道産子流、冬のデートの歩き方
──続いて『涙雪』についても伺っていきます。美しいタイトルをつけられますね…『涙雪』って。佐藤広大:はい(笑)。
──歌詞もメロもすごく好きです(笑)!冒頭の「冬を知らせる星座」って個人的にすごくわかるので共感ポイントです!
佐藤広大:北海道って特に星座が見えるので、この時期やっぱりオリオン座が出てきて。それを眺めると、やっぱり当時の付き合っていた彼女のことを思い出しちゃうみたいな。
──分かります〜!!冬だなって感じるポイントがまさにオリオン座なので。
佐藤広大:その時期からいよいよ息も白くなってくるので冬だなったっていう感じですよね。北海道はやっぱり空気も澄んでいるので、すごく星がきれいなんですよ。この間、俺、スマホで星撮れたんですけど、すげえなと思って。
──すご!北海道、東京じゃ写らないですからね。
佐藤広大:写らないですよね、絶対。
──行きたくなっちゃいました、北海道。
佐藤広大:ね!来てほしいですよ、北海道。
──歌詞の「深めの雪」って部分も北海道感ありますよね。
佐藤広大:そう!
──それに続く「大きめな僕の足跡と」って歌詞なんかも、きっと女性からしたら好きな人と一緒にいるってことを感じるところだと思うんです。
佐藤広大:そう、これ北海道あるあるなんですよ。やっぱり深めの雪の絨毯が広がっているんで、結構踏み込まなきゃ歩けないじゃないですか。そこ踏み込んで行くの男性なんですよ。男性が犠牲となって先に大きい足跡をつけると、後ろの女の子はその大きい足跡に自分の足を入れれるみたいな。
──(笑)そういうことなんですね!
佐藤広大:そう。これはめちゃめちゃ北海道あるあるなんですよ(笑)。
──経験がないので違った映像をイメージしていましたけど、それを聞いたら、その感じがやっぱりいいです!
佐藤広大:道産子は雪道をこうやって歩くんですよ〜(笑)。
──男の人は、そういうところで男らしさを出していくんですね。
佐藤広大:そうそう(笑)、出していくんですよ。
──そしたら、この「手を握った」ってフレーズは、私は横に並びに歩いているイメージだったんですけど、縦並びだったんですね。
佐藤広大:うんうん、意外と縦なんですよ。
──北海道以外の方は、このインタビューを見てからまた別の映像をイメージしながら聴いてほしいなと思いますね。
佐藤広大:そう、学校帰りとかよくある光景だと僕は思いますね。北海道在住なので、雪の冬の曲っていうのはマストでつくっていきたいなと思っている中で、今回は『とにかく君が好き』と『スノーグローブ』の中間のような感じでつくらせていただきました。
──最高です。あと歌詞で触れたい部分でいうと、サビでずっと歌われている、「いつまでも君の」から始まるブロックのちょうどいい男の弱さ。
佐藤広大:そうそう、めちゃめちゃ女々しいんですよ!
──これがホントに、一番切なくて一番グッとくるところをついてくれているなって思いました。
佐藤広大:結構男性の本心ってこういう人、多いと思ってます。結構、僕の実話に近いと思います。
──おお、その当時の恋はどうやって思い出していったんですか?
佐藤広大:いやもう、めちゃ努力しましたね!高校時代、どんな恋してたっけな…とか。
僕、ラブソングはハッピーなのが多いんですけど、切ない曲っていうのが全然ないので、作りたいなということで、切ない恋愛を思い出しましたね。
──あんまり切ない恋愛とか、失恋をしていないという…(笑)?
佐藤広大:いや、してます、してます!してますよ、全然(笑)。
──(笑)。あと女子目線でいいなと思ったのが「左ポケット やっぱ広いなって」って歌詞で。ポケットに手入れてたのか〜!とか、こんな風に切なくなる感じもいいなって。
佐藤広大:北海道ではあまりに寒いから、やっぱりポケットに入れて温めながら歩き合うんですよね。その手がなくなったらやっぱり寂しいなっていうのを思ったことがあったのを思い出して書いたフレーズです。
──これも北海道あるある。
佐藤広大:あるある。
──それにこの歌詞部部分の歌い方、「左ポケット」の「ケ」のこぶしが、ものすごくよかったです。
佐藤広大:そこ、ちょっとだけこだわった部分です!やりすぎず、なさすぎずってのを意識しましたね。
──続いて「粉雪で今を誤魔化せるなら」っていうフレーズもなかなか抽象的で素敵ですが、ここの歌詞へのこだわりも聞かせてください。
佐藤広大:ここは「粉雪で涙を誤魔化せたら」って歌詞にしていたんですよ。だけど「涙」って言っちゃったらストレートすぎるし、ここまで来るまでの歌詞で主人公の男性が悲しんで泣いているような雰囲気も出せたので、「今を誤魔化せるなら」って、流れている涙が粉雪で周りの人から気づかれないって状況をはめましたね。
──なるほど。そして次が「このまま止めないで 涙交じりだとしても」って歌詞で何となく答え合わせしているような。
佐藤広大:そういうことにしましたね。「だとしても」っていうふうに濁して。
──いや〜いいですね!ブリッジ(Dメロ)の感じもガッツリいくわけではなく、でも、しっかりブリッジという立ち位置を確立しているメロディーでよかった。
佐藤広大:そう、この曲、転調で結構ピークをつくれちゃうので、ブリッジ部分は盛り上げちゃいけないなっていうことで、逆に北海道の札幌感を出そうっていうふうにやったんですよね。
札幌の冬のライティングのイメージって暖かくて柔らかいオレンジなんですよ。この「大通」っていうのは札幌の大通公園のことを差しています。
──なるほどぉ。そのオレンジの街灯が「道を照らすから」って歌詞で、主人公はきっと、ちゃんと前を向けるんだろうなって印象を持ちました。
佐藤広大:そうですね。僕もなんだかんだそうでした。意外と恋愛って自分で負い込んだりするんだけども、どこかで何%か前向きな気持ちって持っているので。そういう絶妙なラインの部分のフレーズですね。
──そして曲が進むにつれて前を向いていく主人公ですが、「サヨナラと君を季節に残すよ」ってことも言ってるじゃないですか。サヨナラも君もこの冬に閉じ込めたわけで、続編として『涙雪』2019バージョンも欲しいくなりました(笑)。
佐藤広大:2019年の春はたぶん違う恋愛していますね。
僕の持論としては、過去の恋愛が笑い話になった瞬間に忘れられたって思うので、春にはもう笑えてるでしょうね。
──それで曲の冒頭に「春になれば笑えてるのかな」って歌詞があるのか!
佐藤広大:そうそう。これが僕の恋愛持論なんですよ。笑えたら勝ちっていう。
──聴く人の状況によっていろんな役割をする曲ですね。
佐藤広大:そういう方々にとって寄り添える楽曲、もしくは、同じ状況になっている人たちをさらに追い込める曲になってほしいんですよね。僕もそうですけど、失恋しているときって失恋ソング聴きたいんですよね(笑)。
──分かります(笑)。
佐藤広大:なぜか追い込んじゃう自分が好きだったりするんですよね。
だから是非カラオケでも泣きながら歌ってもらって。
──(笑)うん、本当に、音楽ってそうあるべきですよね。
佐藤広大:そうそう。
・・・・・・・
今回はここまで!
近日公開のインタビュー後半では『約束の唄』など他の収録曲にも触れていきます!
更に、後半のインタビューでは佐藤広大のサイン入りチェキのプレゼント企画も!?お楽しみに!
TEXT:愛香
PHOTO:大西基
衣装協力:PANDEMIXXX
佐藤広大過去のインタビュー
アルバム「19BOX」を発表!どこよりも早くアルバムに込めた想い、届けます!旧友SWAYを迎え、全てのパリピに捧ぐ「Baby Baby Baby feat. SWAY」