白しろい牙きばむき出だして 大波おおなみが砕くだけ散ちる
哭なきつのる海風うみかぜと 降ふりしきる雪ゆき
無邪気むじゃきなような 思おもいつめてるような
かもめをおおぜい引ひき連つれて
埠頭はとばで死しぬ気きの女やつがいた
俺おれとあいつの 出会であいを
かもめの女房にょうぼうと人ひとは呼よぶ
何なにがあったか あいつも言いわね こっちも訊きかね
心こころの傷きずも あああ 背中せなかの傷きずも…
それだけのはなしだ
あの冬ふゆが嘘うそのよう 穏おだやかな春はるの海うみ
遠とおくにはサハリンが 霞かすんで見みえる
仕付しつけの糸いとは あなた着きるとき取とって
仕立したてた着物きものと置手紙おきてがみ
人ひとの眼め盗ぬすんで縫ぬってたか
お伽噺とぎばなしの 恩返おんがえし
かもめの女房にょうぼうと人ひとは呼よぶ
何処どこへいったか あいつも言いわね こっちも知しらね
しあわせならば あああ 吐息といきをひとつ…
それだけのはなしだ
かもめの女房にょうぼうと人ひとは呼よぶ
何なにがあったか あいつも言いわね こっちも訊きかね
心こころの傷きずも あああ 背中せなかの傷きずも…
それだけのはなしだ
白shiroいi牙kibaむきmuki出daしてshite 大波oonamiがga砕kudaけke散chiるru
哭naきつのるkitsunoru海風umikazeとto 降fuりしきるrishikiru雪yuki
無邪気mujakiなようなnayouna 思omoいつめてるようなitsumeteruyouna
かもめをおおぜいkamomewooozei引hiきki連tsuれてrete
埠頭hatobaでde死shiぬnu気kiのno女yatsuがいたgaita
俺oreとあいつのtoaitsuno 出会deaいをiwo
かもめのkamomeno女房nyoubouとto人hitoはha呼yoぶbu
何naniがあったかgaattaka あいつもaitsumo言iわねwane こっちもkotchimo訊kiかねkane
心kokoroのno傷kizuもmo あああaaa 背中senakaのno傷kizuもmo…
それだけのはなしだsoredakenohanashida
あのano冬fuyuがga嘘usoのようnoyou 穏odaやかなyakana春haruのno海umi
遠tooくにはkunihaサハリンsaharinがga 霞kasuんでnde見miえるeru
仕付shitsuけのkeno糸itoはha あなたanata着kiるときrutoki取toってtte
仕立shitaてたteta着物kimonoとto置手紙okitegami
人hitoのno眼me盗nusuんでnde縫nuってたかttetaka
おo伽噺togibanashiのno 恩返ongaeしshi
かもめのkamomeno女房nyoubouとto人hitoはha呼yoぶbu
何処dokoへいったかheittaka あいつもaitsumo言iわねwane こっちもkotchimo知shiらねrane
しあわせならばshiawasenaraba あああaaa 吐息toikiをひとつwohitotsu…
それだけのはなしだsoredakenohanashida
かもめのkamomeno女房nyoubouとto人hitoはha呼yoぶbu
何naniがあったかgaattaka あいつもaitsumo言iわねwane こっちもkotchimo訊kiかねkane
心kokoroのno傷kizuもmo あああaaa 背中senakaのno傷kizuもmo…
それだけのはなしだsoredakenohanashida