ひとつ目めの部屋へやには 手首てくびの傷きずが置おいてある
若わかい頃ころに失なくした 愛あいの形見かたみとして
ふたつ目めの部屋へやには 言葉ことばを全部ぜんぶ閉とじ込こめた
他人たにんの心こころを いくつか殺ころした償つぐないに
涙なみだの数かずだけ 部屋へやを増ふやして
怒いかりの数かずだけ ドアを叩たたいて
流ながれゆく時どきのほとりで
哀かなしみ数かぞえ乍ながら
思おもい出でにするには 余あまりに重おもすぎるものや
忘わすれ去さってゆく程ほどに 軽かるくもないものたち
みっつ目めの部屋へやには 失なくした人ひとの面影おもかげを
美術館びじゅつかんのように 静しずかに並ならべてある
よっつ目めの部屋へやからは 明あかるい色いろで重かさねたい
あざなう縄なわの様ように 幸しあわせちりばめたい
らせん階段かいだん昇のぼり続つづけて
喜よろこび悲かなしみ まわりつづけて
流ながれゆく時ときのほとりで
せめて上うえを向むいて
そして最后さいごの部屋へやは お前まえの為ためにあけてある
寂さびしいばかりでない 人生じんせい生いきた証あかしに
生いきた証あかしに
ひとつhitotsu目meのno部屋heyaにはniha 手首tekubiのno傷kizuがga置oいてあるitearu
若wakaいi頃koroにni失naくしたkushita 愛aiのno形見katamiとしてtoshite
ふたつfutatsu目meのno部屋heyaにはniha 言葉kotobaをwo全部zenbu閉toじji込koめたmeta
他人taninのno心kokoroをwo いくつかikutsuka殺koroしたshita償tsugunaいにini
涙namidaのno数kazuだけdake 部屋heyaをwo増fuやしてyashite
怒ikaりのrino数kazuだけdake ドアdoaをwo叩tataいてite
流nagaれゆくreyuku時dokiのほとりでnohotoride
哀kanaしみshimi数kazoえe乍nagaらra
思omoいi出deにするにはnisuruniha 余amaりにrini重omoすぎるものやsugirumonoya
忘wasuれre去saってゆくtteyuku程hodoにni 軽karuくもないものたちkumonaimonotachi
みっつmittsu目meのno部屋heyaにはniha 失naくしたkushita人hitoのno面影omokageをwo
美術館bijutsukanのようにnoyouni 静shizuかにkani並naraべてあるbetearu
よっつyottsu目meのno部屋heyaからはkaraha 明akaるいrui色iroでde重kasaねたいnetai
あざなうazanau縄nawaのno様youにni 幸shiawaせちりばめたいsechiribametai
らせんrasen階段kaidan昇noboりri続tsuduけてkete
喜yorokoびbi悲kanaしみshimi まわりつづけてmawaritsudukete
流nagaれゆくreyuku時tokiのほとりでnohotoride
せめてsemete上ueをwo向muいてite
そしてsoshite最后saigoのno部屋heyaはha おo前maeのno為tameにあけてあるniaketearu
寂sabiしいばかりでないshiibakaridenai 人生jinsei生iきたkita証akashiにni
生iきたkita証akashiにni