中島美嘉「桜色舞うころ」は人気の春うた・桜ソング
中島美嘉の『桜色舞うころ』は、2005年2月2日にリリースされた楽曲です。春に聴きたい定番曲として、現在も多くの人に支持されている楽曲です。
日本のミュージックシーンでは、春うた・桜ソングがとても人気です。
2000年の福山雅治『桜坂』以降、2003年の森山直太朗『さくら』など、大ヒットした桜ソングが多くあります。
一年に一度しか咲かず、咲く期間も短い桜。
春という旅立ちや別れの時期と、桜の花の儚さが、日本人の心情に響くのかもしれませんね。
『桜色舞うころ』は、移りゆく四季に重ねて、恋の始まりと終わりを描いた楽曲です。
中島の美しく繊細ながらも力強い歌声と表現力が、歌の世界観にピッタリです。
歌詞の意味を紐解きます。
四季を通じて描かれる恋の始まりと終わり

『桜色舞うころ』は、四季を通じて主人公の心情が描かれています。
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桜色 舞うころ
私は ひとり
押さえきれぬ胸に
立ち尽くしてた
≪桜色舞うころ 歌詞より抜粋≫
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●春のシーン
恋が終わった直後の孤独を描いています。
舞い散る桜の花のピンク色とうらはらに、主人公の心は暗い影を落としている。
その色の対比が、よりせつなさを助長させます。
桜の花が舞う情景は、恋がそっと離れていく姿も想像させます。
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若葉色 萌ゆれば
想い あふれて
すべてを見失い
あなたへ流れた
めぐる木々たちだけが
ふたりを見ていたの
ひとところにはとどまれないと
そっと おしえながら
≪桜色舞うころ 歌詞より抜粋≫
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●夏のシーン
木々が芽吹き太陽の光を浴びて、若葉が鮮やかな緑色に輝く頃。
そんなキラキラとした葉のように、私のあなたへの想いはどんどんあふれていった。
すべてを失ってもいい、と思うほど深く恋に落ちていったのでしょう。
けれど、季節は移りゆき、同じ場所には留まれないもの。
季節を重ねる木々たちは、そのことをわかっている。
人の感情も移ろいゆくものである、と燃え上がる2人の恋をそっと見守ります。
しかし、2人はまだそのことに気づきません。
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枯葉色 染めてく
あなたのとなり
移ろいゆく日々が
愛へと変わるの
≪桜色舞うころ 歌詞より抜粋≫
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●秋のシーン
緑の葉が枯葉になる秋。
2人で過ごしてきた幸せな時間を描きます。
始まった恋は、愛へと深まります。
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どうか木々たちだけは
この想いを守って
もう一度だけふたりの上で
そっと葉を揺らして
やがて季節は ふたりを
どこへ運んでゆくの
ただ ひとつだけ 確かな今を
そっと抱きしめていた
≪桜色舞うころ 歌詞より抜粋≫
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この愛がずっと続きますように、と願う気持ちが描かれています。
人を愛すれば愛するほど、失うことが怖くなるもの。
どうか終わりが来ないように、と願います。
描かれる周りの木々は、きっと2人がよく訪れる場所にあるもの。
2人のお気に入りの場所かもしれません。
どうか私たちを見守っていて、と想いを伝えます。
「もう一度だけふたりの上でそっと葉を揺らして」という歌詞には、秋になり今は葉が落ちた木が、来年また芽吹く頃も一緒にいたい、という気持ちが込められています。
季節は移ろいゆく。
でも、今はただここにある愛に心をゆだねていたい、という想いでいっぱいです。
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雪化粧まとえば
想い はぐれて
足跡も消してく
音無き いたずら
≪桜色舞うころ 歌詞より抜粋≫
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●冬のシーン
季節は過ぎ雪が降る頃、2人の想いが離れていく様子が描かれています。
離れていったのはどちらからでしょうか。
雪についた足跡が消えるように、すれ違った2人の想いは、探しても見つかりません。
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どうか木々たちだけは
この想いを守って
「永遠」の中ふたり とどめて
ここに生き続けて
めぐる木々たちだけが
ふたりを見ていたの
ひとところにはとどまれないと
そっと おしえながら
≪桜色舞うころ 歌詞より抜粋≫
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木々たちにどうかこの想いを守って、と願います。
この愛が永遠に続くようにと。
この場所で、移ろいゆく季節を何度も過ごした木々たちが、2人の愛の行方を見ていた。
誰もが同じ場所にはいられないんだよ、とそっと教えてくれていたことに、主人公はようやく気づいたのかもしれません。
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桜色 舞うころ
私は ひとり
あなたへの想いを
かみしめたまま
≪桜色舞うころ 歌詞より抜粋≫
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●春のシーン
出会いの初夏から春を迎える頃、2人の愛は終わりを迎えます。
冬のシーンでは、どちらの想いが離れていったのかはわかりませんでした。
でも、この春のシーンで主人公の相手への断ち切れぬ想いが描かれています。
想いが離れていったのはきっと相手の方。
主人公は、そんな想いを予感していたのかもしれません。
だから、木々たちに2人を守って、と願っていたのです。
「桜色舞うころ」作詞・作曲は川江美奈子

中島美嘉の『桜色舞うころ』の作詞・作曲はシンガーソングライターの川江美奈子です。
自身の音楽活動と共に、他アーティストへの楽曲提供として知られる存在です。
中森明菜、今井美樹、一青窈など特に女性アーティストへの提供曲が多く、女性の心情を描くことが上手だと感じます。
本記事の考察では『桜色舞うころ』の主人公を、あえて女性と限定はしませんでした。
ですが、女性とするならば、揺れ動く心、永遠を願う気持ちが四季の移ろいと共に、感情移入しやすく描かれていると感じます。
『桜色舞うころ』は森山良子、徳永英明、中西保志など多くの実力派シンガーがカバーしている春の名曲。
川江自身も、2008年のアルバム『letters』でセルフカバーしています。
ぜひ、いろいろなバージョンを聴き比べてみてください。
「桜色舞うころ」は春に聴きたい永遠の名曲
中島美嘉の『桜色舞うころ』は、春うた・桜ソングとして人気の高い楽曲です。四季の移り変わりに乗せて、恋の始まりと終わりを描いています。
中島の美しく力強い歌声が、主人公の心情を巧みに表現しています。
「桜色舞うころ 私はひとり」という冒頭のフレーズがせつなさを助長させ、聴く人の心を掴むのではないでしょうか。
歌い継がれる春に聴きたい永遠の名曲を、ぜひ聴いてみてくださいね。
