界観に重ね合わせられるかと、何度も何度も歌詞を読み込んだうえでレコーディングも行いました。ご本人にお会いして「この歌詞はこういう解釈ですか?」と聴いたわけではないように、そこは自分なりの解釈を持って歌入れには臨んでいます。

──『ダルトン』は何処か切なさを抱いた、心の内側へ言葉を向けた歌だと自分なりに解釈しました。

edda:確かに、気持ちの内側へ向いてる内容だと思います。わたしの作る楽曲はどれも暗かったり怖かったりとダークファンタジー寄りな面があるんですけど、あくまでもそういうベースを持った楽曲という形であって、つねに明るい方向へ気持ちを向けた歌詞を書いてきました。その点、『ダルトン』はどよんとした感情も歌詞へ強くのっかっている印象だったので、そこもまた自分なりの解釈として、光を求めゆく形へ心の中で落とし込み、歌いました。



心がぽっかりとした感覚は残しておきたい

──eddaさんの場合、どの歌詞も想像を巡らせると言いますか、自分なりに想像を膨らませては解釈してゆくスタイルを取っていません?

edda:あえて、最後の答えまでは書かないようにしています。最新EP『ねごとの森のキマイラ』の中へわたしが記した『グールックとキオクのノロイ』『夢のレイニー』『案内人』『リピート』(初回盤のみ収録) の歌詞のどれもが、大きな世界観があった中の、その一部分だけを取り出したような歌詞にしています。ただし、取り出した部分では細かく内容に触れていて、そこから全体像にも想像がめぐっていくようにしています。そのうえで、最終的な解釈は触れた人たちに委ねたいなと思っています。

──そういう歌詞の書き方をしていたんですね。『グールックとキオクのノロイ』にはどんな想いを投影したのか、そのヒントだけでも教えてください。

edda:『グールックとキオクのノロイ』はdetune.の郷さんが作曲をしてくださった、郷さんワールド全開の楽曲です。その世界観は、「可愛いんだけど、ちょっと恐怖心を煽る」ところがあったり、「真実に触れる前のゾクゾクッとした緊張感」があったり。その感覚を歌詞にも落とし込めたらなと思い、書きました。具体的に語るなら、恐怖心や真実を人はとても求めたがりますし、それを求めようと突き進むんだけど。実際にそれを知ってしまったらどうなるんだろう。そんな恐怖心や緊張感を、この物語の中から感じてもらえたらなと思います。
 続く『夢のレイニー』のアレンジはササノマリイさん、『グールックとキオクのノロイ』はdetune.さんへ完全にお任せしています。何時もなら、「この音を、ここに入れて欲しい」「こういう展開にしていきたい」とアレンジ面にもわたしのアイデアを反映させてゆくのですが、このお二人に関しては、それぞれの世界観が大好きだからこそ、すべてを委ねました。



──ササイノマリイさんが作曲/編曲を手がけた『夢のレイニー』もファンタジーの世界とはいえ、作品の中では、一番現実味を覚える歌詞になっている印象も受けました。

edda:確かに『夢のレイニー』は、他の楽曲たちと比べたら、とても身近さを持った歌詞だとは思います。

──『夢のレイニー』に描いた内容についても、ぜひ聞かせてください。



edda:夢の中で出会った女の子レイニー、彼女と主人公は夢の中での出来事を忘れないために、鮮明に記憶へ残る場所を探す冒険をしていきます。でも夢から醒めたら、結局は忘れてしまうんですよね。それでも、「夢を忘れたなぁ」という心がぽっかりとした感覚だけは残しておこうという内容です。
わたし自身も、夢の中では冒険していたはずなのに、起きたらその記憶が抜け落ち、ぽっかり心に穴が空いてる感覚を覚えることがあります。そういった面でも、一番現実寄りな楽曲になったなと思います。



わたしが生まれる前に大ヒットした楽曲

──中で、たまの『さまなら人類』をカバーしていますよね。あのアレンジ、原曲以上にファンタジックな広がりや深みを持った内容だと感じました。

edda:最初に楽曲を聴いたときには、「原曲の世界観が完璧過ぎるから、これを超えられるのかな」と不安だったんですけど。大切なのは、原曲を超える超えないではなく、どれだけ自分のものにしていくか。変に格好つけ過ぎても楽曲の持つかわいらしさには似合わないし、はっちゃけ過ぎてしまったら、「これなら原曲を聞いてるほうがいい」となってしまう。正直、そこのさじ加減は難しかったです。でも、イメージしていた「オルゴール的な柔らかいノリを持った楽曲」にアレンジが仕上がり、歌うときも「自分の歌」と思えるくらい、その世界へ入り込んで歌うことが出来ました。

──相反する感情を比較投影したりなど、eddaさんとたまの描く歌詞世界には近しいものがありません?

edda:それは、わたしも感じました。わたしは、『グールックとキオクのノロイ』を作曲されたdetune.の郷さんの影響をとても強く受けています。実際に、わたしも郷さんのような楽曲を作りたい憧れを抱いています。その郷さんのルーツにあるのが、たまというお話を聞いたとき、わたしの目線のすごく遠いところへたまがいたから、この繋がりが生まれたし、「だから歌っててしっくりきたのかな?」と思いました。

──ところで、何故たまの楽曲をカバーしたのでしょうか?

edda:もともとEPの中へ、カバー曲を入れようという話をしていて、「何がいいだろう」とスタッフさんと一緒にいろいろ探していました。そんな時期に『グールックとキオクのノロイ』の打ち合わせがあり、郷さんに、「どんな曲を聞いてきたんですか?」と質問した時に出てきたのが、たまでした。
たまの歌った『さよなら人類』って、まだわたしが生まれる前に大ヒットした楽曲。そのお話を聴いたときには、「じゃあ、家に帰ったら聞いてみます」ということで、その場は終わったんですけど。実際に聞いてみたら「これ、いいじゃない」とはまってしまい、そこで「カバーするなら『さよなら人類』しかない」となりました。『さよなら人類』って、めちゃくちゃ格好いいですよね。

ちなみに、最後に「着いたー!!」と叫んでいるのは、わたしではなく、アレンジをお願いした砂守岳央さんのマネージャーさんの息子さんです。本当は、わたしが叫んでも良かったんですけど、あそこには子供の声が欲しいと思い、そうした経緯もありました。



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1992年生まれ。福岡県出身。 音楽塾ヴォイスにて軸となる音楽性を形成。 音楽による表現だけに留まらず、イラストやジオラマなどを創作することで、独自の世界観を追求するアーティスト。 2017年5月31日に地元である福岡限定シングル「半魚人」を自主レーベル・Erzähler RECORDSよりリリース···

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