かすてぃら 歌詞 さだまさし ふりがな付

昭和しょうわの頃ころふるさとを離はなれ
随分ずいぶん未来みらいまで来きたもんだ
手てに入いれたものと失うしなったものと
一体いったいどちらが多おおいんだろう

いつの間まにか得体えたいの知しれない
生いき物ものに変身へんしんしちまったようで
捨すててはいけないものと
捨すてなきゃいけないものの
境目さかいめがぼやけちまった

母ははがふと送おくってくれた
五三ごさん焼やきのかすてぃら
青空あおぞらにかざしてみたら
涙なみだこぼれて味あじがわからなかった

子供こどもの頃ころ天てんまで届とどいた
東京とうきょうタワーが小ちいさく見みえた
僕ぼくは大おおきくなったのか
それとも小ちいさくなったのか
ライトアップが目めに染しみる

押上おしあげまでこっそり出掛でかけて
スカイツリーを見上みあげた時ときに
嬉うれしい気持きもちと切せつない気持きもちが混まざり合あって
「東京とうきょう」って小ちいさく呟つぶやいた

父ちちが大好だいすきだった
かすてぃら一切ひときれ
ふるさとに透すかしてみたら
涙なみだこぼれて少すこし塩しおっぽかったな

母ははがふと送おくってくれた
五三ごさん焼やきのかすてぃら
いつの間まにか遠とおい未来みらいに
僕ぼくは辿たどり着ついてしまったようだ