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心に刻まれる名曲の数々!日本音楽界の重鎮・松任谷由実を徹底解剖

1972年のメジャーデビュー以降、やさしい歌声と共感しやすい歌詞で愛されてきた日本ポップス界のレジェンド・松任谷由実(ユーミン)。65歳となった現在でも第一線で活躍し、数々の金字塔を打ち立て続けています。 一度聴いたら忘れられない歌声で、日本の音楽界において唯一無二の存在となった松任谷由実。今回は、今なお進化を止めない音楽人、松任谷由実の魅力を余すことなく紹介いたします。

才能の一端を見せた荒井由実時代

1972年7月、それまで作曲家として活躍していたユーミンは、「荒井由実」の名で、シングル『返事はいらない』を発売し歌手デビューを果たします。

しかし、同曲の売れ行きはお世辞にも芳しいものとは言えず、続く2ndシングル「きっと言える(1973年11月発売)」も、数千枚の売り上げに...。

転機となったのは1973年暮れに発売した1stアルバム「ひこうき雲」。

当初の売り上げは芳しくなかったものの、ラジオ番組『パックインミュージック』において、パーソナリティであるTBSアナウンサー・林美雄が絶賛したことで、売り上げが急増。

林は荒井由実を「天才」と称えるなど、その存在は瞬く間に全国に知れ渡ることとなります。

夫と二人三脚!“世界のユーミン"へ

1976年に、当時アレンジャーとして活躍していた松任谷正隆と結婚。
これを機に「松任谷由実」名義での活動をスタート。

同時に、作詞・作曲などはこれまで通りユーミンが行う一方、編曲などの一部作業を、夫である松任谷正隆が担当することになります。

新体制になると、ヒット曲を連発。

さらに2000年代になると、自身も主題歌に起用されるジブリ作品が、海外で爆発的な人気を獲得。

同時に「松任谷由実」の名は、世界に知れ渡ることになるのです。


ココが違う!松任谷由実が愛され続けるワケとは

昨年末に行われたNHK紅白歌合戦にサプライズ登場したユーミン。
その際、aikoが号泣し、観客の大歓声を受けるなど番組で一番の盛り上がりを見せたのは、記憶に新しいですよね。

老若男女問わず惹き付ける、他にはないユーミンの魅力を徹底解剖します!

松任谷由実の魅力その1「天才的な作詞センス」

ユーミン自身は元々は作詞家の出身。
その時の経験を活かし、当時、数えるほどしか存在しなかった女性シンガーソングライターとして活躍。

メキメキ頭角を現し、「シンガーソングライター」という言葉を日本に広めた、いわば草分け的存在と言えるでしょう。

今でこそ、日本にも多くの女性シンガーソングライターが誕生し、活躍していますが、当時はお手本となるべき存在すらいない状況。

そんな中で自らもがき、苦しみ、その末に、音楽界に新たなスタイルを生み出していきました。

日常に溢れたなんともない言葉さえも、歌詞におしゃれに取り入れてしまう唯一無二の作詞センスは、彼女に続く後輩たちにも多大な影響を与えました。

松任谷由実の魅力その2「自分の魅せ方を知っている」

ことあるごとに「私は歌が上手くない」と自虐的に話すユーミン。
しかし、そんなはずあるわけないのです。

確かにもともと声が低いユーミンは、音域自体は広い方ではありません。

加えて声量自体も並みであり、圧倒的な歌唱力を持っているとは言い難いのも事実。

しかしながら、ユーミン以上に魅力的な歌手はいないかもしれません...。

音域が広くないがゆえに、ユーミンの歌唱スタイルと言うのは、基本的には一貫されたものであります。

言い換えれば短調でバリュエーションが少ないとも言えますが、聴く側が誰一人としてそう感じないのは、やはり彼女自身が自分を誰よりも良く知り、魅せ方を熟知しているからに他なりません。

65歳となった今でも、日本音楽界のトップに君臨し続けられるのは、ユーミン自身が生まれながらのエンターテイナーであり、歌うことを愛し続けられているからなのでしょう。

松任谷由実の魅力その3「温かく人間味あふれる人柄」

デビュー以来、数々の名曲を生み出し続けるユーミンですが、彼女の最大の魅力は何と言っても、その「温かい人柄」でしょう。

現在、自身の名を冠したラジオ番組「松任谷由実のYuming Chord」では、パーソナリティーを務めているユーミン。
前身番組を含めると、実に37年もの間、パーソナリティーを務めている事になるのです。

これは、どれだけトーク力に定評がある著名人でも、まず不可能な数字。

人間味あふれるトークで自身のファンのみならず、一般視聴者さえも魅了し続けるユーミンだからこそ、達成できている偉業と言えるでしょう。

ユーミンを語る上では欠かせない!切ない歌詞が印象的な名曲3選

荒井由実時代に発売された、自身のファーストアルバム『ひこうき雲』に収録されている楽曲。

また、2013年に公開されたジブリ映画「風立ちぬ」の主題歌に起用された事でも話題となりました。

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白い坂道が
空まで続いていた
ゆらゆら かげろうが
あの子を包む
誰も気づかず ただひとり
あの子は 昇っていく

何も おそれない
そして 舞い上がる
≪ひこうき雲 歌詞より抜粋≫
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曲は、強い「孤独」を感じさせる歌詞から始まります。

主人公は「何もおそれない」、なのに「ただひとり...昇っていく」。

この表現からは矛盾を感じ、すごく寂しく感じてしまう。

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空に 憧れて
空を かけてゆく
あの子の 命は
ひこうき雲
≪ひこうき雲 歌詞より抜粋≫
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短くシンプルながらも、この曲の核となる歌詞。

「空に 憧れて」という部分は、「風立ちぬの」主人公・堀越次郎にピッタリの表現でもあります。

実はこの曲は、ユーミンが高校時代に失った友人を偲んで作ったもの。

また、現れても一瞬で消えてしまうひこうき雲ですが、「白い坂道(=ひこうき雲)が空まで続いていた」という表現から、天国に繋がっていることを強調しているのです。



春よ、来い

1994年発売のシングル。

歌詞の奥深さから教科書にも掲載され、日本の春を代表する歌として親しまれています。

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淡き光立つ 俄雨
いとし面影の沈丁花
溢るる涙の蕾から
ひとつ ひとつ香り始める
≪春よ、来い 歌詞より抜粋≫
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序盤から難しい言葉が並び、ユーミンの楽曲の中でもとりわけ解釈に困る歌詞が特徴の「春よ、来い」。

重苦しく、そして切なさが存分に伝わってくる曲調ですが、歌詞にはどんな意味が隠されているのでしょう。

それが良く分かるのが、この部分。

通常3月の下旬頃に満開を迎える「沈丁花」という季語が登場。

蕾でありながらも、ひとつひとつから香り始めている事から、おそらく春目前となる3月初旬から中旬頃のことでしょう。

でも、なぜ春が遠く感じるのか...それは、ちょうどこの時期が卒業などと重なり、人生の大きな転換期であることにも関係しているのでしょう。

主人公にとって、(希望の)春はまだ遠いもの、なのかもしれません。


ルージュの伝言

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あのひとの
ママに会うために
今、ひとり
列車に乗ったの
たそがれせまる街並や
車の流れ
横目で追い越して
あのひとは
もう気づくころよ
バスルームに
ルージュの伝言
浮気な恋をはやく
あきらめないかぎり
家には帰らない
≪ルージュの伝言 歌詞より抜粋≫
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陽気なメロディーで、ノリノリな曲の印象が強い曲。

しかし、バスルームに浮気相手の口紅跡が残っていたりと、ちょっと危ない恋愛模様が描かれています(笑)。

さらに、「浮気を辞めない限り家には帰らない」という、強気な女性が登場したりと最後までドロドロの展開も、なぜかオシャレに感じるユーミンの名曲です。

名曲ずらり!平成最後の大イベント「タイムマシーン・ツアー」

昨年9月に行われた盛岡タカヤアリーナでの公演を皮切りにスタートした、ビッグイベント「タイムマシーン・ツアー」(松任谷由実 Time machine tour Traveling through 45years)。

今年5月の日本武道館まで続く同ツアーでは、これまでに発表した曲の中から選りすぐり披露しています。

さらに、これまでのツアーと大きく異なるのが、その演出方法に隠されています。

70年代や80年代の楽曲には、当時のヘアースタイルや衣装を再現。
随所に現代風のアレンジも加えられており、当時を感じつつも、比較的若いファンも楽しめる、手の込んだ工夫がなされています。

まさに「タイムマシーン」の名に相応しい、時代と時代を自由に行き来するような、大胆で粋なユーミンらしさ全開のツアーとなっています。

生涯現役宣言!新たな記録にも期待の松任谷由実

いかがでしたか?

今回は65歳となった今なお、あくなき探求心を抱き、挑戦を辞めないユーミンをご紹介していきました。

今年2月のライブでは「生涯現役」を宣言し、今後も“音楽人・松任谷由実"の活躍が見れるということで、ファンのみならずとも嬉しい報告となりましたよね。

また、昨年大晦日には7年ぶりの紅白出場を果たし、名曲「やさしさに包まれたなら」を披露。

日本中が感動に包まれましたが、今後も名曲を世に送り出し続け、いつの日か紅白最年長出場記録の更新にも期待したいところです。


TEXT レノ

歌詞の意味を解読!?厳選歌詞コラム

■【歌詞コラム】松任谷由実が別れの悲しさを表現する「Hello, my friend」

1954年生まれ。シンガーソングライター。 1972年、多摩美術大学在学中にシングル「返事はいらない」で荒井由実としてデビュー。 以降、“ユーミン”の愛称で親しまれ、J-POPシーンの女性トップランナーとして、それぞれの時代に、「ひこうき雲」「やさしさに包まれたなら」「あの日にかえりたい···

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