貴方あなたはもう忘わすれたかしら
赤あかい手拭てぬぐいマフラーにして
二人ふたりで行いった横町よこちょうの風呂屋ふろや
一緒いっしょに出でようねって言いったのに
いつも私わたしが待またされた
洗あらい髪がみが芯しんまで冷ひえて
小ちいさな石鹸せっけんカタカタ鳴なった
貴方あなたは私わたしの身体からだを抱だいて
冷つめたいねって言いったのよ
若わかかったあの頃ころ 何なにも怖こわくなかった
ただ貴方あなたのやさしさが 怖こわかった
貴方あなたはもう捨すてたのかしら
二十四にじゅうよん色しょくのクレパス買かって
貴方あなたが描えがいた私わたしの似顔絵にがおえ
巧うまくかいてねって言いったのに
いつもちっとも似にてないの
窓まどの下したには神田川かんだがわ
三畳さんじょう一間ひとまの小ちいさな下宿げしゅく
貴方あなたは私わたしの指先ゆびさき見みつめ
悲かなしいかいってきいたのよ
若わかかったあの頃ころ 何なにも怖こわくなかった
ただ貴方あなたのやさしさが 怖こわかった
貴方anataはもうhamou忘wasuれたかしらretakashira
赤akaいi手拭tenuguiマフラmafuraーにしてnishite
二人futariでde行iったtta横町yokochouのno風呂屋furoya
一緒issyoにni出deようねってyounette言iったのにttanoni
いつもitsumo私watashiがga待maたされたtasareta
洗araいi髪gamiがga芯shinまでmade冷hiえてete
小chiiさなsana石鹸sekkenカタカタkatakata鳴naったtta
貴方anataはha私watashiのno身体karadaをwo抱daいてite
冷tsumeたいねってtainette言iったのよttanoyo
若wakaかったあのkattaano頃koro 何naniもmo怖kowaくなかったkunakatta
ただtada貴方anataのやさしさがnoyasashisaga 怖kowaかったkatta
貴方anataはもうhamou捨suてたのかしらtetanokashira
二十四nijuuyon色syokuのnoクレパスkurepasu買kaってtte
貴方anataがga描egaいたita私watashiのno似顔絵nigaoe
巧umaくかいてねってkukaitenette言iったのにttanoni
いつもちっともitsumochittomo似niてないのtenaino
窓madoのno下shitaにはniha神田川kandagawa
三畳sanjou一間hitomaのno小chiiさなsana下宿gesyuku
貴方anataはha私watashiのno指先yubisaki見miつめtsume
悲kanaしいかいってきいたのよshiikaittekiitanoyo
若wakaかったあのkattaano頃koro 何naniもmo怖kowaくなかったkunakatta
ただtada貴方anataのやさしさがnoyasashisaga 怖kowaかったkatta