『ひび割れた世界』と『COLOR』
──今作『COLOR』のジャケットは『ひび割れた世界』と同じ方が?majiko:そうですね、同じ方(ケイト・ベイリーさん)が今回も描いてくださりました。
クーラ・シェイカーの『K2.0』を描いている方で。すごいかっこいいなと思っていて。いつか描いてほしいねという話を、ずっと昔にスタッフとしていたら、ミニアルバム『AUBE』、シングル『ひび割れた世界』で、叶いました。嬉しいことですね。
──ジャケットも曲も、全体を通して世界観が確立されていますよね。
majiko:ありがとうございます。嬉しいです。
──『ひび割れた世界』のときにもUtaTenのインタビューにお答え頂きましたが、ファンや世間の前作『ひび割れた世界』の反応はいかがでしたか?
majiko:結構ありました。ドラマってすごいなと思いました。昔、まじ娘時代に聴いていた方が大人になって、ニコニコ動画を離れて。でも、大人になって、ドラマを見はじめて。「majikoさんって、あのまじ娘!?」という反応がありましたね。嬉しかったなあ。
【インタビュー】majiko「心の叫びみたいなものを擦り合わせた」メジャー作はドラマの世界観に寄り添って
──majikoさんが曲を世に出してから、世間やファンからもらって特に嬉しくなってしまう反応ってどういう反応ですか?
majiko:私がドラマの主題歌を歌うことによって、ファンの方たちが喜んでいる反応がすごく嬉しかったです。「majikoさん、本当に良かったね」みたいな。
──まじ娘の時代からのファンの方なんかは特にうれしいでしょうね…!
majiko:そうだといいですね!
──前作『ひび割れた世界』でmajikoさんを初めて知って、好きになった方もいっぱいいたでしょうし!
majiko:そうですね。いろんなご縁がありました。
闇を纏う『狂おしいほど僕には美しい』
──『COLOR』の中の『狂おしいほど僕には美しい』これは、作曲がMichael Kanekoさんで、作詞がHiro-a-keyさん。どういう経緯で、この方たちとご一緒することになったんですか?majiko:今回、スタッフの方が、Michael Kanekoさんをおすすめしてくださって。アコースティックライブで何度かご一緒しているので。ぜひお願いします!、という形で。
──ライブでご一緒されていたんですね!では続いて、この曲を受け取ったときの印象も教えてください。
majiko:完成した作品は、結構ロックな感じなんですけど。最初にデモをもらったときは、もう少しR&Bというか、16(分のノリ)が効いたようなデモで。そっちもかっこよかったんですけど。こういうロックテイストになって、めっちゃかっこいいなと思いましたね。
──ロックテイストにアレンジしてほしいというのは、majikoさんのご希望で?
majiko:いや、特に言っていないです。
──ライブでご一緒しているから、majikoさんの音楽性などもいろいろご存知だったんですね。本当にmajikoさんにしか歌えない、majikoさんのイメージに合う曲でした。
majiko:ワンマンライブに来てくださって。そのときに「全部、分かりました!」と言っていたので。それが、多分あのように変化していったんだと思うんですけど。嬉しいですね、ありがとうございます!
──歌詞はちょっと暗い、闇を抱えていそうな感じがありますよね。
majiko:闇深い感じがありますよね。
──例えば、majikoさんが歌詞の中で共感できるようなポイントはありましたか?
majiko:歌詞の節々に共感するところはあって。「誰かを好きになるなんて 馬鹿らし過ぎて 終わってる」とか、「裏切られるんだ」とかは、超分かるなと思いましたね。「愛しいモノほど 壊したくなる」とか。一番印象に残っているのは、一番最後の「狂おしいほど 僕には美しい」という繰り返すところなんですけど。タイトルにもなるなと思って。
──この最後のフレーズの歌い方は特徴的で、インパクトがありましたね。「美しい」と繰り返されますよね。こういうふうに歌いたいというイメージがあって、こういう形になったんですか?
majiko:一番最後の「美しい」の連呼は、個人的には、頑固たる意志みたいなものを表現したかったので。けっこうエモーショナルというか、そういうふうに歌うようにはしていましたね。
──あえて「美しい!」とピタッと途切れさせるような歌い方が特長的で、力強かったですよね。
majiko:ドヤ!みたいな感じがしますよね。
──その前のフレーズの「いつまでも 抜けない」から「どうしようもなく」に入っていく、そこの歌い方もすごく好きです。エモい!
majiko:ありがとうございます。すごく嬉しい。
──あれは、意識して、喉を潰すような歌い方をされているんですか?
majiko:そうなんですかね?
──体が勝手にそうなっていくのか、それともそういうふうに歌いたいのか。どっちかといえば?
majiko:感覚ですかね。
──ほぉ、天才肌ですね。
majiko:いやあ(笑)。
──私「何かが破れて 放たれた彼方へ」という歌詞から始まるブロックの歌詞の意味を理解するのが難しかったなと思ったのですが、majikoさんは、ここのフレーズをどういうふうに捉えていらっしゃいますか?
majiko:すごく抽象的なものだと思っていて。抽象的な言葉を言葉にすると、こういう言葉にも当てはまるんだろうなという、感情の渦巻きというか。
──どういうときに感じた感情なのか時間が経ってからでは思い出せないくらい、泡沫な感情という感じですよね。
majiko:そうですね。たしかに、そんな感情がありますね。
──歌詞に関して、作詞のHiro-a-keyさんから詳しく意味や意図などはお聞きしたんですか?
majiko:特になにも聞いていないです。
──majikoさんの感性で、どう受け取って、どう歌うか、というところなんですね。
majiko:はい!
──レコーディングに、Hiro-a-keyさんは立ち会われたんですか?
majiko:はい。Hiro-a-keyさんもMichael Kanekoさんも、いらっしゃって。
──そこではどういうやりとりをされたんでしょう?
majiko:今こうやって歌っているんですけど、こっちとこっちどっちが良いですか?みたいな感じの要望をしたり。この歌いまわしはこっちのほうが良いと思うんですけどどっちのほうが良いですか?とか。そういうニュアンス的なものを一緒に考えて作っていきましたね。
──また、Hiro-a-keyさんMichael Kanekoさんとのコラボがあることを期待したいです!
majiko:今度は合作もしてみたいですね。
──では続いて、この歌詞の中でmajikoさんが一番好きなフレーズをご紹介いただきたいと思います。
majiko:「嫉妬や痛みと いい距離でいたい」というのが、個人的には好きですね。MVのときも、良い感じに浸って撮りました。