糸いとは垂たれていた 救すくいの糸いとが
見みえていなかっただけでそれは
目めの前まえにあり ゆらゆらと揺ゆれ
時ときに雁字搦がんじがらめになる
私わたしは思おもう 救すくいとは何なにを以もって救すくわれるのか
私わたしは思おもう
何故なにゆえにここまで苦くるしむのでしょう
壹ひ 殻からに閉とじ籠こもる
貳ふ 声こえに耳みみを塞ふさぐ
參み そっと目めを閉とじる
「あぁ、そう…これで良いい」
ほら 無駄むだにもがいている
でも それで良いいのでしょう?
また 誰だれかが嗤わらっている
「あぁ、そう…これが良いい」
「これが私わたしであるからこそ
それ以外いがい私わたしに非あらず」
そんな風ふうに一体いったいどれだけの私わたしを
殺ころして来きたのでしょう
一人ひとりでも私わたしを救すくえば
それは私わたしへの裏切うらぎり
死しする痛いたみ
それと向むき合あう事ことが
「生いきる」と言いう事ことなのでしょう
肆し 伸のびた手てを跳はね除のける
伍ご 感情かんじょうを握にぎり潰つぶす
陸ろく …
漆ななつ ……
捌やっつ ………
玖ここのつ …………
「ねぇ…本当ほんとうにこれで良いい?」
今いま それが全すべてではない
もう 気きが付ついているのでしょう?
ただ それを口くちにすれば
「私わたしが私わたしでなくなる」
「これが私わたしであるからこそ
それ以外いがい私わたしに非あらず」
そんな風ふうに一体いったいどれだけの私わたしを
殺ころして来きたのでしょう
一人ひとりでも私わたしを救すくえば
それは私わたしへの裏切うらぎり
死しする痛いたみ
それと向むき合あう事ことが
「生いきる」と言いう事ことなのでしょう
自己犠牲じこぎせいに苦くるしんで
痛いたみに悶もだえ喘あえぐ
卑いやしい…卑いやしい…
卑いやしい…卑いやしい…私わたし
誰だれより「人間にんげん」らしいでしょう
だけどそんな私わたしを
誰だれより強つよく愛あいしているのは私わたし
あなたの為ために? 誰だれかの為ために?
違ちがう そうじゃない…
全すべては「私わたし」の為ためです
糸itoはha垂taれていたreteita 救sukuいのino糸itoがga
見miえていなかっただけでそれはeteinakattadakedesoreha
目meのno前maeにありniari ゆらゆらとyurayurato揺yuれre
時tokiにni雁字搦ganjigaraめになるmeninaru
私watashiはha思omoうu 救sukuいとはitoha何naniをwo以moxtuてte救sukuわれるのかwarerunoka
私watashiはha思omoうu
何故naniyueにここまでnikokomade苦kuruしむのでしょうshimunodesyou
壹hi 殻karaにni閉toじji籠komoるru
貳fu 声koeにni耳mimiをwo塞fusaぐgu
參mi そっとsotto目meをwo閉toじるjiru
「あぁaa、そうsou…これでkorede良iいi」
ほらhora 無駄mudaにもがいているnimogaiteiru
でもdemo それでsorede良iいのでしょうinodesyou?
またmata 誰dareかがkaga嗤waraっているtteiru
「あぁaa、そうsou…これがkorega良iいi」
「これがkorega私watashiであるからこそdearukarakoso
それsore以外igai私watashiにni非araずzu」
そんなsonna風fuuにni一体ittaiどれだけのdoredakeno私watashiをwo
殺koroしてshite来kiたのでしょうtanodesyou
一人hitoriでもdemo私watashiをwo救sukuえばeba
それはsoreha私watashiへのheno裏切uragiりri
死shiするsuru痛itaみmi
それとsoreto向muきki合aうu事kotoがga
「生iきるkiru」とto言iうu事kotoなのでしょうnanodesyou
肆shi 伸noびたbita手teをwo跳haねne除noけるkeru
伍go 感情kanjouをwo握nigiりri潰tsubuすsu
陸roku …
漆nanatsu ……
捌yattsu ………
玖kokonotsu …………
「ねぇnee…本当hontouにこれでnikorede良iいi?」
今ima それがsorega全subeてではないtedehanai
もうmou 気kiがga付tsuいているのでしょうiteirunodesyou?
ただtada それをsorewo口kuchiにすればnisureba
「私watashiがga私watashiでなくなるdenakunaru」
「これがkorega私watashiであるからこそdearukarakoso
それsore以外igai私watashiにni非araずzu」
そんなsonna風fuuにni一体ittaiどれだけのdoredakeno私watashiをwo
殺koroしてshite来kiたのでしょうtanodesyou
一人hitoriでもdemo私watashiをwo救sukuえばeba
それはsoreha私watashiへのheno裏切uragiりri
死shiするsuru痛itaみmi
それとsoreto向muきki合aうu事kotoがga
「生iきるkiru」とto言iうu事kotoなのでしょうnanodesyou
自己犠牲jikogiseiにni苦kuruしんでshinde
痛itaみにmini悶modaえe喘aeぐgu
卑iyaしいshii…卑iyaしいshii…
卑iyaしいshii…卑iyaしいshii…私watashi
誰dareよりyori「人間ningen」らしいでしょうrashiidesyou
だけどそんなdakedosonna私watashiをwo
誰dareよりyori強tsuyoくku愛aiしているのはshiteirunoha私watashi
あなたのanatano為tameにni? 誰dareかのkano為tameにni?
違chigaうu そうじゃないsoujanai…
全subeてはteha「私watashi」のno為tameですdesu