一番大人な女性を描いた『水縹-mihanada-』
──3曲目の『水縹-mihanada-』は、大人チックな楽曲ですね。
松本明人:そうですね。このアルバムの中で、一番精神的に大人だと思います。
──矢作さんとどういう風に制作されたのでしょうか?
松本明人:この曲は、歌詞が変わる前の段階で仮の歌詞を僕が書くんですよ。そのときに既にこういう歌詞の内容で。そこをもっとドロッとさせてくれた感じですね。
──仮歌詞は全て書かれているんですね。女性目線が得意なんでしょうか?
松本明人:そうですね。メンバーの中でも女子力が一番高いって言われるんですけど…。でも根本で性別は女性ではないので(笑)
全員:(笑)
──松本さんの中にあった女性像のすり合わせはかなりされたんですね。
松本明人:詞が先に来た曲以外はそうですね。『あのね』、『ただ今日を消化するために生きています。』『おんなごころ』は全部詞が先ですね。
──詞が先行とは少し意外でした。
松本明人:やってみたかったっていうのがあって。作曲家でのスキルをどういう風に表現できるかっていうのを考えたくて。『おんなごころ』は最初歌詞として来ていた訳じゃなくて、詞として来ていたんですよね。
セリフが入っているのをメロディーにつけて、男性女性の歌い方で分けた所から、詞先にしたんです。
共感の嵐!『おんなごころ』
──『おんなごころ』では、女性、男性で歌い分けられますよね。あの男性のフレーズを歌われている低い声、結構ドキっとしました!(笑)しかもあそこまで低い声って、収録曲では他にはないですよね。
松本明人:そうですね。他は女性に振り切っている所があるかもしれないですね。
──女性的には、男性の所を歌われている松本さんどうですか?
高原未奈:すごい、音域が広いのでそこが良いなとは思いました(笑)。
──シンプルですね(笑)。でも、オクターブを歌い分けるとなるとキーの調整とか大変ではなかったですか?
松本明人:そうですね、こういう歌詞で暗いメロディーだとただ暗い曲になってしまうので、明るくするためにもともと作っていたキーよりも上げて仕上げたんです。
MIZUKI:この部分はドラムとベースも使い分けていて、ドラムが女性、ベースが男性のところで演奏しているんです。
高原未奈:この曲ができた2年前に作ったリリックビデオの方ではそうではなかったんですけど、今回のアルバムでストリングスも加わっていて、第1ヴァイオリンが女性でチェロが男性っていう風に音も厚くしています。
──おぉそれはエモいですね!!やっぱり『おんなごころ』の歌詞はすごく情景が浮かびますよね。経験ありません!?
MIZUKI:ありますあります!
──「そんなことないよ」じゃないよってねぇ…でも私の勝手なイメージですけど、松本さんは「そんなことないよ」って言いそう(笑)。
MIZUKI&高原未奈:(爆笑)
松本明人:僕めちゃくちゃ考えてしゃべりますよ(笑)!この曲が出来てからはさらに考えるようになりましたし。
全員:(笑)
松本明人:逆に相手の突き話し方もわかるようになりましたね、「そんなことないよ」って言えばショックになるんだって。
──怖い!!その使い分けができるようになってしまったんですね!
松本明人:そんなことないですよ(笑)
全員:(笑)
──わ、突き放されました(笑)。女性お二人にこの曲を受け取った時の印象を伺いたいです。
MIZUKI:私まさにこの経験があるんですけど、私の場合は「もうちょっと太ったくらいがちょうどいい」の方を言ってもらえたんですよ…
──それはデキる男ですね!!!
全員:(笑)
MIZUKI:なので共感はしました!
高原未奈:私は経験はないんですけど、「そうじゃないのよ」っていうのは…
松本明人:太らないからねぇ
MIZUKI:確かに!
高原未奈:(笑)1番の歌詞はちょっと経験したことないんですけど、2番の歌詞はわかりますね。
──「わたしのこと、嫌い?」の部分ですよね。嫌い?って聞くってことは女性としては確信持っていますよね、きっと。
松本明人:うん。
高原未奈:嫌い?って聞けないですもんね。
松本明人:別れを言って欲しい派かもしれないですよね。
MIZUKI:あー、なるほどね!
高原未奈:どっちみち「そんなことないよ」は腹立ちますよね(笑)。
──確かに!この質問に対する「そんなことないよ」はナシですよね〜。
MIZUKI:ダメですね〜。
松本明人:もう冷めてますよね。
『なんてことないね』
──では続いて『なんてことないね』について伺っていきます。この曲で歌われている恋が終わるシーンと「平成最後ばっかうるせーんだよ」と言うパンチワードが融合したきっかけを知りたいなと思ったんですが…。
松本明人:平成最後のって色んなところでそればっかり言われて、なんだか自分に区切りをつけられているような気持ちっていうところが恋の終わりとリンクしたってことですよね。
──表現が具体的だけど叙情的な感じもあるし、この歌詞は面白いですね。
松本明人:この曲は僕の曲先行だったんですけど、ここにこの言葉がハマったのでパンチワードになったかなと。
「平成最後ばっかうるせーんだよ」っていうワードが印象に残りがちですけど、実はそこだけじゃなくてっていうところも読んで頂きたいです!