馬鹿ばかな片意地かたいじ 互たがいに張はって
なんで大事だいじな 命いのちを捨すてる
野暮やぼな喧嘩けんかを 度胸どきょうで分わけて
顔かおで治おさめる 男伊達おとこだて
生うまれ上州じょうしゅう 生うまれ上州じょうしゅう 大前田おおまえた
「意地いじだ 義理ぎりだと角突つのつき合あわせて
親おやから貰もらった大事だいじな躰からだ、
粗末そまつにしちゃあいけませんぜ。
ここはこの大前田おおまえたの顔かおに免めんじて
引ひいちゃあくれませんか。」
悪わるさしたのも 若気わかげの至いたり
付ついた綽名あだなが 火ひの玉たま小僧こぞう
二度にどと抜ぬかぬと 長脇差ながわきざしに
結むすぶ封印ふういん こより糸いと
月つきも知しってる 月つきも知しってる 心意気こころいき
「雁かりも最後さいごは生うまれ故郷こきょうの土つちになるってなぁ。
鳥とりでさえそうなら 里心さとごころがつくのは当あたり前まえ。
生うまれ在所ざいしょの上州じょうしゅうへ明日あしたは帰かえろうか。
故里ふるさとで最後さいごのひと咲さき
それが男おとこと言いう者ものじゃあござんせんか。」
赤城あかぎおろしが 身みに沁しんむ頃ころか
捨すてて出でて来きた 上州じょうしゅう在みつるは
せめて最後さいごは 故郷こきょうの空そらに
咲さいて散ちりたい 男おとこ花ばな
戻もどり草鞋わらじの 戻もどり草鞋わらじの 英五郎えいごろう
馬鹿bakaなna片意地kataiji 互tagaいにini張haってtte
なんでnande大事daijiなna 命inochiをwo捨suてるteru
野暮yaboなna喧嘩kenkaをwo 度胸dokyouでde分waけてkete
顔kaoでde治osaめるmeru 男伊達otokodate
生uまれmare上州jousyuu 生uまれmare上州jousyuu 大前田oomaeta
「意地ijiだda 義理giriだとdato角突tsunotsuきki合aわせてwasete
親oyaからkara貰moraったtta大事daijiなna躰karada、
粗末somatsuにしちゃあいけませんぜnishichaaikemasenze。
ここはこのkokohakono大前田oomaetaのno顔kaoにni免menじてjite
引hiいちゃあくれませんかichaakuremasenka。」
悪waruさしたのもsashitanomo 若気wakageのno至itaりri
付tsuいたita綽名adanaがga 火hiのno玉tama小僧kozou
二度nidoとto抜nuかぬとkanuto 長脇差nagawakizashiにni
結musuぶbu封印fuuin こよりkoyori糸ito
月tsukiもmo知shiってるtteru 月tsukiもmo知shiってるtteru 心意気kokoroiki
「雁kariもmo最後saigoはha生uまれmare故郷kokyouのno土tsuchiになるってなぁninaruttenaa。
鳥toriでさえそうならdesaesounara 里心satogokoroがつくのはgatsukunoha当ataりri前mae。
生uまれmare在所zaisyoのno上州jousyuuへhe明日ashitaはha帰kaeろうかrouka。
故里furusatoでde最後saigoのひとnohito咲saきki
それがsorega男otokoとto言iうu者monoじゃあござんせんかjaagozansenka。」
赤城akagiおろしがoroshiga 身miにni沁shinむmu頃koroかka
捨suててtete出deてte来kiたta 上州jousyuu在mitsuruはha
せめてsemete最後saigoはha 故郷kokyouのno空soraにni
咲saいてite散chiりたいritai 男otoko花bana
戻modoりri草鞋warajiのno 戻modoりri草鞋warajiのno 英五郎eigorou