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「小さな赤い灯」を守り続ける。スピッツが灯す『スカーレット』

人気ロックバンド『スピッツ』がデビュー約10年目に発売した王道ラブソング『スカーレット』。この記事では、歌詞の解釈について紹介します。

歌い継がれる名曲ラブソング「スカーレット」

1988年に結成された4人組ロックバンド『スピッツ』。

『空も飛べるはず』や『チェリー』、『楓』など数々の名曲を発表し、現在でも絶大な人気を誇る彼らの15枚目のシングル『スカーレット』の歌詞の解釈について考察していきます。

1997年に発売し、オリコンランキングでは『チェリー』、『渚』と続き、第1位を獲得しました。

『スカーレット』は、翌年に発売されたアルバム『フェイクファー』にも収録されています。

小泉今日子と小林薫主演のドラマ『メロディ』の主題歌に起用され、時を経て2012年にもCMソングとして起用されるなど、度々話題となったスピッツの名曲の1つです。

歌詞では「君」との甘い恋模様を描いており、主人公の「僕」が少し弱気な気持ちを抱えつつも、愛する気持ちというぶれない気持ちを歌っています。

寒がりな2人を暖める灯の色



タイトル『スカーレット』とは、色の名前で、JISの色彩規格では「あざやかな黄みの赤」とされています。

では、『スカーレット』という色の名前と、歌詞の内容がどのように関連しているのでしょうか。

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離さない このまま 時が流れても
ひとつだけ 小さな 赤い灯を
守り続けていくよ
≪スカーレット 歌詞より抜粋≫
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サビで繰り返される『小さな赤い灯』が、タイトル『スカーレット』の由来であると予想されます。

「君」と「僕」の愛情の「熱」のこそが『赤い灯』であり、逆にその「赤い灯」がどんなに小さくなろうとも灯し続けていくことこそが2人の愛情のために必要なことなのだということなのではないでしょうか。

僕のありのままを伝えたい



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ほこりまみれの街で
誰にも言えずに 夢見ていた
くずれ落ちそうな 言葉さえ
ありのまま すべて ぶつけても
≪スカーレット 歌詞より抜粋≫
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恋している時には、不安は付きものです。

ずっと愛しているからこそ自分が本当に伝えたい言葉を受け止めてくれるかどうか不安になる時があるのではないでしょうか。

信じあってはいるものの「ありのまま」を伝えたり、見せたりするのは怖いものでしょう。

それでも愛する「君」だからこそ『崩れ落ちそうな言葉』を伝えたい。

そしてそんな言葉を伝えた後も、変わらずに微笑んでほしい、という愛情ゆえの願いがこの歌詞には込められているのではないかと考えることができます。

小さくても消えないように



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喜び 悲しみ 心ゆがめても
寒がりな 二人を 暖めて
無邪気なままの熱で
≪スカーレット 歌詞より抜粋≫
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恋する2人の日々に伴う「喜び」や「悲しみ」の感情は、愛情を深めていきます。

しかし時には、その感情がマイナスな方向に向かっていってしまう時もあるでしょう。

そんな不安定な、『寒がり』な2人だからこそ、心を暖めてくれる『スカーレット』色の「灯」が必要であり、その灯が消えないように守り続けていくという覚悟が、この楽曲の歌詞の意味なのではないでしょうか。

TEXT 桶木英明

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