さんぜんと輝く金字塔!
1stアルバム『First Love』が765.0万枚の売上を誇り、日本の音楽シーンの金字塔とも言える偉業を成し遂げた宇多田ヒカル。
R&B色が濃く、グルーヴ感のある曲調の音楽を最初に耳にした時の、未知の遭遇感を覚えている人も多いのではないでしょうか?
宇多田ヒカルが出てきた以前と以後では、日本の音楽シーンが変わってしまったといっても過言ではありません。
現在活躍中のアーティストの中にも、宇多田ヒカルの影響を受けたと推測できるアーティストがたくさんいますよね。
宇多田ヒカルはどんなアーティストなのでしょうか。
その魅力についてじっくり紹介します。
両親の音楽DNAを受け継いだ歌姫
宇多田ヒカルは、1983年にアメリカのニューヨークで生まれました。
両親は音楽プロデューサー宇多田照實と歌手の藤圭子です。
1998年12月、15歳の時にシングル「Automatic/time will tell」でCDデビュー。「天才少女」として注目を浴び、瞬く間にいきなりのミリオンヒットを記録。
1999年3月に発表した1stアルバム「First Love」は、累計765万枚を売り上げる大記録を叩き出しました。
日本国内のアルバムセールス歴代1位を獲得し、その記録はいまだに破られていません。
その後リリースしたアルバムも、ほとんどがミリオンヒット。
「日本ゴールドディスク大賞」「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」や「日本レコード大賞」「最優秀アルバム大賞」「CDショップ大賞」など、数多くの賞を受賞しています。
天才歌姫・宇多田ヒカル!
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宇多田ヒカルは、とにかく歌唱力が高く、思わず聞き惚れてしまう人も多いでしょう。
15歳のデビュー時にすでにピッチ感や声量、リズムなど、年齢を全く感じさせない素晴らしさを持っていました。
また、彼女は作詞能力が非常に高く、作曲も独創的で素敵です。
彼女の歌を聴いているだけで切なくなって、ついもらい泣きしてしまった経験を持つ人も多いのではないでしょうか。
歌詞、歌声、メロディ、アレンジ、すべてに魅了されて何度でも聴いてしまいますよね。
CMやドラマなどのタイアップも多数あり、出した楽曲がいずれも人気曲としてヒットする、素晴らしいアーティストです。
デビューから今までのおすすめ曲を紹介
宇多田ヒカルの歌は、ウイスパー、ヴィブラート、ハイトーン、シャウトなどを駆使した歌声と、たたみ掛けるようなメロディーが押し寄せてきます。その渦に呑み込まれ、夢中になって聴いてしまいますよね。
それでは、宇多田ヒカルの特におすすめの曲を紹介していきましょう。
鮮烈なデビュー!「Automatic」
『Automatic』は1998年12月9日に発売された、宇多田ヒカルのデビューシングルです。ここから宇多田ヒカルの伝説は始まりました。
当時の日本人でこの楽曲を聴いて衝撃を受けなかった人は、ほとんどいなかったのではないでしょうか。
『Automatic』はオリコンカラオケチャートで13週連続1位を記録。
デビュー10周年に着うた無料ダウンロードを実施した際には、約50万件のダウンロード数を記録しました。
とても15歳(当時)とは思えない驚きの歌唱力です。
歌が上手いだけでなく、枠に入りきらないほどのスケール感がありますよね。
歌詞も曲も、センスの塊。
デビュー曲にして、令和になっても色褪せない名曲です。
胸にしみるバラード「Flavor Of Life」
『Flavor Of Life』は、2007年2月28日に発売された、宇多田ヒカルの18thシングル。
一世を風靡したTBSドラマ『花より男子2(リターンズ)』のイメージソング及び挿入歌に起用されました。
ドラマでは絶妙なタイミングで流れ、この歌が描き出すぎこちなくも切ない恋心に胸を揺さぶられる人が続出し、多くの共感を呼びました。
デジタルにおける配信数で、世界記録を更新した楽曲です。
「ありがとう、と君に言われるとなんだか切ない」「さようなら、の後も解けぬ魔法 淡くほろ苦い」など、繊細な心の機微を切り取った深い歌詞に胸打たれます。
前を向けないほどつらく苦しい。そんな時にただ寄り添って包み込み、それでいいんだと許してくれるような優しい歌です。
心に染み入る、歌い継がれるべき名曲です。
愛にあふれた「花束を君に」
『花束を君に』は2016年4月15日にリリースされた、宇多田ヒカルの4作目の配信限定シングル。
2016年4月15日に発売されたアルバム「Fantôme」の収録楽曲です。
NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』の主題歌に起用されました。
宇多田ヒカルは「『花束を君に』はNHK朝の連続テレビ小説が国民的な番組なので、意識的にいつにも増して間口を広げる作詞をしました。」とコメント。
また、自分にとっては亡くなった母(藤圭子)への手紙であると語っています。
宇多田ヒカルにとっては、母への愛にあふれた歌。
そして聴く人にとっては、2度と会えなくなってしまった愛しい人を思い浮かべて聴ける楽曲ですね。
「抱きしめてよ、たった一度 さよならの前に」という歌詞が、受け入れたくない別れに揺れる心の葛藤を表していて、とても切なくなります。
「どんな言葉並べても 君を讃えるには足りないから 今日は贈ろう 涙色の花束を」という歌詞には、母への愛が込められています。
母の愛情に足りる言葉なんてないのだから、言葉なんていらない。ただ母への想いの詰まった涙を流せばいいという、その想いに涙がこぼれます。
2020年は宇多田イヤーになるか!?
2010年の活動休止後、6年間のブランクを経て発表されたアルバム『Fantôme』では、椎名林檎などの有名アーティストとの、コラボレーション作品を多数発表しました。
2018年6月27日に発売した7thアルバム『初恋』は、1stアルバム『First Love』から約20年の月日を経て、もう一度「初恋」というテーマに向き合った作品です。
今一度原点に立ち返ったのでしょうか。
2020年5月には、約1年3ヶ月ぶりのシングル『Time』と『誰にも言わない』をリリース。
ふたたび精力的に活動し始めた宇多田ヒカルから、これからも目が離せませんね。
TEXT 有紀