国民的シンガーソングライター・米津玄師!
2018年3月14日に8枚目のシングル曲として発売された『Lemon』は、石原さとみが主演を務めたTBS系ドラマ『アンナチュラル』の主題歌として大人気となり、ダウンロード数とCD売り上げの合計は300万セールスを突破しました。知ってましたか?米津玄師は2009年前後よりインターネットを中心に活動を続けていたアーティストなんです。でも、まだ彼の過去の曲を知らない人も実はいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、そんな方のために、過去にリリースした楽曲の中から、今聞いておくべき名曲を紹介していきます!
今聞いておくべき名曲を紹介!
「TEENAGE RIOT」
2018年10月31日にリリースされた米津にとってメジャーデビュー通算9枚目のシングル曲。
柳楽優弥と新田真剣佑が出演するマンダムギャッツビーシリーズのCMソングに起用されました。
米津が自らの過去をもとに書いた曲で、もとは大ヒットした『Lemon』のカップリングとして制作されたため、バラードだった『Lemon』とは違った曲調を意識して作られました。
曲のタイトル『TEENAGE RIOT』は、直訳すると「10代の暴動」という意味です。
米津が中学生の終わりのころに作った曲がサビのメロディのもとになっているということで、思春期独特の悩みや葛藤などを描いた曲となっています。
中二病という便利な言葉では片づけられない、一人ひとりが抱え、誰もが通ってきた思いや感覚を大事にした一曲と言えるかもしれません!
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よーいどんで鳴る銃の音を いつの間にか聞き逃していた
地獄の奥底にタッチして走り出せ 今すぐに
誰より独りでいるなら 誰より誰かに届く歌を
歌えるさ 間の抜けた だけど確かな バースデイソング
≪TEENAGE RIOT 歌詞より抜粋≫
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「よーいどんで鳴る銃の音を」というのは、運動会などでスタートの合図となるピストルの音。この音を聞き逃してしまうと、みんなと一緒にスタートすることは難しくなってしまいます。
しかし、地獄の奥底からでも遅くない、走りだせ!と伝えています。
冒頭部分は「潮溜まりで~」と投げやりに思える歌詞でしたが、孤独を知っているからこそ、人々の心に届く歌を書くことができるのかもしれません。
バースデーソングというのは、誕生日という意味だけでなく、新しい自分へと生まれ変わるという意味も含まれているように感じます。
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持て余して放り出した叫び声は 取るに足らない言葉ばかりが並ぶ蚤の市にまた並んで行く
茶化されて汚されて恥辱の果て辿り着いた場所はどこだ
何度だって歌ってしまうよ どこにも行けないんだと だからこそあなたに会いたいんだと今
≪TEENAGE RIOT 歌詞より抜粋≫
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孤独に耐えていたときの自分の想いは、ほかの人たちから見れば、青臭いと言われてしまいがちです。
それでも、そういう気持ちをゼロにするのではなく、「どこにも行けないんだと」もがきながら前に進んでいこうとする、そんな思いを抱いていた米津に重ね合わせることができる曲ですね!
「爱丽丝(アリス)」
2017年11月1日に発売された4枚目のアルバム『BOOTLEG』の11曲目に収録されているのが『爱丽丝』です。これは読み方が難しいですがアリスと読みます。
この曲のモチーフは誰もが知っている『不思議の国のアリス』で、歌詞にはアリスの物語が散りばめらています。
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真っ逆さまに落っこちた ふとした刹那につまづいて
マンホールの中に落っこちた そこからはパラノイア
心臓のあたりで少年が ひたすらバタバタ駆け巡るまま
今日は何して遊ぼうか がらくたの街の中
≪爱丽丝 歌詞より抜粋≫
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冒頭の「真っ逆さまに落っこちた」はまさに『不思議の国のアリス』ですね。
アリスはうさぎを追いかけて穴に落ちてしまいましたが、マンホールになり現実味を帯びています。
「パラノイア」とは妄想のことをいい、穴に落ちたことで日常から脱却したと考えられます。
「心臓のあたりで少年が~駆け巡るまま」というのは、心の中にある子どもの部分の思うままに、ただ無邪気に遊びたいという願望を表しています。
「クランベリーとパンケーキ」
2018年3月18日にリリースされた『Lemon』のカップリング曲。タイアップなどは特にないものの、『クランベリーとパンケーキ』は、二日酔いの気分の曲として作られました。
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ヒッピヒッピシェイク ダンディダンディドンで
もう一度浮かれた祈りの方へ
こんな馬鹿な歌ですいません
嗚呼毎度ありがたし
≪クランベリーとパンケーキ 歌詞より抜粋≫
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米津自身が二日酔いの気分の曲と言っているように、曲調も全体的に気分が良くなるような、少し肩の力を抜いて聞けるような曲に仕上がっています。
「ヒッピヒッピシェイク ダンディダンディドン」という擬音を使うことで、二日酔いの感じがより出ています。
「こんな馬鹿な歌ですいません 嗚呼毎度ありがたし」という部分は、ファンに向けて自由に表現できることへの感謝の気持ちを伝えています。
米津もこの最後の2行が大事な曲だと伝えており、米津の思いの詰まった“ありのままの米津玄師”を表現した歌といえます。
ご紹介した3曲の他にも、まだまだ歌詞が心に沁みる作品が盛り沢山です!
センスがあふれる米津玄師の言葉をぜひ、ご覧下さい!
米津玄師の歌詞一覧を見る
米津玄師の言葉の世界を紐解く!歌詞コラム
UtaTenでは、楽曲の歌詞の世界をより堪能してもらうべく、UtaTenライターの独自解釈による歌詞コラムを掲載しています!その中から、米津玄師の楽曲にまつわる歌詞コラムを3記事紹介します!
米津玄師が描く歌詞の世界を紐解くコラム 3選!
▶『砂の惑星』歌詞 コラム▶『Lemon』歌詞 コラム
▶『灰色と青』歌詞 コラム
▶その他の米津玄師の歌詞コラムページ
米津玄師の魅力に別の角度からも、紹介した記事を紹介します!
▶史上最強のクリエイター 米津玄師の素晴らしさをたっぷり語ってみた
日本を代表する万能音楽クリエイター・米津玄師!
米津玄師の知られざる名曲についてご紹介しました。『Lemon』をきっかけに知った人もたくさんいると思いますが、過去に出した楽曲にも米津の想いがこもった曲がたくさんあります。
今後は、5月14日に米津玄師プロデュース・菅田将暉が歌唱する『まちがいさがし』のリリースが決定しているほか、6月7日に公開されるアニメーション映画『海獣の子供』のために書き下ろした新曲『海の幽霊』が主題歌に起用されました。
2018年大ヒットした『Lemon』に続き、今年はどのような歌を届けてくれるのか、楽しみですね!
海の幽霊 歌詞がついに公開!
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開け放たれた この部屋には誰もいない
潮風の匂い 滲みついた椅子がひとつ
≪海の幽霊 歌詞より抜粋≫
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TEXT rinnai