月つきも朧おぼろに 白魚しらうお舟ぶねの
篝かがりも霞かすむ 春はるの空そら
絵えから抜ぬけ出でて大川端おおかわばたや
とんだ仕掛しかけのお嬢じょうさん
一皮ひとかわむけば 白浪しらなみの
お嬢じょう吉三きちざたァおれのこと
赤あかい蹴出けだしをさばいた足あしで
娘むすめをポンと 川中かわなかへ
思おもいがけなく手てに入いる百ひゃく両りょう
虫むしも殺ころさぬ 顔かおしてサ
今夜こんやはほんに 節分せつぶんか
落おちた娘むすめは 厄落やくおとし
こいつァ春はるから縁起えんぎがいいや
行いこうとすればもし姐ねえさん
ちょっと待まってと武士りゃんこが止とめる
乙おつにからんで貸かせという
セリフをきけば 同業どうぎょうの
お坊ぼう吉三きちざと きやがった
鬼おには外そとだぜ濡ぬれ手てで粟あわの
百ひゃく両りょう頼たのむ 貸かせなどと
しゃらくせェからつい立廻たちまわり
派手はでなところへ とめ男おとこ
小意気こいきなさばき手てを引ひけば
和尚おしょう吉三きちざたァおれのこと
月tsukiもmo朧oboroにni 白魚shirauo舟buneのno
篝kagariもmo霞kasuむmu 春haruのno空sora
絵eからkara抜nuけke出deてte大川端ookawabataやya
とんだtonda仕掛shikaけのおkenoo嬢jouさんsan
一皮hitokawaむけばmukeba 白浪shiranamiのno
おo嬢jou吉三kichizaたtaァaおれのことorenokoto
赤akaいi蹴出kedaしをさばいたshiwosabaita足ashiでde
娘musumeをwoポンponとto 川中kawanakaへhe
思omoいがけなくigakenaku手teにni入iるru百hyaku両ryou
虫mushiもmo殺koroさぬsanu 顔kaoしてshiteサsa
今夜konyaはほんにhahonni 節分setsubunかka
落oちたchita娘musumeはha 厄落yakuoとしtoshi
こいつkoitsuァa春haruからkara縁起engiがいいやgaiiya
行iこうとすればもしkoutosurebamoshi姐neeさんsan
ちょっとchotto待maってとtteto武士ryankoがga止toめるmeru
乙otsuにからんでnikarande貸kaせというsetoiu
セリフserifuをきけばwokikeba 同業dougyouのno
おo坊bou吉三kichizaとto きやがったkiyagatta
鬼oniはha外sotoだぜdaze濡nuれre手teでde粟awaのno
百hyaku両ryou頼tanoむmu 貸kaせなどとsenadoto
しゃらくせsyarakuseェeからついkaratsui立廻tachimawaりri
派手hadeなところへnatokorohe とめtome男otoko
小意気koikiなさばきnasabaki手teをwo引hiけばkeba
和尚osyou吉三kichizaたtaァaおれのことorenokoto