人生で一番最初に味わう仲間との別れ、それが”卒業式”
幼稚園、保育園では”卒園式”といいます。この頃は正直なんの感情も抱きませんね、子供ですから。(笑)卒園したら小学校へ入学…そして6年間勉強に励みやがて卒業式を迎えます。これが人生で初めての仲間との”別れ”。
皆さんの心にも、深くその時の情景は刻まれていることでしょう。その瞬間にもやはり欠かせないのが”音楽”です。
この曲を聴けばすぐさま”卒業”をイメージするような、そんな定番卒業ソングを集めてみました♪
テッパン「卒業ソング」!
『旅立ちの日に』
この楽曲は元々、埼玉県にある秩父市立影森中学校で先生たちが作った合唱曲でした。
ですから、この楽曲には歌手名がありません。したがって、本記事では芹洋子の歌詞を引用させていただきます。
----------------
白い光の中に 山なみは萌えて
遥かな空の果てまでも 君は飛び立つ
限り無く青い空に 心ふるわせ
自由を駆ける鳥よ ふり返ることもせず
勇気を翼にこめて 希望の風にのり
このひろい大空に 夢をたくして
≪旅立ちの日に 歌詞より抜粋≫
----------------
作詞は当時の校長だった小嶋登、作曲は音楽の先生だった坂本浩美ということです。
作られた時はただの合唱曲だったのでしょうけれど、今では卒業式で歌ったり流れたりする定番の楽曲となっています。
この曲の前奏が流れただけで、なんともいえない感情がこみ上げてくるという方は多いのではないでしょうか?
『卒業』/ 斉藤由貴
1985年にリリースされた、斉藤由貴の『卒業』もテッパンの卒業ソングですね。
現在でも色褪せずに歌い継がれています。
----------------
制服の胸のボタンを
下級生たちにねだられ
頭かきながら逃げるのね
≪卒業 歌詞より抜粋≫
----------------
この楽曲を聴くと卒業の頃を思い出すのはもちろんですが、現在40歳代の方は当時の清楚な斉藤由貴を思い浮かべるなんて方も少なくないでしょう。
ポニーテールで、くりっとした大きい瞳がとてもキュートな女の子でした。斉藤由貴=セーラー服といっても過言ではない位、この『卒業』という楽曲は人気がありました。
ん?斉藤由貴でセーラー服を連想してしまうのは、「スケバン刑事」というドラマをやっていたから?
まぁまぁ!そんな事は置いといて…とにかくセーラー服の斉藤由貴といえば、『卒業』です!(強引)
『さくら(独唱)』/ 森山直太朗
やさしくて力強いファルセット。独特な世界観を持つ森山直太朗の『さくら (独唱)』はもはや”卒業式の歌”としてもいいくらい、テッパン中のテッパンといえます。
彼のメジャーデビュー2枚目のシングルがこの楽曲。一枚目は正直あまり売れませんでしたが、この『さくら(独唱)』でオリコン1位を獲得。
これによって森山直太朗の名を一気に世間に知らしめることになります。
----------------
さくら さくら 今 咲き誇る
刹那に散りゆく運命と知って
さらば友よ 旅立ちの刻 変わらないその想いを 今
≪さくら (独唱) 歌詞より抜粋≫
----------------
この歌は”友”が主人公。いつも笑っていた友にどんなに元気をもらったか。どんな時も一緒だった大事な友とも今日でお別れ…。
見上げるとハラハラと散っていくさくら。このさくらも毎年、咲いては散ってを繰り返す。そんなさくらを見て、別れと出会いを繰り返す自分達に例えているのでしょう。
歌詞の全文を読んでいくと、とても小難しい表現が多いように感じます。
ですが解釈しづらいという訳ではなく、スッと受け入れられてしまうのはやさしいピアノの音色のせいでしょう。
肩を抱き、男泣きしている学生さんの姿が目に浮かぶそんな”卒業ソング”です。
『卒業』/ 尾崎豊
今は亡き若者のカリスマ。尾崎豊が歌う『卒業』も定番の卒業ソングではないでしょうか。
前出の森山直太朗の『さくら (独唱)』と比べると歌詞はとても対照的。
例えるなら、森山直太朗の『さくら (独唱)』が優等生、尾崎豊の『卒業』はヤンキーといった所でしょうか?(笑)
素行が良くたって悪くたって、”卒業の瞬間”は誰にでも訪れるということです。
----------------
行儀よく まじめなんて
出来やしなかった
夜の校舎 窓ガラス
壊してまわった
逆らい続け
あがき続けた
早く自由になりたかった
≪卒業 歌詞より抜粋≫
----------------
人それぞれですが、過去を振り返ってみる時って自分にとっての”楽しいこと”の方が多い気がしませんか?尾崎豊の場合、それが”破壊”だったということなのでしょう。
学生の時はずっと何かを壊してきた。けど、ある意味守られてもいた。
守られながら小さい世界で破壊し続け、今日がやっと解放の時。解放されたこの先には、どんな世界が待っているのかという疑問と不安。
尾崎青年、葛藤してましたね。(笑)
『空も飛べるはず』/ スピッツ
このジャケット…年代を感じます!
1994年にリリースですから、ちっちゃいCDなんですよね。(笑)
フジテレビ「白線流し」の主題歌になっていた楽曲です。
----------------
君と出会った奇跡が この胸にあふれてる
きっと今は自由に空も飛べるはず
夢を濡らした涙が 海原へ流れたら
ずっとそばで笑っていてほしい
≪空も飛べるはず 歌詞より抜粋≫
----------------
この楽曲は、決して”卒業”がテーマではありません。ですが、この楽曲が使われたのが「白線流し」というドラマで、卒業式のシーンがとても印象的だったことでそのイメージがついたということなのでしょう。
主演がTOKIOの長瀬智也ですから、そりゃ話題にもなりますって!
ドラマの題名になっている「白線流し」とは、実際にとある高校で現在まで続いている卒業式の恒例行事だそうです。
学帽の白い線とセーラー服の白いスカーフを結んで一本の長い線を作り、それを川に流す…とてもドラマチックな恒例行事です。
スピッツの奏でる曲調と、草野マサムネのやさしい声が、より卒業の感動を高めるのでしょうね。
卒業という大事な人生の1ページに心に残る歌
今回ご紹介するのはここまでですが、皆さんそれぞれに心に残っている”卒業ソング”があるでしょう。
年代によっても違いますし、卒業にはまったく関係がないけれどその時期自分が好きだったからとか、当時彼氏・彼女がよく聴いていたからなど理由は色々です。
何年も経ってから掘り起こして、”懐かしいな~!”なんて…。
不思議なもので、印象的な音楽ってその時の記憶も鮮明に思い出させてくれるんです。
卒業という人生の1ページ、節目の時の”テッパンソング”を大人になっても大事にしていきたいものです♪
TEXT:時雨