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映画「天気の子」公開記念!歌と映像で紡ぐ世界、新海誠作品大特集!

興行収入200億円を記録した大人気映画『君の名は』をご存知ですか? その監督である、新海誠の最新作『天気の子』が2019年7月19日に公開!それに先駆け、過去4作品がTV放映!映画を彩った名曲と新海誠監督が描く美しい世界をご紹介します!

幻想的で魅力的な新海ワールド

新海誠監督は、2002年に自主制作映画『ほしのこえ』でデビュー。

2016年に公開された映画『君の名は。』で一躍有名になりました。写実的で美しい風景と幻想的な光と陰影が合わさった作画、思春期の少年少女の心を丁寧に描いた脚本が魅力的だとされています。

今回、ご紹介するのは、テレビ朝日で2019年6月21日放送の『秒速5センチメートル』、6月22日放送の『星を追う子ども』、7月11日放送の『言の葉の庭』、6月30日放送の『君の名は』の4作品。

どの作品の楽曲も心にしみる楽曲ばかり。名曲を振り返りながら、最新作『天気の子』の最新情報をお伝えします。

刹那的な二人の恋物語「秒速5センチメートル」



最初に紹介するのは2003年に公開された『秒速5センチメートル』

この作品は、3つのショートストーリーで構成されており、主人公・貴樹と明里の遠距離恋愛、貴樹の転校先の同級生・花苗の片思い、大人になった貴樹の明里を忘れられない思いが描かれています。

タイトルの『秒速5センチメートル』とは、桜の花が舞い落ちる速度を指します。

みどころは、1話で描かれた貴樹が東京から明里に会いに電車で栃木へ行くシーン!大雪で電車は徐行運転。明里に会いたい気持ちが募りますが、時間だけが過ぎていくばかり。

貴樹と同じように焦ったり、時間が過ぎても明里は待っているはずと思えたり、心が揺さぶられます。

そして、キスシーン。

雪がゆっくり舞い落ち、まるで桜の花びらのよう。キスの瞬間がゆっくり進む感覚を美しく描いています。

美しく切ない初恋「One more time,One more chance」


第3話で流れる『One more time, One more chance』は、明里を忘れられない貴樹の気持ちを随所に感じ取ることができる名曲です。

歌うのは、山崎まさよし。

この楽曲は1997年にリリース。監督が物語のイメージに合う曲として、主題歌に選びました。

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いつでも捜しているよ
どっかに君の姿を
向いのホーム 路地裏の窓
こんなとこに
いるはずもないのに
願いが もしも叶うなら
今すぐ君のもとへ
できないことは
もう何もない
すべてかけて
抱きしめてみせるよ
≪One more time, One more chance 歌詞より抜粋≫
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(中略)

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いつでも捜してしまう
どっかに君の笑顔を
急行待ちの 踏切あたり
こんなとこに
いるはずもないのに
命が繰り返すならば
何度も君のもとへ
欲しいものなど
もう何もない
君のほかに大切なものなど
≪One more time, One more chance 歌詞より抜粋≫
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遠く離れても、大人になっても忘れられない彼女の存在。“捜す”という漢字を当てるのも、思い人だけを追い続けています。

「向いのホーム 路地裏の窓 こんなとこにいるはずもないのに」というフレーズからは、自分の何気ない日常に、彼女が現れて欲しい願いや叶わない現実へのやるせなさが伝わってきますね。

「願いがもしも叶うなら 今すぐ君のもとへ」「すべてかけて抱きしめてみせるよ」からは貴樹が駅で明里と別れた後、電車の中で明里を守る力が欲しいと願った場面と一致します。

そして、「急行待ちの踏切あたり」も、大人になった貴樹が踏切で明里とすれ違い、電車の通過後、彼女がいなくなった場面が浮かび上がります。

ただ一人愛した人への思いがにじみ出る名曲です。

“さよなら”の意味を知る冒険ファンタジー「星を追う子ども」



次に紹介するのは、2011年に公開された『星を追う子ども』。主人公は幼少期に父親を亡くした少女、明日菜。

怪物に襲われた明日菜を救った少年シュンは、その翌日に亡くなってしまいます。あの世とつながる地底世界の冒険を経て、永遠の別れの意味を知り、強く生きようと決意する物語です。

見所は、ジブリ映画を見ているような幻想的な神秘の地下世界“アガルタの風景”と、そこで紡がれる“生死”の物語。

雲や岩肌など緻密な書き込みで表現した美しい景観は必見!怪物との戦いの中で、失うこと、生きる意味を教えてくれる作品です。
 

儚い出会いと別れを描く「Hello Goodbye & Hello」


『星を追う子ども』の主題歌は、シンガーソングライター・熊木杏里が担当。エンディングに相応しい、大切な人を失う切なさ、前を向く勇気を感じさせる一曲です。

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本当のさよならを知らなかった あの時
壊れゆく心は ずっと 君を探してた
もしも 届くのならば 伝えたかったことがたくさんある
全ての気持ちで君の笑顔を絶やさず そばにいたいと誓うよ
Hello Goodbye & Hello
君に会って 今君にさよなら
Hello Goodbye & Hello
そして 君のいないこの世界に Hello
≪Hello Goodbye & Hello 歌詞より抜粋≫
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大切な人を失う切なさや生きる勇気が、静かにしっかりと伝わってくる歌詞。旅を通して、明日菜は自分の命が危険にさらされる中で死を知り、優しい人達を思い出し、生きる意味を知ります。

「君に会って 今君にさよなら」は、シュンと瓜二つの弟シンを認識し、シュンの死を受け入れた場面とイメージが重なります。大事な存在の死を乗り越えて今を生きる、そんな強さを感じられる一曲です。

雨の美しさに心奪われる傑作「言の葉の庭」



2013年に公開された『言の葉の庭』は、雨の美しさと出逢いを描いた傑作。

物語の中心人物は、靴職人を目指す高校生・孝雄と、職場に行けなくなってしまった大人の女性、雪野。悩みを抱えた2人が、雨の日の午前中に新宿御苑の東屋で出会い、一歩踏み出す練習をする物語。

見どころは、ふたりの関係の変化と美しく変化する雨の情景です。雪野が孝雄の学校の古典教師だと知った日は、土砂降り。

孝雄が激昂すると雨足も強くなり、雪野が泣きながら孝雄への本当の気持ちを述べるシーンでは晴れ間が差し込み、物語を盛り上げます。関係性の変化を雨の振り方で表現する演出は、一見の価値ありです!

物語を彩る名曲「Rain」





『言の葉の庭』の主題歌は『Rain』。

シンガーソングライターで現在はジャズピアニストの大江千里が1993年に出した楽曲で、映画『STAND BY ME ドラえもん』の主題歌『ひまわりの約束』で有名な秦基博がカバーしています。

孝雄と雪野が胸の内を明かすクライマックスの絶妙なタイミングでイントロが入り、まるでミュージックビデオを見ているよう。

歌詞も物語と重なるところがあり、見る人の心を揺さぶります!  

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言葉にできず凍えたままで
人前ではやさしく生きていた
しわよせで こんなふうに雑に
雨の夜にきみを抱きしめてた
道路わきのビラと壊れた常夜燈
街角ではそう だれもが急いでた
きみじゃない 悪いのは自分の激しさを
かくせないぼくのほうさ
≪Rain 歌詞より抜粋≫
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素直な言葉が出せず縮こまり、人前では頑張っても当たり障りのない接し方しかできない。

そして、心を許す大事な人に当たったり、甘えたくなる。そんな悩みを抱える歌の主人公と、孝雄と雪野はどこか似ていますね。

そして、いらないもの、壊れたものはそのままになるほど、慌ただしく荒んだ日常を過ごし、大事な人を傷つけてしまった。聞いていると、ストレスで味覚が麻痺していた雪野が孝雄に心にないことを言わせてしまったと悔やみ、泣き出す彼女が想像できます。

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どしゃぶりでもかまわないと
ずぶぬれでもかまわないと
しぶきあげるきみが消えてく
路地裏では朝が早いから
今のうちにきみをつかまえ
行かないで 行かないで
そう言うよ
≪Rain 歌詞より抜粋≫
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相手には離れて欲しくない思いが、「行かないで 行かないで」と繰り返すことで強く感じ取れます。

物語の鍵になる万葉集の短歌の和訳、“雷が鳴って、雨が降ってくれたら、帰ろうとしているあなたをきっと引き止められるのに”ともシチュエーションが同じなんです。

この曲をエンディングテーマに用いた監督のセンスには脱帽です。

「君の名は。」のここがすごい!!



新海誠作品の代表作となった『君の名は。』。世界各地でも上映され、日本アニメ史上最大級のヒットを記録しました。

今作はなぜ多くの人の心をつかむことができたのでしょうか?

集大成ともいえる秀逸な脚本!



物語は、東京に住む立花瀧と、岐阜県糸守町に住む宮水三葉の2人の心が入れ替わってしまう現象を中心に描かれます。入れ替わった後の記憶がないふたりは、スマホに伝言を書き残すうちに、お互いが気になっていきます。

しかし、1200年に一度の彗星の大接近の日を境に入れ替わりが途絶。瀧は三葉を探すため、入れ替わった際にみた景色から手がかりを探して奮闘します。

今作の魅力は、思春期の男女の距離感を、時間、空間、生死、思いの距離から描き、その距離を縮めたことにあるといっていいでしょう。

もう会えない三葉を、彼女のいた町を彗星落下から救いたい。そんな瀧の奮闘が物語を大きく動かしました。

これまで新海監督は、男女の距離感を時間、空間、生死などを通して描き続けてきました。

結末は、切ないすれ違いと別れが特徴でしたが、『君の名は。』では、結末をハッピーエンドにしたことで、新たなファンの獲得に繋がったのではないでしょうか。

更に、計算された伏線!

古文の授業に出た“黄昏時”や糸守町に伝わる習わしや伝承が、瀧と三葉が直接会うことができたきっかけになったのも面白いところです。まさに新海監督作品の集大成ともいえる名作です。

社会現象を起こした大ヒット楽曲は…?


「君の名は。」の楽曲を歌ったのは、男性4人組のロックバンドRADWIMPS。楽曲4曲とサウンドトラックを収録したアルバムはオリコン1位に。

2016年の紅白歌合戦に初出場と、輝かしい記録を打ち立てていきました。 

まずは、一番人気のある『前前前世』からご紹介します!



初めての恋なのに、初めて会った気がしない感覚。運命に導かれた恋を感じさせる歌詞ですね。

目ではなく、“眼”を使っているのは、入れ替わりの夢から覚め、我を取り戻す感覚を意味しているのでしょう。

体が先に動くではなく、「心が身体を追い越してきた」という表現も、心が体を離れて入れ替わる『君の名は。』らしい表現ですね。

瀧が、三葉に会いたい気持ちを糧にして、頑張って時空と生死の壁を越えた様子がイメージできます。

「君の髪や瞳だけで胸が痛いよ」「同じ時を吸いこんで離したくないよ」からは、お互い惹かれ合い、会いたい気持ちがストレートに伝わってきますね。

そして、ようやく顔を合わせた時、何と声をかけていいのか戸惑ってしまう初々しさ。

まさしく瀧と三葉の恋に相応しい歌詞です。



「前前前世」と「全然全部」の語呂の響きや、生まれる更に大昔から、運命的に惹かれていたと感じさせるロマンティックなサビが印象的ですね!

そして、「全然全部なくなって チリヂリになったって」からは、愛する人が亡くなり灰になる様子を想像させます。

前世、今世を超え、来世でも君に会うために時空の壁を超えて会おう。お互いに運命の力を信じて乗り越える、そんな未来も感じ取れますね。

大人になった瀧と三葉の物語も気になってくる、まさに『君の名は。』の物語を象徴する主題歌のような名曲です。

クライマックスを盛り上げた泣き曲!

 

『君の名は。』の楽曲で、映画をドラマティックに盛り上げた名曲、『スパークル』。

瀧が三葉と黄昏時に出会ったシーンや、三葉と入れ替わった瀧が仲間と協力して、彗星落下から糸守の住民を救おうと奔走する場面で用いられ、物語を大いに盛り上げました。

“スパークル”には、きらめきや輝きという意味があります。この楽曲のテーマは、“恋によって輝き出す世界”。

出会いが、自分を、自分を取り巻く世界を変えた。そんな喜びを歌った楽曲です。

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ついに時はきた昨日までは序章の序章で
飛ばし読みでいいからこっからが僕だよ
経験と知識とカビの生えかかった勇気を持って
未だかつてないスピードで君の元へダイブを
まどろみの中で生ぬるいコーラに
ここでないどっかを夢見たよ
教室の窓の外に
電車に揺られ 運ばれる朝に
≪スパークル(movie ver.) 歌詞より抜粋≫
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運命の出会いを通じて、日常や自分が変わる様子を丁寧に描いていますね!

君を知って本当の僕が生まれた。

その前の自分は、どうでもいい。

そう考えるくらい、大好きだと伝わってきますね。

そして、自分の頭の中を整理し、勇気を投じて告白しようと決意する様子を感じ取れます。

「まどろみ」、「生ぬるいコーラ」からは、気が抜けて退屈な日常を送っていたことがうかがえます。その退屈から抜け出せたのは、君なんだと言っているようですね。

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運命だとか未来とかって言葉がどれだけ手を
伸ばそうと届かない 場所で僕ら恋をする
時計の針も2人を 横目に見ながら進む
そんな世界を2人で 一生いや何章でも
生き抜いていこう
≪スパークル(movie ver.) 歌詞より抜粋≫
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「運命だとか未来とかって 言葉がどれだけ手を 伸ばそうと届かない場所」。

それは、彗星落下で三葉が未来を絶たれた世界ではなく、彼女を救った世界ではないでしょうか。お互いの時計の針が同じ時間を刻む世界。

そんな世界でこれから2人で、いくつ章がある物語のように長く生きていこうという歌詞は、まるでプロポーズのようにロマンティック。

細やかな表現や歌詞に織り込まれる単語がおしゃれで、とても美しい楽曲。その美しさの中に、滝や三葉のお互いを思う強い気持ちが感じられる、そんな一曲です。

「君の名は。」スタッフ集結!最新作「天気の子」!!



いかがでしたか?どの曲も文学的でロマンティック、キャラクター達の心理と重なる歌詞が印象的でしたね。

そして、いよいよ2019年7月19日には最新作『天気の子』が公開されます。

キャラクターデザインは、『あの日見た花の名を僕はまだ知らない』の田中将賀が『君の名は。』に引き続き起用。音楽もRADWIMPSが担当します。

予告からは雨や空の情景の美しさ、東京にやってきた家出少年・帆高と不思議な力を持つ少女・陽菜がどのように惹かれていくのか気になりますね。新時代に、新海監督が日本、全世界へどんなメッセージを送るのか、大注目です。

また、公開日の0時にTOHO シネマズ新宿・梅田で世界最速上映会を開催!6月19日から6月23日までの抽選販売。

試写会は開催されませんので、最新作をいち早く見たい方は奮って応募して下さい。

また、原作小説が公開前日18日に発売決定!こちらも手にとって、物語の先取りや観賞後に世界観を追体験してみて下さいね。

最新作『天気の子』もこれまでの作品同様、美しい景色や感動的な物語で、私たちを楽しませてくれることでしょう。

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TEXT Asakura Mika

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