振ふり向むけば薬師寺やくしじ東ひがし塔とうの
軒のきを貫つらぬく眉月びげつに
折おりから深ぶかき暁あかつき暗くらの
山際やまぎわ幽かすか茜雲あかねぐも
君きみの手てを朧おぼろに引ひきながら
こころ波打なみうつ春はるの暮くれ
かはたれ時どきの鐘かねの音ねも
すでに尽つきたか西にしの京きょう
道みちに迷まよった訳わけではなくって
闇やみにはぐれた訳わけでもなくって
過去かこと未来みらいのすれ違ちがう
重かさなる時ときの十字路じゅうじろに
立たちすくむ 恋こい
振ふり仰あおぐ薬師寺やくしじ東ひがし塔とうの
一千二百いっせんにひゃく有余年ゆうよねん
一瞬いっしゅんのまた永遠えいえんの
沈黙ちんもくのその交響曲シンフォニア
ふるえる指ゆびでたどる二人ふたりの
短みじかく長ながい物語ものがたり
秋篠あきしの川かわに写うつすのは
すべての前まえかすべての後あとか
嘘うそを信しんじた訳わけではなくって
真実ほんとうを疑うたぐる訳わけでもなくって
善ぜんと悪あくとが行いき違ちがう
逢魔おうまヶが辻つじの背中せなか越ごし
立たち眩くらむ 夢ゆめ
振fuりri向muけばkeba薬師寺yakushiji東higashi塔touのno
軒nokiをwo貫tsuranuくku眉月bigetsuにni
折oriからkara深bukaきki暁akatsuki暗kuraのno
山際yamagiwa幽kasuかka茜雲akanegumo
君kimiのno手teをwo朧oboroにni引hiきながらkinagara
こころkokoro波打namiuつtsu春haruのno暮kure
かはたれkahatare時dokiのno鐘kaneのno音neもmo
すでにsudeni尽tsuきたかkitaka西nishiのno京kyou
道michiにni迷mayoったtta訳wakeではなくってdehanakutte
闇yamiにはぐれたnihagureta訳wakeでもなくってdemonakutte
過去kakoとto未来miraiのすれnosure違chigaうu
重kasaなるnaru時tokiのno十字路juujiroにni
立taちすくむchisukumu 恋koi
振fuりri仰aoぐgu薬師寺yakushiji東higashi塔touのno
一千二百issennihyaku有余年yuuyonen
一瞬issyunのまたnomata永遠eienのno
沈黙chinmokuのそのnosono交響曲shinfonia
ふるえるfurueru指yubiでたどるdetadoru二人futariのno
短mijikaくku長nagaいi物語monogatari
秋篠akishino川kawaにni写utsuすのはsunoha
すべてのsubeteno前maeかすべてのkasubeteno後atoかka
嘘usoをwo信shinじたjita訳wakeではなくってdehanakutte
真実hontouをwo疑utaguるru訳wakeでもなくってdemonakutte
善zenとto悪akuとがtoga行iきki違chigaうu
逢魔oumaヶga辻tsujiのno背中senaka越goしshi
立taちchi眩kuraむmu 夢yume