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緑黄色社会「Mela!」の歌詞の意味は?YoutubeのMVと合わせて考察!

『Mela!』は2020年4月22日に発売されたアルバム『SINGALONG』に収録された楽曲です。緑黄色社会という愛知県出身の男女混合バンドにより生み出されました。テレビ番組『スッキリ』のダンスプロジェクトがブレイクのきっかけのようです。

MVが意図する狼の存在は?空き缶や写真撮影は一体どんな意味があるのか

▲緑黄色社会-Mela!【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

タイトルにある通り、YoutubeのMVと合わせながら考察していきます。

まずMVを見ていると、「赤ずきん」「狼と七匹の子ヤギ」「三匹の子ブタ」「マッチ売りの少女」など複数の童話が盛り込まれていました。

999と大きく描かれている建物があることから、場所のモチーフは渋谷でしょうか?

童話とのマッチのしない感じが面白いですね。

先ほど羅列した4つの童話に話を戻すと、前者3つと後者1つで、狼が悪者として出るか出ないかという観点で分けられます。

「赤ずきん」「狼と七匹の子ヤギ」「三匹の子ブタ」は狼が悪者という立場で出て、最後には倒される・ギャフンと言わされるような終わり方が多いです。

しかし、「マッチ売りの少女」に関しては、悪者どころか狼は作品に出てすらいません。

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今なんじゃない?
メラメラとたぎれ
眠っているだけの正義
こんな僕も君のヒーローになりたいのさ
≪Mela! 歌詞より抜粋≫
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こんな僕も君のヒーローになりたいのさ」という歌詞の部分がMVの狼が着ている服のバックデザインと合っていますね。

歌詞考察に戻ると、服ではありますが背中に刻んでいる言葉というものはとても深い意味を持っていると思います。

普通ならファッション一つとして気にも留めない訳ですが、今回は歌詞にもMVにも反映されているのですから、その人の信念だったり信条だったりするような大切なものだと思いました。

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かっこいい君には
僕じゃ頼りないのかなんて
≪Mela! 歌詞より抜粋≫
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その次にはMVで狼が悲しみややるせなさといった負の感情に支配されながら、俯きながら歩いている様子が映し出されます。

そのネガティブな感情と「かっこいい君には 僕じゃ頼りないのかなんて」という歌詞から、何か嫌なこと・自分を見つめ直すようなことがあったのだろうと感じます。

少し前に出てきた「こんな僕も君のヒーローになりたいのさ」という歌詞からも、”君”とは一体誰なのだろうか非常に気になる存在になってきました。

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そりゃそうだよな
だって今もこうして迷ってる
≪Mela! 歌詞より抜粋≫
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悲しく歩いていると、悪そうなブタに空き缶を投げつけられたり、ずきんを被った女性から勝手に写真を撮られたり等、不幸が次々と襲ってきます。

「そりゃそうだよな だって今もこうして迷ってる」とあるように、狼は今この瞬間、迷いが強い状態である心情が伝わってきました。

直接攻撃された経験を投げられた空き缶での表現、知らない所で勝手に自分の悪評が伝わってしまう恐怖をスマホでの写真撮影として表現したように思います。

このシーンで「一度貼られたレッテルやラベルは簡単に外すことは出来ない」というメッセージを受け取りました。

冒頭に書いたように、狼は数多くの童話で悪者として認識されています。

皆さんも狼が善者でいる童話よりも、悪者でいる童話のほうが浮かびやすいのではないでしょうか?

童話「赤ずきん」とは全く別の世界?悔しさから拳を握った狼


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手を取ってくれないか
ギブとテイクさ
≪Mela! 歌詞より抜粋≫
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「手を取ってくれないか ギブとテイクさ」とあり、先ほど同様に未だ迷っている狼の姿が浮かびます。

ギブとテイクの関係と聞けばドライや冷たい印象を受けてしまう言葉ではありますが、その実お互いに合理的で簡単には途切れないような関係でもあります。

あの悲しい物憂げな姿からは想像できないですが、きちんと互いに利益をもたらす施策や計画があるようにも思います。

それが次の歌詞にも「君が僕のヒーローだったように」とあるように、自分自身が誰かのヒーローになることなのではないでしょうか。

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今なんじゃない?
メラメラとたぎる
こんな僕にも潜む正義が
どうしようもない衝動に駆られて
ほら気付けば手を握っている
≪Mela! 歌詞より抜粋≫
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サビでは自身の中に潜む正義を無意識的にも開放したがっているように捉えられます。

MVでは踊っている赤ずきんを鏡越しに見ているシーンになっていて、派手で甘美な世界とは隔絶されているような印象を受けました。

正義という言葉からヒーローという単語を想起させられますが、正義が出てきたMVのシーンでは赤ずきんが映っており、童話「赤ずきん」で言えば狼に悪者というレッテルを貼った人物という点で、狼のヒーローとしては当てはまらないように感じます。

そして、「どうしようもない衝動に駆られて ほら気付けば手を握っている」という歌詞だけでは他の人の手を衝動的に握ってしまったのか、それとも悔しくて自分の拳を握りしめたのか、個人的には現時点では後者の悔しさを全開に表す描写として受け取りました。

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いったいぜんたい
そんなに荷物を背負い込んでどこへ行くの
ねえねえ待って僕にちょっと預けてみては?
≪Mela! 歌詞より抜粋≫
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大きな荷物を持つ誰かにそれを僕に預けてほしいと言っている歌詞が続きます。

その誰かとは、狼がヒーローになりたがっている”君”のことを指している可能性があるようですね。

きっと君は、まだ狼のことを完全に頼れる相手ではないのではないでしょうか。

だからこそ、こんなにも下手(したて)に出ながらお願いするスタンスで「ちょっと預けてみて」と言っているように感じます。

いつの日か狼が心の底から信じてもらって、君のヒーローになれる日が来たら良いですね。

狼の苦しみのギャップとは?少女を助けた過去


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信じてばかりの僕と
信じることが怖い君と
どちらが正しいのかなんて
誰にも分からないさ
≪Mela! 歌詞より抜粋≫
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「信じてるばかりの僕と 信じることが怖い君と」とありますが、ここでも先ほど挙げた「完全に頼れる相手ではない」という考えが当てはまりそうですね。

あくまで狼は完全に君のことを信じていますが、君はそうではないというギャップに苦しんでいるようです。

MVでも真っ暗な世界で狼が苦しんでいて、訳も分からないくらいにぐちゃぐちゃになっている様子が映し出されます。

留まることなく映像が縦横無尽に動いているのも、考えがまとまらずにずっと思考を巡らせているような描写になっていました。

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僕らだけの世界
ギブとテイクさ
補い合えた暁には同じ夢を見たい
君はかっこいいと苦しめて
ひとりぼっちにさせたのは
少し僕のせいなんだよなごめんね
≪Mela! 歌詞より抜粋≫
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MVは次のシーンで3匹のブタに絡まれているマッチ売りの少女がおり、その少女を狼は助けていました。

金貨を出しているところを見れば、きっとマッチを購入したのでしょう。

渋谷の街の出来事としては、やはりマッチしない部分が多いですが、そのおかげで2人の存在がより際立つように思います。

この金貨のシーンの歌詞にある「君はかっこいいと苦しめて ひとりぼっちにさせたのは 少し僕のせいなんだよなごめんね」から、もしかしたら君のヒーローになれていたのは過去のことなのではないでしょうか。

絡まれている少女を助け出すなんて、悲しげに歩いている姿からは想像も出来ないことでした。

きっとあの狼ならば、見て見ぬふりをしたり逃げ出したりしてしまうように思います。

かっこいいと苦しめていたというのは、君は過去に助けてくれた狼の幻想をずっと夢見ていたようにも捉えられます。

そのせいで現実とのギャップに苦しめていたと思っている可能性もあるようです。

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信じてばかりの僕と
信じることが怖い君と
どちらが正しいのかなんて
誰にも分からないさ
≪Mela! 歌詞より抜粋≫
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そのため、少し前の「信じてるばかりの僕と 信じることが怖い君と」という歌詞も、一度信じてから信じることが怖くなってしまったという部分にも合うように感じます。

また、MVの2:31で狼だけがマッチで擦った火を見つめているシーンも、過去の出来事を思い返していたと考えれば辻褄も合うのではないでしょうか。

狼の覚悟と気合!可視化された正義


ここまでの考察では、自責の念に囚われた狼がかなしげに夜の街を歩きマッチを擦って、かつて助けたマッチ売りの少女との過去の思い出を反芻していました。

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だけど見るべきはリアルだ
今こそ僕が救けるんだ
抱えないで信じて頼ってほしいんだ
≪Mela! 歌詞より抜粋≫
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その反芻によって、覚悟や気合いを入れ直したのでしょう。

かつての君のヒーローになりたい狼は「見るべきはリアルだ」と今の自分を見てもらいたいと思い直したように考えます。

かつて自分が君を助けたように今の自分も君を助けられる、いや今の自分でしか助けられないからという想いが沸き上がったように思えました。

今度は下手(したて)のお願いではなく、スタンスの違う自信がある上でのお願いに変化したように感じます。

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今なんじゃない?
メラメラとたぎる
こんな僕にも潜む正義が
どうしようもない衝動に駆られて
ほら気付けば手を握っている
≪Mela! 歌詞より抜粋≫
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ラストのサビですが、「メラメラとたぎる こんな僕にも潜む正義」がMVでのマッチの火として可視化されており、とても分かりやすくなっていますね。

そして「ほら気付けば手を握っている」は、先ほどの考察では悔しさを全開に表す描写として捉えました。

しかし今回は、MVでも分かるように、その握った手の中には「メラメラとたぎった正義」が込められています。

走り出した狼はある目的のために、一心不乱に突き進んでいました。

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ほっておけない
そんなに荷物を背負い込んでどこへ行くの
ほんのちょっと僕にちょっと預けてみては?
こんな僕も君のヒーローになりたいのさ
≪Mela! 歌詞より抜粋≫
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過去の狼への幻想という苦しみを、君はずっと抱えていたかもしれません。

その苦しみを荷物として見立てて、荷物をちょっとでも預けてほしいという想いがあるようです。

きっとあの君のもとへこの想いを伝えに行くのでしょう。

人との関わりで大切にすべきことを教わった

曲の歌詞だけだとラストも「ちょっと預けてみては?」で終わっていて君からのアンサーはありませんが、狼の覚悟や気合いを考えると、上手くいってほしいと思いますね。

狼という分かりやすいモチーフを取り上げて曲のMVの主人公にされているのは、自分自身の持つレッテルやラベルだけでなく、「誰かにとっての悪者だとしても別の誰かにとっては善者かもしれない」という考えを再確認できた良い機会になりました。

正義の反対は別の正義という言葉があるように、たった一面だけで判断せず多面的に相手を捉えることが、どんな時も人と関わる時は大切なことですね。

長屋晴子(Vo./Gt.) 小林壱誓(Gt.) peppe(Key.) 穴見真吾(Ba.) 愛知県出身4人組バンド。愛称は”リョクシャカ”。 高校の同級生(長屋晴子・小林壱誓・peppe)と、小林の幼馴染・穴見真吾によって2012年結成。 2013年、10代限定ロックフェス『閃光ライオット』準優勝を皮切りに活動を本格化···

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